見出し画像

お子さんはいらっしゃるの?

結婚している女性なら誰でも一度は言われたことがあるであろうワード。
それがこの「お子さんはいらっしゃるの?」だ。
表現は違えど、既婚女性はこのニュアンスの質問をされたことがあるのではないか。
もちろん私も、以前は安易に聞いてしまっていた言葉だ。

私は結婚して6年になる。
6年の歳月が経っていれば、子どもがいる人も多いだろう。
私と同時期に結婚した友人たちは1回目の2人目ラッシュ、近年結婚した子たちはちょうど1人目を産み終えた頃だ。

一昔前よりも子どものいない家庭は増えた。
そこにはいろんな事情がある。
ただ、その「いろんな事情」は本当に様々な事情があるし、当事者たちしかわからない。


私は現在就労しているが、パートタイム勤務だ。
世間一般では、30代の既婚女性がパートタイムで働いていれば子どもがいると思われるだろう。
それか持病がある、などと思われるだろう。

「我が家には子どもがいません」
そう声高々に自ら主張する話題でもないため、聞かれない限りは自分からは伝えていないのだが、それ故に悪気ない言葉たちが私の心を抉ることがある。

3年前までは子どもを授かることを望んでいた。
結婚式を終えて子づくりを解禁してもなかなか授かれず、不妊治療をした。高度医療にもお世話になった。流産も経験した。
不妊治療と仕事の両立は精神的にも体力的にもとてもキツかった。
友人たちの出産ラッシュ、また後から結婚した後輩たちに先を越され、「女として欠陥しているのでは?」という焦りと悲しみ、嫉妬でいっぱいだった。著名人のおめでたニュースですら凹んだ。仕事も急に休まなければならず、上司や同僚に迷惑をかける日々だった。
ストレスが溜まりに溜まってしんどくなっていた時、仕事で大きな目標ができたため、妊活をお休みすることにした。

妊活を休んでもう3年になってしまう。
学生の頃は「30までには産むでしょ」と安易に考えていた。
絶対に授かりたい、と泣きながら頑張っていたあの頃。

今はあの頃のような熱量がない。
授かることが怖いとまで思っている。


日本の将来や、夫・家族の幸せ、
そして産める機能がある以上、女である以上、子を産むべきだとは思っている。でも、今の私には生活の変化を受け入れる覚悟がない。


私は子どもと関わる仕事をしている。
どんな子であっても、幼少期からたくさんの愛を注がれ、自己肯定感高く育ってほしい、そう思いながら働いてる。

果たして自分が親になった時、自分の子にそう接することができるのだろうか。自信がない。そして、子を授かったらもう後戻りができないのではないか、という不安もある。

今の生活スタイルを変えたくないという我儘、
自分の管理もままならないのに
人一人育てられるのだろうかという不安。

でも、周囲は子どもを望んでいる。
そして年齢的にものんびりはしていられない。
治療から3年も経っているし、また身体の機能も落ちてるかもしれない。歳を重ねてから「子を産めばよかった」と後悔するかもしれないという恐怖もある。
でも、今じゃない。


周囲からの何気ない「お子さんは?」という質問に、不妊治療をしていた頃とはまた違った焦燥感を抱く日々。
そしてこの感情を抱くたびに、「私は本当に今は子供を望んでいないのだな」と実感させられて、より悲しくなる。

決して自分一人の気持ちだけで決断していい問題ではない。
これが最近の一番の私の悩み。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?