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2014 AUTUMN TOUR 熊本

11/13 佐野元春 & THE COYOTE BAND 2014 AUTUMN TOUR at 熊本B.9 V1ライヴレポート

僕にとっての“トゥワー初日”は先の大阪。ライヴハウスメインの秋トゥワーの中でも数少ないホールコンサート。
今回熊本公演はライヴハウス。2013年の公演はホールコンサートで、ライヴハウスだけに限ると2010年以来。
トゥワー16本目、いよいよ終盤だ。

昨年の大阪公演は前回ウィンタートゥワーとは別枠で行われて、前回トゥワーの熊本公演はその大阪公演より3ヶ月ちょっと前。
なのに、

「約1年振りの熊本!」

オフィシャルでも約1年振りの熊本、約1年半振りの大阪となっている。う~ん、重箱の隅(笑)

入場するとステージ前3列くらいに先の列があって、そのやや後ろは一段高くなっている。
このことには終盤棟梁も触れていた。段になっていて後ろでも見やすいんじゃないかな、(設計した人に感謝すべきだね。笑)って。
僕はその段のところに陣取った。だって、大人になった僕にはオールスタンディングは正直しんどい。
ここなら前に手すりみたいなバーがあるからね。それでもホールの座席にしたら5列目くらい。

ローディーさんたちがサウンドチェックに入る。いつもながら、アッキー担当?の人大変だな。サウスポーの逆持ち。
あ、MacBook Airのお姉さん!(笑)

定刻から5分押しで客電が落ちて、ほどなくコヨーテバンドメンバー登場。
各地で曲目は若干変わってもオープニングナンバーは同じ。小松くんがドラミングを始めて風神雷神(笑)のギターが鳴り響き、
そして、棟梁登場!最近の正装であるシャツ(今夜は薄いピンク)にベスト姿。

「ありがとう!熊本、ありがとう!約1年振りの熊本です!コヨーテバンド、パワーアップして戻ってきました!」

大歓声。

続いて高速ダウンタウンボーイ。久しぶりにくわえタバコのBlue Boyのジェスチャーを見た気がする。
終盤、右手を高く上げているその先のハンドサインはハングルーズ。みんながアローハ!てやるあのポーズね。

バンドは2007年に出会って2枚のスタジオ録音盤を作っていて、その中から。

灰に寄り添うボーイ。大阪では真ん中やや右で元春キックだったけど、ここ熊本では反対側。
この曲だけで元春キックが2回。ノッてるな、棟梁。続いて、熊本のみんなと一緒に夜空の果てまで飛んで行こう!

「荒地の風景に見立てて、その風景のサウンドトラックのような感じで書きました。荒地の何処かで」

この曲を聴くとNHKのSONGSを思い出す。

さらにもう一曲のあと、

「アルバムコヨーテにはアップビートの曲ばかりではなくて、ミッドテンポの良い曲もいっぱい入れています」

知ってるよー!の声に、

「俺の方がもっとよく知ってるよ!(笑)」

友達の歌でコヨーテからは終わり、Zooeyへ。

言えることはたった一つ
この先へもっと

この曲はお馴染みの元春パンチに加えて元春キック!

「ルァ ヴェータ エ ベラ聴いてもらいました」

巻き舌も聞けた(笑)

「僕らは色々な音楽を聴いてきて、その中でも僕は1970年代のモータウン。モータウンレーヴェルから出るシングルが好きでした。」

うんうん、てな感じで頷いていると、あきらかに?僕を見て指差し、「知ってる?(微笑)」

良いんです!主観だから(笑)

「そんなモータウンのダンスナンバーのような曲を書いてみたいと思って書きました。世界は慈悲を~」

東京で仕事に疲れて夜空を見上げる。案の定、星がない!でも熊本の空は違うのを知っている。
そんな星たちの中でもひときわ輝く星の歌。出だしのギターは深沼くんで終わり間際はアッキー。最近気付いた(笑)

「こうして舞台の上から見てみると概ね2種類の人たちが居る。男性と女性の2種類」
「男性と女性。どうやったら、うまくいくのか?男性と女性の違い、35年間ずっと考えてきた」

え、3年じゃないの?

「そして3年前、ようやく分かった。話してもいい?」

ここからは賢い女性の話(笑)続いて詩人の恋。出だし歌詞間違えたな、テメー!(笑)

実はもうだいぶ出来上がっていると言うニューアルバム。12曲、13,14,15,16曲… その中から良い曲を選りすぐって入れたいと思ってると新曲2曲。

「どう?気に入ってくれた?この際だから、一応拍手しとこうってんじゃないの?もし気に入ってくれたんなら、新しいアルバムに入れたいと思います!」

92年のスウィート16から。まるで夢を見ていたような気持ちだぜ。この曲のライティングは大阪フェスの時のがいい。
ミントグリーンて言うの?熊本では赤。先に大阪で聴いてたけど、熊本で聴くのは92年以来。

「次の曲も90年代、正確には89年。ナポレオンフィッシュ~と言うアルバム、ロンドンに行って7ヶ月かけて作った。そこからのシングルカット」
「この曲をシングルカットした時にはチャートの11位とか12位とか13位とかそれぐらいだった。それが90年代に入ってテレビドラマの主題歌になったら、チャート1位?2位?」
「なんだよ!って話。もっと早く気付いてよ」

ヒット曲の出来方についての独自の考察(笑)のあと、一緒に歌おう!
曲の終盤、風神雷神(笑)が前に出てきて、雷神(ぽい。笑)アッキーが“Yeahhhhー!”って叫んでいた。
その時ローディーさんが赤いヤツのチューニングをしている。次はどっちだろう?寂しげなエンジェル?ポケットには今にも~?

