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40歳のおっちゃん(当時)が行く・ぶらりシアトル・バスケットの旅7(ひとまず最終回)

長々と続けてきた私の紀行文ですが、今回を以って一応のけじめとしたいと思います。
今回のツアー、決して“美味しいもの”を食べるわけでもなく、観光地を巡ったわけでもなく、若いコーチの方と3人部屋でとにかく昼も夜もバスケ漬けの1週間でした。

そもそもは「本場」をこの目で見ておかないと自分の中で基準は作れないだろうと思い立ったツアーでしたが、その思いのほんの一端は果たされたんじゃないかと思います。
日本とアメリカのバスケの違い。
それはなんといっても「文化」「環境」というキーワードに尽きます。
まず何より見る目が違う。
アリーナに集まる人はみんな、ギャラリーとして、応援団としてゲームを楽しみに来ていました。そこには「勉強になるから」といった意味も含めて体育館に向かう「バスケ関係者」が多くを占める日本の(特に地方の)体育館とはまったく違う環境でした。
日本人の大多数がプロ野球や高校野球、相撲やプロレスを楽しむ感覚でバスケを楽しんでいました。
プレイヤー育成という観点から言うと「毛穴から入ってくるものが違う」という感じです。

そうした背景もあって、しっかりとバスケにまつわる世界にお金が流通していました。
ワシントン大ではぽんと飛び込んだ私達に対して、アシスタントコーチの皆さんが次々に名刺を渡してくれました。
ひとりひとりがバスケにまつわる仕事に関するスキルを“売り込んで”きました。
ディビジョン1のチームですよ。
テレビ放映権、超立派な体育館。
そこには莫大なお金が流通しています。
贅沢さえしなければバスケを“生涯の仕事”として選ぶことができる環境がそこにはあります。
だからこそ、お金を払ってバスケを学ぶ環境もありますし、たくさんの人がそれぞれの分野でより良いやり方を求めて研鑽を続けています。

一方で。
日本のよさを実感できたツアーでもありました。
とにかくアメリカは、食べるものをはじめ何もかもが“雑”でしたw
マニュアル化が進んでいるはずのマクドナルドでさえ歪んだハンバーガーが出てくる世界。
それはそれ、そのくらいが“世界基準”という見方もできるんでしょうが、社会のあらゆる局面に“調和”を求めようとする日本の文化は素晴らしいものだと思いました。
お邪魔した体育館は100パーセント上履きと下履きの区別がありませんでしたw
コートに唾を吐く選手もいました。
日本と比較して“チーム”を構成するにあたって必要なものが、2つ3つ欠けているというのが印象です。そこには日本がアメリカに対峙する際のヒントになるかもしれません。

そして何より。
ディビジョン1のワシントン大女子、ディビジョン2のSPU女子の練習を見て私の正直な感想。
“これならウチのミニバスの子たちの方が上手いんじゃねーの?”
ここは目からウロコでしたw
男子もそんなに違いません。
そりゃ、モンスターみたいな選手はいますが、日本の高校のトップレベルの選手であれば、アメリカの高校のトップレベルの選手にそんなに遜色無くやれる部分もあるんじゃないかと。
(サイズやパワーは別としてw)

結局そこに必要なのは、誰かの理論やスキル、ドリル、戦術を模倣するのではなく、バスケットボールというスポーツを純粋に楽しみ、"自分なりのバスケットボール"というのを選手もコーチも持つことなんじゃないかと思いました。
ちょっと漠然としていますが。

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旅は to be continued ... ですが、ひとまず終わりw


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