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地テシ:251 「ゆでめん」ってば!

「神州無頼街」の東京公演一般発売が始まりました。ヤングチケットもございますので、ヤングな方はゼヒ!

そんなカンジで、どんどんと「神州無頼街」大阪初日が近づいてくる近頃ではありますが、昨秋上演致しました「狐晴明九尾狩」のゲキ×シネ上映も決まりましたよ!

皆さんお待ちかね! 安倍晴明と賀茂利風と桃狐霊が大画面で帰ってきますよ! あと、妖かしたちもね! 6/24(金)ですからまだまだ先ですが、どうぞご期待下さいませ。


さて、そんなこんなで忙しい日々を送っている私でして、本番が近づくと色々な締め切りも波状攻撃で襲ってきます。一つ一つこなしていくだけでも大変です。
さらに、大阪行きに備えて容量一杯になったハードディスクレコーダーの整理とかもしておりまして、録画した番組を見て消去とかしなくてはならないのですが、今さらながら録画した大河ドラマ「青天を衝け」中盤を鑑賞中だったりもします。いやあ、面白いねえ。明治に入ってから、さらに面白くなったような気がします。もちろん現在の「鎌倉殿の13人」も見ておりますので、今、私の中では大河ドラマが二本併走しております。

だもんで忙しい日々なのです。そりゃ大河が併走してりゃ忙しいよね。いや実は、最近読んだ小説についての記事を書きかけていたのですが、これが思ったよりも大変になりそうでして、落ち着いてからまた改めて書くコトにしました。
ですので、今回はそれとは別に、こちらも最近読んだ本について書きましょうか。本といいますか、写真集です。
それは、野上眞宏写真集「ゆでめん」

「ゆでめん」と言いますのは、1970年代に活躍した日本語ロックの元祖みたいな伝説のバンド・はっぴいえんどのファーストアルバムのことです。本当のアルバムタイトルはバンド名と同じく「はっぴいえんど」なのですが、ジャケットになった林静一のイラストに大きく「ゆでめん」と描かれているので「ゆでめん」と通称されているのです。
そのファーストアルバムの録音時に、メンバーとも知り合いだった写真家の野上眞宏さんが密着して撮影していたのです。アルバムの裏ジャケットにも数枚の写真が使用されていますが、こうしてまとまって出版されるのは初めてだそうです。

はっぴいえんどといえば、大滝詠一、細野晴臣、松本隆、鈴木茂の四人によるバンド。わずか三枚のアルバムを発表後に解散しましたが、メンバーはそれぞれ日本の音楽界に多大な影響を与えました。
大滝、細野の二人はヒットメーカーとして、松本は作詞家として、鈴木はスタジオミュージシャンとして、皆さんも絶対に聞いたことのあるヒットソングを手掛けています。
はっぴいえんどについて語り始めると長くなるので、ここらへんで納めますが、まあとにかく日本のロック及びポップ界に君臨する人々の、若かりし日の姿がこの写真集には収められているのです。

何しろみんな若い! 細野さんが22歳、大滝さんが21歳、松本さんが20歳、鈴木さんに至っては18歳ですって! 今考えたらただの若造ですが、彼らが現在の日本の音楽界の基礎を築いたのもまた事実です。
広いスタジオに雑然と置かれた楽器、録音機材、パイプ椅子、灰皿。今にして思えば野暮ったい、でも今から見ればお洒落な服を着た若者たちが、木訥に演奏している姿が納められています。

アルバムとしてはセカンドアルバムである「風街ろまん」の方が完成度が高いでしょう。しかし、この若くて荒削りで攻撃的なファーストアルバムこそが当時の彼らを表しているのだと思います。
よくぞまあ、こんな写真を残していてくれたものだと感心致します。鈴木茂さんによる細かな解説もあり、使用器材なども詳細に説明されています。撮影は1970年4月。大阪万博の年であり、わたしはまだ5歳。でも、生まれてはいるのです。同じ時代を生きていたのです。なんだか感慨深いものもありますが、別に関係はないっちゃあないんですけどね。


この写真集を見ながら「ゆでめん」を聴き直したりしておりました。Spotifyにもありますので、気になる方は聞いてみて下さいませ。会員で無い方も短い時間ですが聴けますよ。

そして、よろしければ他のアルバムも聴いてみたりしてみて下さい。今にしてみればさすがに古臭い印象もあるのに、今だからこそ新しいカンジもするのが不思議です。凄い才能が偶然にも集結することがあるのですね。まあ、後世に名を残すバンドというのはそういうものなのでしょうが。
音楽好きではあるのに、あまりバンドのグッズなどは買わない私ですが、この写真集は欲しかったのです。はっぴいえんど関係のは買っちゃうなあ。単なるファンってコトでしょうね。

そんなこんなの3月。「神州無頼街」の稽古も大詰めです。なんだか暑苦しくも楽しい作品になりそうです。どうぞお楽しみに!