「僕はラジオが好き!」おお、こっちか。

「インターネットやテレビが前に出てラジオは後ろの方に追いやられて。でも、ラジオのポテンシャルは凄い。僕はラジオは魔法の箱のようなものだと思っている」
「ビートルズ、ストーンズ。そしてキンクス。ディランもラジオで知った。学校でケンカしてムシャクシャして帰えるとラジオが癒してくれた。ラジオは僕の友達だった」

ダウンタウン 月に照らされて今夜の
この素晴らしい熊本の夜!

ムード盛り上がれぇばぁ~♫

来ました!久々に。深沼くんがもう一回やりましょう!的な感じを示し、カーリーさんも人差し指を立てている。
どう言うこと?どうなっている?とでも言いたげな棟梁はアッキーに何か話しかけながら袖に引っ込んで行った。

歓声が一際大きくなり再度登場してもう一回。

「C'mon, Rock'n'Roll ! 」

棟梁が吠えた!マイクなしでも聞こえた。ライヴハウスならでは。

そしてヘイトスピーチに関して話したあと、心の中のおまじない。

愛する気持ちさえ分けあえれば
I Love You,

当然オーディエンスは応える。ましてや、事前にコール&レスポンスの練習もしている。

「ちょっと待って!僕のおまじないだ、みんな何で知ってる?(笑)
ずっと僕の音楽を応援して来てくれた人だけじゃなくて、今日初めてライヴに来てくれた人、そして熊本だけじゃなく周りの街、もっと遠くから来てくれた人が居ることも知ってる。
音楽はそれらを一瞬で一つにする。一回やってみよう!」
「やりたくないよ!って人は見ててもいいけど、もしやりたくなったらやってみて。案外、楽しいよ!(笑)」

本編終了。すると、棟梁がいつもの定番ムーヴ、マイクを観客側に向けた。そんなはずないんだけど、えーっ、終わり?って言っちゃった(笑)

再度メンバー登場。アンコールはこの曲だ!とスターダストキッズ。

「1980年にレコーディングアーティストとしてデヴューしてアルバムを出すたびに熊本に来て…、来なかった時もあったかなあ~(笑)、来るたびにこの歌を歌ってきた。知ってる人は一緒に歌おう!」

みんなは歌うけど僕はコーラスをするあの歌。大団円。

ダブルアンコール。お馴染み、黒いTシャツに着替えて。

「Dance?Dance !」

今夜も愛を探す寂しげなエンジェル。今夜も僕のエアギター炸裂(笑)。

終わりのような雰囲気もありつつも、レスポールを抱えたまま、にこやかに棟梁を見守る深沼くんがいて、ああ、まだ演るんだなと。

「もう一曲いこう!」
「佐野くん、考え方が若すぎるよってよく言われる。確かに肉体は衰えていくけど、ここ(ハート)は若いままだ!」

全曲終了。大阪でもそうだったけど、今回これまで全公演でそうだった思われるが、熊本でも終始チョーご機嫌だった棟梁。「みんな凄いね!」も頂きました(笑)

「みんな大丈夫?平日だけど、明日のこと考えてる?僕らは…考えてないか!(笑)スタンディングで足が痛かったとか、インターネットに書かないでね(笑)」

とか、

「ほんとはアンジェリーナで終わりにするつもりだった。もう一曲演ったってインターネットに書かないでね(笑)」

とか、ネットの書き込みとかの情報をよく見てるんだなあ。

初めて演奏するけど、とても良いライヴハウスだと言いつつも、

「窮屈じゃなかった?来年はもっと大きなところでやるよ。それまで、元気で待っていてください!」

最近はSOMEDAYの前の熊本でのご当地ネタ定番MCはないけど、熊本出身のトゥワークルーFさんの紹介。(ある意味でのみんなの兄弟だ!)

前回ライヴハウスの時はそれほどまでに感じなかった一体感と臨場感。バンドの求心力が上がったこともあるだろうし、私見ながら、4年前はまだバックバンドに過ぎなかったバンドが、何度かのトゥワー、レコーディングを経て、棟梁も含めた一つのバンドとしての成熟をしたんじゃないだろうか。

終始35年間の感謝を繰り返して、尚且つ、新しい世代のファンには優しくしなければならない、抱きしめてあげなきゃいけないって。

今回の秋トゥワーが始まる前に来年はU18 For Freeを再度やると言っていた棟梁。来年は、来年こそは王子と共に。

大小色々な場所でこれまで数多く棟梁のライヴを観たが、その中でも間違いなくベストライヴだった。

しかし、カーリーさん。アンコール1回目で缶ビール片手って(笑)
そのカーリーさんと会場近くのアーケードで遭遇。真正面から向き合う形で「うわ、デケエ」って(笑)
開演1時間前にだよ?(笑)

次回、伝説の最期編(るろ剣か!)に続く?…

※2014年11月執筆
#佐野元春 #ライヴレポート

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