第5話 タイムマシーン

彼女たちの隠れ家へ向かっているのだろう。

「アイツら、何なの?」

「簡単に言うとテロ組織みたいなもの。秘密結社」


僕の問いに答えたのはアサミ。

「秘密結社?ショッカーみたいな?」

「ショッカー?何それ?」

と、ケイが返す。

「ほら、仮面ライダーの敵の・・・」

「仮面ライダー?余計分かんないんだけど」


ケイくらいの若い年代はもう知らなくても不思議じゃないか。


「ところで、私達、未来から来た、って言ったら信じる?」


不意にアサミが言った。


えっ?なに?


「タイムトラベル、タイムマシーンってSFだけの話じゃないの」

「そうなの?ほんとに?」

「ことの発端はオタク」

「どういうこと?」

「私たちが居る世界ではタイムマシーンなんて、日常レヴェルで使うことができるの。ただし、過去に干渉してはならないと言うルールが決められている」


アサミの言葉にケイが続く

「過去を変えても未来は変わらないってそんな説もあるけど、実際には違う」

「やっぱり変わってしまうのか・・・。そのことと、僕にどう関係が?」

「よく聞いて。今から数年後、現在何年だっけ?20XX年?だったら2年後か」

「予定していた新幹線に乗り遅れてキミはその次の便に乗った。“臨時列車”と表示されていた列車に」

「オタクが乗ったその列車は案内板にも出ていない、行先も示されていなかった」

「その列車は、連中が用意した。ヤツらだけが乗るはずだった」

「え、どういうこと?」

「途中、トンネルに入るの」

「ああ、山間部多いからね、新幹線は」

「トンネルはトンネルでもあれは時空を越えるトンネル」

「時空を?タイムマシーンってことか・・・」

「そう。時空を越えてしまったキミが辿り着いたのは、それからまた5年後の世界」

「ホームに降りても一見何も現在とは変わっていないからオタクも気づかなかったのね」


それが現在から2年後、そしてそこからさらに5年後の世界。つまり、7年後。


「ホームに着いた時、ヤツらはオタクの存在に気づいた。自分たちだけしか乗ってないはずの列車に、乗っていたオタクに」

「しかし、到着するまで気づかなかったというのは連中、相当間抜けよね(笑)」

「笑いごとじゃないよ」

「そうね、ごめんなさい」


アサミは、自分たちはそのさらに15年後の世界から来たといった。

「いきなりそんなこと言われても信じられないよね?これから向かう先で証明できる」


ということは、彼女たちの隠れ家にタイムマシーンがあるのか?それとも違う場所なのか?


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