エホバの証人の訪問

私がエホバの証人の研究生になったのは、16歳の高校生の時でした。

地元の高校に進学し、普通に高校生活を送っていました。

時期はいつだったか覚えていないのですが、母が玄関先の庭の水まきをしていたので、夏だったのかもしれません。

着物を着た年配の女性(姉妹)が、私の家に訪問に来たのです。

「うちはそういうのやらないんですよ。」と母は言いました。

姉妹はそれでも愛想良く、一緒にその場にいた私に話しかけました。

「まあ高校生なの? それじゃあ同い年の子の方が話が合うわよね。今度訪問するように伝えておくから、お話聞いてみる?」

キリスト教に興味のあった私は、「うん」と答えていました。

同じキリスト教でも、それはエホバの証人(ものみの塔聖書冊子協会)というカルト団体であり、当時は名前すら知らなかったのでした。

それからしばらくして、ちょうど私と同い年で高校生の男の子(兄弟)が、私の家を訪ねてきたのです。

私が家に帰ると、何やらお婆ちゃんが玄関で男の人と話していました。

背が高く、それもスーツにネクタイでしたから、最初は大人の男性かと思ったのです。

男性は礼儀正しく、お婆ちゃんの「うちは先祖代々の仏様があるから、申し訳ないんだけど・・・。」という言葉に、「ええ、ええ」と何度も丁寧に相づちを打っていました。

雰囲気が高校生の男の子ではなく、大人の男性でした。

今にして思えば、これは「会衆で良く訓練された伝道師」としての振る舞いでした。

お婆ちゃんと話が終わると、その場にいた私に「聖書研究というのをやっているんですけど、されてみますか? 良かったらお話だけでも」と聞きました。

キリスト教に興味のあった私はここでも、「はい」と答えていました。

そしてその同い年の高校生の男の子との聖書研究が始まったのです。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?