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勝手によみがえれ【Sandwiches #62】

 今日の東京は夏日やったそうですね、知らずと外出してしまったもんで、じりじりお日様に焦がされてまいりましたよう。ずっと引きこもっていたせいか強い直射日光を浴びるとからだがびっくりするのだ、もはやドラキュラ伯爵と同じたぐいですね。

 そいやおとつい、bandcamp上でひとつの楽曲がリリースされました。

 maco maretsとして客演参加させていただいた、Maika Loubté(マイカ・ルブテ)さんの楽曲「Niet II」のピアノ・ライヴバージョンです。maco maretsのパートはほんの数秒ですが、実はこの声はわたしがわがままを言って新しく録音させてもらったものでした。

 Maikaさんはもともとの音源(3月にリリースされたもの)のわたしの音声をそのまま使用するつもりで確認のために曲を送ってくださったのだけど、あまりにもこのピアノ・バージョンが素晴らしいものだからいてもたってもいられなくなり「声、もいちど入れさせてください!」とお願いした次第。結果どのくらい変わったかはおいておいて、ね、とにかく滅多にないほど心を揺さぶられた一曲なのでぜひとも聴いていただきたいのです。

 ここで明かせばわたし、このずっと、ずっとつづく不安なときのなかで、すっかり自信を喪失していました。このnoteにしろ、制作中の楽曲にしろ、先日も書いたようにおのれの「こころの水平」を保つ働きこそあれ、それ以上のなんらかの意味あいが生まれる余地はないのじゃないか。結局は自分の内側で青臭い逡巡を繰り返しているだけにすぎん、幼稚なことばづかいで自分自身を盲目的に慰めているだけであろう、せやろう、おうおう……。

 とかくぐちゃぐちゃっと落ち込んでいたところを、ぎゅうっと抱きしめてくれたのがこのトラックでした。ひさしぶりにね、音楽を聴きながらぽろりぽろりと泣いてしまった。原曲もパワフルかつcoolだったけれど、よい曲というのはどんなかたちで演奏してもしっかりこころに響いてくるものなのですね。正直なところ、こうした音楽の力をすっかり忘れかけていた自分に気がつきました。そして同時に、ああ、もっと自分もこんな曲を書きたい、ぐじゃぐじゃ悩む暇などありゃせんわ! なんて勝手にちょっぴし復活してしまった。そうよ、いまのわたしは俄然、やる気を取り戻しつつあるのですよ。

 この「Niet II」については、また7inchアナログ盤のリリース時にでもしっかり書きたいと思っています(共作にいたったいきさつとか、歌詞についてとかね)。今日のさいごに付記しておきたいのは、このピアノ・バージョンの売り上げが「Black Lives Matter」をサポートする団体に全額寄付されるということ。

 わたしたちひとりひとりが向き合うべき一連の抗議運動の渦中で、ほんとうにささやかなものながら自分の声が、Rapが、現地での直接的な問題解決につながりえるとしたら、こんなにうれしいことはない。そんな思いでいます。もちろんそこで適当な自意識でもって満足して思考を止めてはいかん、ただこの場では、参加の機会をあたえてくれたMaikaさんに、そして曲を聴いてくれるみなさんに感謝とラヴを! 捧げつつ〆とさせてください。

●本日の一曲

しつこいけれどもう一回貼っちゃう……。「▶︎」を押せば試聴できます。

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