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地テシ:342 長沢芦雪展とちょっと天號星

さあ! 終わってしまいますよ! 劇団☆新感線「天號星」が! あと二日で! あと2ステージで! 終わるぞよ! 終わってしまうのであるぞよ!
なにゆえ高飛車に宣言しているのでしょうか私は。まあ、なにしろこちらは最後の2ステージを終えたばかりでテンションが高いんですよ。じゃあしょうがないよね。

色々と、まあホントに色々とあった、そしていまだに色々とある今作ですが、どうにか千秋楽が見えてきました。いやいや油断大敵です。ますます気をつけながら最後までサバイブしていきたいと思います。


ところで。ホントに急に話が変わって申し訳ありませんが、ところで。大阪公演の休演日に大阪中之島美術館で開催されている「特別展 生誕270年 長沢芦雪 ー奇想の旅、天才絵師の全貌ー」に行ってきました。

長沢芦雪(ながさわろせつ)というのは円山応挙(まるやまおうきょ)の弟子で、応挙ばりの精緻で写実的な絵も描けるのにユルい線の自由な画風も得意という異才でして、最近特に注目が集まっている江戸中期の日本画家です。
先日もテレビ東京の「新 美の巨人たち」でも特集されていて、ちょっと気になっていたところにタイミング良く大阪滞在中に開催されているってんですから、そりゃ行こうって気にもなりまさぁね。

円山応挙の描く仔犬も可愛いですが、長沢芦雪の描く仔犬はもっとバカっぽくて愛らしい。仔犬も含めて芦雪の代表作も見られるのはこちら↓

代表作である「虎図」ですら力感溢れる虎なのに顔はどこか愛らしいんですよね。なんとなく高橋留美子先生の絵柄を思い出しちゃうんですよ(個人の感想です)。近年の漫画に繋がる表現のようにも感じられます。
犬とか子供とかはユルく描けるくせに、花鳥を描く時にはどうしても師匠である応挙っぽく細密に描いてしまうのが面白い。もう、癖というか業なんでしょうね。
ですが、全体的に筆が速く、迷いなく省略していっているようにも感じます。関羽図などの中国風のゆったりとした衣服を描く時にも、強弱つけてサッサッと描かれた服の皺の線が見事なんですよね。こちらも漫画的な表現に思えます。
個人的に好みだったのは、小さな恵比須さまが大きな鯛の上に乗っているんだか取り押さえてるんだかの「恵比須図」ってのが可愛らしくて好きでした。

ただ、会期が前期と後期で分けられていて、ほとんどの作品が途中で展示替えされてしまっているのがちょっと残念でした。私は後期に行ったので前期の作品は見られないってコトですよ。まあしょうがないんですけど。
あ、でも、師匠の円山応挙や、奇想の画家として伊藤若冲や曾我蕭白の作品もちょっとだけあったのは嬉しい誤算でしたよ。

大阪中之島美術館には初めて行きましたが、さすが2022年にできたばかりですから美しく近代的な美術館です。角張った外観ではありますが、内部は空間を贅沢に使い、天井が高く吹き抜けも大きいので開放的な印象です。中之島という名前の通り両側を川に挟まれているので見晴らしも良く気分も開放的になる素敵な美術館でしたよ。

北側から見た大阪中之島美術館。なんか角張っているでしょ
内部の吹き抜け部分。そしてエスカレーターが超長い

長沢芦雪展は12/3(日)まで。以前にもご紹介した大阪市立科学館の北隣です。最寄り駅は京阪の渡辺橋駅ですが、大阪メトロの肥後橋駅やJR・阪神の福島駅からもそれほど遠くありません。興味のある方は散歩がてらに是非どうぞ!


★今週の「天小ネタ星」★

●最後の小ネタは私がらみの小ネタを。私の演じる明神甲斐守は材木奉行。テレビドラマの時代劇ならばラスボスっぽい立ち位置っぽい役回りっぽいです。まあもちろん今作ではタダの小物なんですけど。だもんですから、立ち回りも無くサクッと殺されるのかと思ったら豈図らんやチラッとだけ闘います。

●ちなみに、川原さんから指定された甲斐守の剣筋は「基本に忠実な人」です。一応道場で免許皆伝とかは貰ってはいるのでしょうから弱くはないのでしょうが、なにしろ殿様剣法です。師匠からは手加減されて褒められてばかりいたりして自信だけはある人なのではないでしょうか。なのでいちいち構えを取ってからでなければ剣が振れないし、いちいち声を出さなければ打ち込めません。いや、いちいち声を出しているのは私が勝手に加えたのですけどね。まあとにかく、そういうような殺陣を付けられたというコトです。舞台上で《基本に忠実な人》が表現できていれば良いのですが。


そんなこんなの千秋楽直前。無事に終われることをお祈り下さいませ。