見出し画像

今夜も愛を探して 〜20年目のアンジェリーナ

佐野元春&The Hobo King Band ライヴレポート 2000年2月26日 20Th Annvesary Tour at 福岡サンパレス

20周年アニヴァーサリーツアー日程が僕の元に届いたのは'99年11月初旬。

九州地区は残念ながら福岡のみだったが、12月のチケット発売日を楽しみにしていた。そして、まだその時点では空白だった2000年2月のスケジュール表のその日をマークアップ。

チケット発売当日、運悪く多忙でチケットの手配ができなかった。良い席を確保したかったのは本音だが、席の位置なんて関係なかった。立見だろうがなんだろうが当日はその場所にいることこそ意味がある。

年も新たまり、2000年。

その日が迫って来ているのに不幸なことに日程的な調整がうまくいかない。

気ばかりが焦る。どうすればいいんだ?

しかし、仮に福岡公演に行けなかったとしたら、ツアー最終公演の日本武道館に行くぞと決意を新たに。

今回のライヴは通常のライヴ以上の意味を持っている。

今年(2000年)1月初旬、この年初めてのカラオケで僕は1曲目に「アンジェリーナ」を唄ったんだけど、Motoのデヴュー20周年の年に、しかも彼のデヴュー曲を唄ったこと、それは単なる偶然とは思えなかった。(実はそのことには後で気付いたけど。)

どうにか時間の調整を付けることができたのは当日開演4時間半前。前回参加したのは「SEE FAR MILES Prt Ⅱ」ツアーで、まだバンドはザ.ハートランドだった。

当時入院中だったにもかかわらず、外出許可まで取って出掛けた。そして僕にはそれが最後のMotoとハートランドのライヴ。

(ザ.ハートランドはその次の「THE CIRCLE」ツアー、「LAND HO!」ライヴ後に解散)

ザ.ホーボーキングバンドは「INTERNATIONAL HOBO KING」ツアー、「フルーツ」アルバム以来の相棒だ。(結成当初はインターナショナルホーボーキングバンド)

Motoのライヴはこれで5度目。地元熊本以外で観るのは大阪に次いで2度目だ。

とにかくチケットを確保して欲しいと福岡の知人に頼み込み、取れたのは3階席で僕は「な~んだ、3階かよ」って正直言って思っていたけど、入場して席に付くと「ここなら、全然オッケーじゃん!」って。

定刻の18時30分から7分ほど遅れて、開演を告げるブザーが鳴る。これまでの数々のフォトやライヴの模様を編集したフィルムがステージを覆い尽くした巨大なスクリーンに上映され、小林克也さんのオープニングナレーションが終わると暗転した会場にザ.ホーボーキングバンドの演奏が響き始める。

大歓声の中迎え入れられる白いシャツのMoto。7年2ヶ月ぶりの再会。オープニングナンバーは「君をさがしている(朝が来るまで)」だ! その後「ガラスのジェネレイション」、「ダウンタウンボーイ」と続く。僕みたいな昔からのファンはもちろんのこと、場内は一気にヒートアップ。

その後も懐かしいナンバーが続き、「一緒に唄おう!」ってMotoが言った後「YOUNG BLOODS」のイントロが始まると、その時僕の瞳がちょっとだけ濡れた。

ショーは2部構成だ。約1時間半の第1部終了から10分のインターヴァル(この間、場内には“楽しい時”が流されていた)を挟み始まった第2部の頭3曲は

**「たまにはこう言ったアコースティックでも演奏するんだ。何曲か聴いて欲しい」 **

と言ったふうなMCの後アコースティックセットで唄われた。アコースティックアレンジされた「愛のシステム」が良かったな。

その後も新旧のナンバーが次々とプレイされて約3時間に渡るショーは一旦終わった。

3度目の登場。第2部から赤いシャツのMotoはこう言ってデヴュー曲のプレイを始めた。

**「この曲を唄う時、自分がいくつになったのか、わかんなくなっちゃうんだ(笑)」 **

そのアンコールも「ぼくは大人になった」で終わり、ショー自体のトータルタイムは実に3時間半にも達しようとしていた。

「ROCK'N'ROLL NIGHT」が終わりかける頃、“次は「SOMEDAY」かい?Moto”って思って案の定そうだった時、そう思ったのはちょっと意地悪だったかな。

第1部1曲目終了後、「今夜は特別な夜にしよう!」そうMotoが言って始まったアニヴァーサリーライヴは大盛況のうちにその幕を閉じた。

最後にMotoはこう言った。

**「みんながいる限り、僕はこれからも一杯一杯曲を書いていくよ!」 **

で、ツアー最終公演(武道館)にも行きたくなったよぉ~!(^○^)

■当日のセットリスト
君をさがしている(朝がくるまで)
ガラスのジェネレイション
ダウンタウンボーイ
レインガール
WILD HEARTS
HEART BEAT
マンハッタンブリッジにたたずんで YOUNG BLOODS
DO WHAT YOU LIKE 勝手にしなよ
悲しきRADIO~彼女はデリケート メドレー

ヤングフォーエヴァー(アコースティック)
君を連れてゆく(アコースティック)
愛のシステム(アコースティック)
ニューエイジ
COME SHINING
コンプリケイション シェイクダウン GO4
インディヴィジュアルリスト
約束の橋
ROCK'N'ROLL NIGHT
SOMEDAY
イノセント
SO YOUNG

アンジェリーナ
HAPPY MAN
NIGHT LIFE
ぼくは大人になった

オリジナルテキスト:2000年2月末執筆、2008年1月一部加筆修正

#佐野元春 #ライヴレポート

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?