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わたし、そろそろ四週目【Sandwiches #64】

 今日は雨やったんですね。カーテンを締め切って作業していたので、夕方までまったく気づかずにおりました。最近は考えねばならぬことも山積しており、どうにも血管が詰まったような感覚に陥りがちです。いまだってもう頭は真っ白で、noteの下書き画面を前にして「なにを書こうかねえ」なんて、小一時間ほどぼんやりしてしまっておりました。

 つい昨日「楽曲紹介」シリーズでは2ndアルバム『KINŌ』の楽曲をすべて紹介し終えたところで、明日からは昨年リリースの最新アルバム『Circles』編に突入します。そこで今日はあらためて「アルバム単位」でそれぞれの作品について簡単に(なんてったって「短い日」だもんで)お話できればと考えた。ちゃちゃちゃっとね、振り返るのでお付き合いくださいませ。

 まず2016年のデビュー作『Orang.Pendek』、この作品に関してはとにかく必死な雰囲気がひしひしと伝わってきます。そもそも制作時は「maco marets」という名前ですらなかったから、とうぜん「maco maretsらしいスタイル」とかそんな意識はいっさいなく、ただただそのときのおのれの直感のままにトラックを選び、ことばを選び……プロデューサー・アズマリキさんの力を借りながら、なんとか完成させたという感じでした。

 多くの曲が「自分ごと」のトピックに依拠していながら、同時にその「自分」の根拠が曖昧・希薄であるのが特徴なのかなあと思います。声も若い!

 つづいて、2年半ほどの間をあけてリリースされた2ndアルバム『KINŌ』。こちらはデビュー作とはまた違った「迷い」の感が染み込んだ作品ですが、「Hum!」「Summerluck」といった楽曲の反響をうけ、おぼろげながらも自分にしっくりくる、肌馴染みのいいスタイルをつかみつつある時期でした。書きおろしの「Amazing Season」「Sparkle」「Poodles」などなど、多くの楽曲が、1stにはなかったのびのびとした余裕を持っているような気がします。

 つい昨日ふれた「Who You Are ft. Misa Yoneyama」に象徴されるように、他者とのかかわりが強く意識されるようになってきたのもこのアルバムかしらん。この時期から徐々に声が低く小さくなります。

 そして明日からご紹介する予定の3rdアルバム『Circles』。こちらは前作『KINŌ』からわずか1年というスピード感でリリースされ、やあ、いま考えるとなかなかハイスピードな制作作業でありました。前2作で獲得した「maco maretsっぽさ」(軽いことばね)を踏まえながらも、より自身のうちにある薄暗い感情の部分へ踏み込まんと挑んだ結果か、全体的にメランコリックなトーン。「Kamakura」や「A Day in Lisbon」のように、具体的な土地にイメージを仮託するなど初の試みもいくつか……声のほうは、もはや地を這うほど低く小さいものになり、現在に至ります。

 『Orang.Pendek』『KINŌ』『Circles』は、すべてアズマリキさんとの作業でつくりあげた作品です。何度かふれている通り、制作の背景についてはアズマさんのnoteページで詳細な記事が上がっているので、そちらも読んでみてくださいね。

 さ、そんな風にしてぐるぐる・もやもやめぐらしてきた「maco marets」です。そろそろ4週目、つぎはどないな風に作品を織ったらええもんか? 視界だってさすがに明瞭になってほしいけれどもね、御察しでしょう、やはりか泥に頭をつっこんでいるような様相ですから、まあ、べちゃべちゃした曲ができちゃやあねえ。きたる夏に向けて、なんとかさわやかな顔をつくりたい所存であります。

●本日の一曲

 『Orang.Pendek』と『KINŌ』のあいだにリリースされたまぼろしのEP『Waterslide:2』から「Pools」を。

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 本日もお便りコーナ、おやすみいたします。昨日は「明日返信する」と書いたのだけど、うそつきごめんなさい! しばしお時間くださいませ……。

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