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推しの幸せを願う

皆さんには『推し』がいるだろうか

そもそも『推し』というか言葉は、いつ頃からこんなにも多用されるようになったのだろうか
もともとオタク用語だったこの言葉も、10年ほど前からオタク・アイドル以外にも使用されるようになった気がする

『推し』とは非常に便利な言葉である
アイドルグループ、キャラクター、アニメ、ファン、恋愛感情のある好きな人など、その対象は様々である

『好き』という言葉よりもカジュアルに使用でき、また、言葉の重たさが軽減されるように感じる


私が小学生〜中学生の頃、長年片思いをしている人がいた
3年生〜6年生まで同じクラスだった
今思えば、1年生のころに一目惚れしていた気がする
(何かのグループ活動が一緒になったとき、不思議とその子から目を離せなかった、違うクラスで名前もわからなかったし、あのときは自分の感情がよくわからなかった)

彼は学年の男子の中でもトップ3に入る人気者であった
面白いし、頭も良く、体育も得意
悪質なイタズラをすることもなく、先生からも慕われていた

中学生になっても彼への気持ちは変わらなかった
ずっと好きであったが、付き合いたいわけではなかった
中学生くらいになると付き合い出す子もちらほらいて羨ましくはあったが、彼との関係を一歩先に進めたいわけではなかった

私が彼と付き合うに値しなかったのはもちろんだが、まず価値観が合うタイプだとは感じなかった
奇跡的に付き合えたとて、上手く関係が長続きするとは到底思えなかった


ただただ人として好きで、
尊敬していて、
毎日彼が生きているのをそっと眺めたくて、
願わくば彼の視界に入り存在を認識してもらいたかった

今思うと、恋愛感情の『好き』よりも、現代の『推し』の感情に限りなく近かったのだと思う


違う高校に進学し、やがて彼には彼女ができた
私の全く知らない人で少し安心した
後にその彼女と結婚し家庭も築いたらしい


誰かのものになってしまったショックと
知らない人でよかったという安心感と
今後も幸せに暮らしてほしいという願いとで感情は複雑だった


今どこで何をして生活しているかは全くわからないが、彼が幸せであれば私も幸せである
彼のことはたぶんこれからもずっと好きだ


この彼でなくても、私は一度人として好きになったら基本的に一生好きであると思う
恋仲になった/ならない関係なく、一度推したらずっと推したい
幸せでいてほしいと常に思っている

『それはもう愛だ』と言われたこともある
他の人とは違う感覚なのかもしれないし、側からみたら《重い女》かもしれない、でもこれが私だ

私の推したちが今日も幸せでありますように

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