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映画『イチケイのカラス』

“食券を発売します!”

いきなりスベリ倒しとるけど大丈夫か?

そうやのうて、

“職権を発動します!”

主人公入間みちおは元弁護士の肩書を持つ裁判官。その、みちおが公判中に発するこの言葉。「裁判所主導で〜」と続く。実際の刑事裁判で発動されることはどれくらいあるんだろうか。

まあ、それはいいとして。

イチケイとは東京地裁第3支部第1刑事部の通称。じゃあ、カラスはというと日本神話に登場するヤタガラスに由来するようで、導きの神ともいわれているらしい。

ヤタガラス(イラスト)

法の下に人々を正しい道へ導く役目がある裁判官とからめてのタイトルだろう、とネットに書いてあった(笑)

さて、映画版の公開翌日放送されたスペシャルドラマから続くストーリー。とはいえ、話の内容としてはリンクしていない。

スペシャルの最後で熊本地裁から岡山地裁秋名支部へと移動になったみちお。そこで担当することになったのは、イージス艦との衝突により犠牲となった貨物船の船長の妻が弔問に訪れた史上最年少防衛大臣に包丁を突きつけるという障害事件。

イージス艦の航海記録等は国家機密にあたるとして、今回はみちおの伝家の宝刀の職権発動ができない。

裁判官の他職経験制度で弁護士になった坂間千鶴はイチケイでのみちおの同僚。機しくもみちおの隣町、岡山県日尾美町に配属される。

その日尾美町では地元大企業のある疑惑が浮上。人権派弁護士の月本と組んだ千鶴はその疑惑を追求する。

みちおと千鶴。それぞれの案件がまったくの別件ではなく、関連していることが判明していく。


もともと漫画原作もので、ドラマ化された時は時々観ていた作品。ドラマシリーズの時のコミカルさは残しながら、映画版はやや重厚感。

観ながらずっと思っていたのは、

『真実はいつもねじ曲げられ隠される』

国家が絡むことはいつもそう。

難しい話をするつもりはないのでこの話はここで終わり。

法廷闘争劇ではなく日尾美の人びとの物語で、重いテーマを軽いタッチで観せる作品。

この『イチケイのカラス』シリーズ、入間みちおを演じる竹野内豊さんの代表作になったと言えるんじゃないか?続編も観たい。



※カヴァー画像は公式サイトより


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