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パスポートについて

海外旅行ねぇ、いつかは行きたいな、ヨーロッパとか?韓国とか。I♡NYシャツとかもいい。とは言ったものの、絶対に行かないだろうなと思っていた。そもそも旅行自体、社員旅行的なやつ以外ではもう長いこと行っていないし、それ自体もコロナでなくなっていた。(遠征や出張はするけども)


出会いは昨年末から新年にかけて、よく行く居酒屋でのこと。その居酒屋さんは、ここ数年それこそコロナでどこも休業していた状態でも開いている数少ない貴重なお店で、友人らと毎週のように行っていた店だったけど、彼らには家族があるので年末年始は相手にされず、しょうがなく一人で行くようになった。だってしょうがないじゃないか。

少し年上の落ち着いた雰囲気の男性で古田新太に似ている人で、若い男女の真ん中に座って居た。仮にナオヤさんとしておく。
若い男女と言ってもグループではなく、全員が一人で来ていてほぼ初対面の旅行者や大学生。年末年始は毎年そういう雰囲気の店で、一年に一回会う人も何人か居た。初年度こそ緊張はしたけども、大切な出会いはそこで沢山あったので本当に大好きな店。


暇な年末から毎日同じ店で飲み続けているが、年始となると初詣に行く人や伊勢に遠征に行く人などで集まりもまばらになってくるため、全体的に人が少なくなってくるため、少人数の初対面のおじさん達が残る。ふるいにかけられた運動場の砂の残った石。毎日会ってるのでもう話す事も何もないし、かと言ってやる事もない。そんな極限状態で話す事はろくな事じゃないんだけど、何か希望がないかと探し求めたパンドラの匣の隅っこの方に海外旅行の話があった。

経験豊富なおじさん達は当然のように海外に住んだ経験もあり、縁がなさすぎる話を肴に酒がすすむ。でも自分はパスポートも持ってないし英語もしゃべれないけどリスニングならなんとなく~等と初心者丸出しの素人感におじさん達も酒がすすむ。これぞWin-Win。

じゃあ今年は海外一緒に行こうよ、待っていたかのように誘われた言葉に舌鼓。咀嚼してビールと一緒に流し込み、わかりましたと返事をする一連の流れが驚くほどスムーズで、自分で何を言ってるのかわからない状態、それが正月の良さでもあるな、なんてぼんやりとしながら、でもパスポートってどうやって取るんだ?と既に考えていた。
その人からすれば当たり前な事なのに自分はバカみたいに嫌だ嫌だと逃げ回ってワガママな高校生かよ、とか思っていると自分が高校生だった頃を思い出したり、そういや弟は高校の修学旅行だかホームステイだかで海外行ってたなと思い出したり。

言質を取られたので、今年の年末また会う時に海外旅行に行ったか報告してくださいね、行ってなかったらガッカリしますからね、と笑顔で煽られてお別れした。えらいこっちゃですわ。

何回かGoogleで「パスポート 取り方」で検索したけど全然わからん。Googleはたまに敗北します。わかってる、Googleのせいじゃない。カレンダーや手帳にも何度かリマインダーしている。

書いてはいるんやで

気持ちはあるんだけども、行動が全く伴っていない。やばい、パスポートとらなきゃ、強迫観念にかられつつ現実逃避を繰り返していたある日、同じ居酒屋にふらっと寄ったところ、年末年始に飲んだうちの一人、ナオヤさん(仮)が居た。
開口一番、パスポート取った?と言われて前門に居ると思っていた虎が後門からネコパンチしてきた気分になった。一瞬で追い詰められた生徒が「はい!やります!」と返事すると知っている先生のようである。なかば呆れ顔のように見えて、まずいと思った。でもこの世界で信用を失う事がどれほどの罪になるのか、意外とならないのか、僕はまだ知らない。まだまだ知らない事が沢山ある、それを知るために海外に行くと言っていた。俺は海外に行く。強い意思のもと、次の日に会社のパソコンのGoogleで「パスポート 取り方」と検索した画面を開いたまま、数日間放置した。誰か調べて教えてください…


優秀なスマホが数週間に一度くらい「最近使用していないアプリの権限を削除しました」と通知してくれる。セキュリティと動作改善の一環なのだろう。そのリストを見て、無駄なアプリがあれば削除して容量を増やそうと思うのに、毎回どれが無駄なアプリかわからずに、そっと閉じる。
いつも思ってたけど、マイナンバーカード申請して2万円分ポイント貰うために使用したマイナポータルって削除していいのかわからず放置していたけど、パスポートの取り方の自治体のサイトにマイナポータルの文字があることを見つけた。いや大分前からあったやろと思いつつ、もしかしたらアプリで申請できるのか?と思い立ち、やってみたら出来た。このnoteは三行で簡潔していた。










届くの楽しみ!行くぞ海外旅行!





つづく(多分)

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