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地テシ:252 KUTO-10「三大劇作家、逮捕される!」と、新感線「神州無頼街」大阪公演ってば!

さあ! いよいよ2022年劇団☆新感線42周年興行・春公演「神州無頼街」の大阪公演が始まりますよ!
本来ならば2020年の秋に上演されるはずだった作品が、一旦は公演中止になりかけて、いややっぱりと公演延期になって、そしてようやく上演されるのです! 一年半ものお預けを食らってしまったので、関係者一同かなり鼻息が荒いです。そりゃぁ一年半もお預けを食らったら鼻息も荒くなるってもんでしょう。ご飯を前にお預けを食らったワンちゃんの如くですよ。よだれだって出てしまっているかもしれません。

時は幕末。明治維新まであと一年。なのに幕府軍も薩長軍も出てこない、中島かずき流の幕末物語です。出てくるのは任侠者ばかり。ほとんどが架空の人物ばかりですが、清水次郎長とその子分の大政・小政だけが実在の人物として登場します。
腕の良い流れ者の医者である秋津永流(あきつながる)を福士蒼汰さん、どんなことにも口を出す口出し屋の草臥(そうが)を宮野真守さんに演じて頂き、二人がバディを組んで日本を揺るがす大陰謀に立ち向かいます。
それを迎え撃つのが富士の裾野に勢力を張る蛇蝎一家。親分である身堂蛇蝎(みどうだかつ)を高嶋政宏さん、蛇蝎の妻・麗波(うるは)を松雪泰子さん、息子の凶介(きょうすけ)を木村了さん、娘の揚羽(あげは)を清水葉月さんに演じて頂きますが、これがまた強烈な一家なのですよ。オープニングからド派手に登場しますので、どうぞお楽しみに!

まあとにかく、コッテリした幕末任侠物語の幕が上がります。福士くんは爽やかなのですが、マモちゃんが暑苦しいでしょ。蛇蝎一家はみんなクドイし、舞台となる富士の裾野なる無頼の宿に集うのはおじさんおばさんばかりの劇団員たちでしょ。もう、全体的にコッテリしてます。脂ぎっています。
ストーリーもかなり脂っこくネットリとしておりますが、いつものようにテンポ良く展開していきますので勢いはあります。そして歌いまくります。もはやミュージカルと言ってしまってもいいんじゃないかとすら思えます。もちろん、お約束の名曲オマージュもありますよ。あれとかこれとかね。

3月の17日の大阪から、5月の28日の東京まで、富士市を挟んで三都市で暴れ回ります。桜前線と共に西から東へと日の本を駆け抜けます。どうぞお楽しみに!




そんなカンジで「神州無頼街」も間もなく始まるのですが、それとは別にもう一つ! 私がチラシをデザインさせて頂きましたプロジェクトKUTO-10さんの「三大劇作家、逮捕される!」の公演も始まっております。
大阪公演がウイングフィールドにて3/9〜14、山形公演が山形市民会館小ホールにて3/18・19、東京公演が下北沢・小劇場B1にて3/22〜27です。つまり、大阪公演はもう始まっております。月曜日の3/14までですよ!

私も既に大阪に来ておりますので拝見致しましたが、関西を代表する三人の劇作家が《劇作家が逮捕された》をテーマに書いた三本の作品のオムニバスになっておりまして、間をミニストーリーでつなぐという演出家・後藤ひろひとさんの真骨頂が見られます。
村角太洋さんの緻密なのにユルい面白さ、内藤裕敬さんの叙情派なのに肉体派さ加減、後藤ひろひとさんのシュールな笑いからの怒濤の展開。三者三様でとても面白かったのですよ。また、知り合い劇団のネタなので、モデルになった人が想像できたりするのが楽しい。
特に三本目の後藤さんの作品がまた有無を言わせぬ面白さなのですよ。無関係かと思ったら伏線、意味があるかと思ったら無い、ベタな笑いからのシュールなオチ、そしてホロッとさせる人情。いやあ、さすがです。

ちなみに、今作の舞台美術を担当しているのは池田ともゆきさん。実は「神州無頼街」でも美術を担当して頂いております。同じ時期に二作品を作って頂いているのです。いや、私が知らないだけで更に別の現場もあるのかもしれませんが。
予算も規模も作風も全く違う二作品ですが、見事にそれぞれの作品を彩って頂きました。特に「三大劇作家〜」では、かつて《寸角の魔術師》と呼ばれた池田さんの面目躍如です。シンプルなのに饒舌、抽象的なのに具体的。
そして、その特徴は「神州無頼街」でも遺憾なく発揮されています。シンプルなのに複雑な、変幻自在な舞台美術をお楽しみ下さい。

KUTO-10の山形公演も東京公演もまだ間に合います。大型の空気清浄機もガンガン稼働していました。村角さん、内藤さん、後藤さんの新作を三本同時に見られるというのは実に贅沢な時間ですよ。気になる方はゼヒ劇場にお運び下さいませ。

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季節も急に春めいてきました。なんだか楽しいコトがしたくなりませんか。劇場にはなんだか楽しいコトが詰まっています。よろしければ、どうぞお越し下さいませ。