My Life is My Message フリーライヴ in 熊本
2016/5/28 熊本ぺいあのPlus
今も尚、避難所生活を強いられている人たちは少なくない。分かってはいても、いち早く“普通の日常”を取り戻した僕たちはどこかその事実を忘れがちになる。
ライヴ前日。ボランティア活動の一環で熊本市内のある避難所を訪ねた。わずか2週間弱の自分の体験が呼び起こされる。このところ涙腺が弱い。グッと堪える。
会場は山口洋がソロで演る時にも使われるライヴレストラン。良い会場だ。熊本でもしも佐野先輩のS&Bがあるなら、僕はここが良いな。
定刻を、10分近く過ぎて山口(親愛の情を込めて呼び捨てで)登場。ライヴは開催に至った経緯の“前説”から始まった。
4月末のヴィッセル神戸対ベガルタ仙台の試合前にスタジアムで歌ったあとに両チームサポーターから熊本コールが一斉に起こったこと、未だ復興途上の福島の人たちから、こっちはいいから熊本を頼むと言われたこと。そんな数々のエピソードを聞いて早くも泣きそうに。神戸と仙台、共に過去の震災被災地だ。
人は失敗してもやり直せるという特技がある、そう言って自身が敬愛する先輩、佐野元春のカバー曲から始まった。
みんなの力を合わせてこれからは
新しい九州のルールをつくるのさ
新しい熊本のルールをつくるのさ
愛をやり直し
仕事もやり直し
みんなを未来へ連れてゆきたい
ついて来てくれるね?
お願いさ
3曲目。場内の中学生に向け、
「今からロックンロールというのをやって見せるから。いいか、ロックンロールってのはなぁ、生き方だ!…響いてねえな(笑)ちょっとうるさいけど我慢してね(笑)」
4曲目から3曲はいちばん新しいシングル『Hotel Exsitence』を含めて新曲。3曲とも初聴だったがどれも良い曲。特に『ブラインドパイロット』が良かった。第一部終了。
「そんな時、山口洋はどうするか?曲を書く!」
これ、お気に入り(笑)
第二部はさながらHeatwaveクラシックスか。10曲目の前に、
「今から凄いことが起きます!」
なんだろう?
「ストーンズで言うと、キース・リチャーズが歌うコーナーです(笑)」
VT250の男、ベースの渡辺圭一さんがベースをギターに代えてヴォーカルを執る。俺はなにすればいいの?と山口はドラムセットへ。キーボードの細海魚さんがベース。終わると、
「Heatwaveのコピーバンドのようだな(笑)学芸会か?(笑)」
そして、リクエストに応えたいと。(募集してないのに熊本生意気だな(笑))
2曲終わると本編終了。ほとんど間を空けずにアンコールは2曲。そしてダブルアンコール。
「カバーしたいんですけど?とかそんなのいいから。いろんな人たちが歌ってくれて、好きなように歌ってくれたら俺はそれで嬉しいし」
大事な歌を。『満月の夕』。感情メーター遂に振り切れて涙腺決壊。
解き放て
命で笑え
この曲が書かれたきっかけでもある21年前の阪神淡路大震災当日は、何の因果か僕の誕生日でもある。だから特別な思い入れがある。
終始ガラが悪い、ろくでなしを繰り返していたけど、照れ隠しのはバレバレだよ、山口(笑)
2011年6月の東京国際フォーラム。東北のファンからのメールだと言って佐野元春がMCで話したこと。
「今夜は思いっきり楽しみたい!」
そんなことを途中思い出しながら。まさに、笑いあり涙ありのピースフルでハートウォーミングなライヴだった。
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