エホバの証人の研究生(2)

「あなたは地上の楽園で永遠に生きられます」の赤い書籍を使って、研究は続けられました。

この書籍は当時、「永遠に生きる」と省略されて呼ばれていました

場所もそれまでと同じ、公民館でした。

人が良すぎて疑う事を知らない、そして正直すぎて世間を知らなかった私は、物腰が柔らかくて真面目そうな、誠実で人の良さそうな兄弟姉妹の表面的な雰囲気と、キリスト教に興味があったという、その気持ちの延長上から、訪問から研究に応じ、そのまま研究を継続してしまったのでした。

「見よ!」のブロシュアだけでは、まだ十分ではなく、もっと詳しく知りたいという気持ちもありました。

後になって、同じキリスト教を名乗っていても、十字架はなく、聖書は新世界訳聖書と言って、協会独自のもので違うもの、プロテスタントやカトリックなどの一般のキリスト教とは違う団体だと分かるのは、それからずっと後の事でした。

一見キリスト教のように見えたため、キリスト教に興味のあった私は、警戒心が薄れてしまっていたのです。

「永遠に生きる」の書籍には、「見よ!」のブロシュアよりも詳しい内容が書かれていました。

「見よ!」のブロシュアよりも更に挿絵が描かれていて、ページ数も多く、そこには「地上の楽園」と言われる所で、人種を越えた人々が幸福に暮らしている様子が描かれていました。

最初のページには「永遠に生きることは単なる夢ではない」とありました。

そしてそのための科学的根拠も示されていました。

視覚に訴えるというか、地上の楽園がどんな所なのかイメージしやすく、確かに挿絵を見れば、「良い所だなぁ。こんな所で暮らせたら良いだろうなぁ。」と思わせるものはありました。

楽園のような美しい自然の中で、食べ物は豊富にあり、賃貸ではなく自分の家と庭があり、生活のために働く必要もなく、いつまでも健康で、歳も取らず、永遠に死なない。

人種差別もなく平和で、犯罪や戦争やテロもない。

ただまだこの時は憧れだけで、実感はなかったのです。

神エホバについて、聖書、イエスキリストと贖い、人間アダムの創造と罪、悪魔サタン、宇宙論争、神の政府、14万4000人、1914年と終わりの日のしるし、ハルマゲドン、地上の楽園と復活、1000年統治、、、

研究が進むにつれて、エホバの証人だけが唯一、エホバに是認された真の宗教であり、他は全て偽りの宗教であること。

神は三位一体ではないこと、イエスキリストは神ではないこと、十字架ではなく杭の上で死なれたこと、天国や地獄はないこと、人間は死んだら無になること。

この世はサタンの世であり、イースターやハロウィン、クリスマスなどは祝ってはいけないし、輸血もしてはいけないということでした。

一般のキリスト教とは違うところがたくさんありました。

クリスマスが大好きだった私にはショックでした。

神の政府の臣民となるには、知識と義にかなった行動と組織に対する忠節が必要。

そう、ノアの箱舟のノアのように・・・。

そして最後には、「献身とバプテスマ」という項目があり、「命に至る道を選んで下さい」とあります。

あなたには2つの選択肢があります。

このままサタンの世で滅びに至る道を選ぶか、エホバの作られる楽園で幸福に暮らすか。

書籍の最後の投げかけは、「地上の楽園でのとこしえの命を選んで下さい」で終わっていました。






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