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アサイーブームの先にあるもの

こんにちは。
自己紹介の途中ではありますが、アサイーの市況が今どの様になっているかを私なりにご説明したいと思います。


本格的なブームの再到来!

フルッタフルッタが2002年に日本に初めてコンテナ輸入を開始したアサイーですが、昨年10月ごろより市場の盛り上がりが目に見えて大きくなりました。
実際はコロナ禍から徐々に数量が増えはじめ、顕著に増えはじめたのは23年の師走からで、24年2月からさらに勢いが付き、3月の時点で商品によって前年の200〜400%となり一時的な品切れを起こすほどになりました。
2012年より販売している当社のロングセラー商品である「お家でアサイーボウル」の出荷量は前年比376%を記録しました。

2022年度と2023年度のお家でアサイーボウルの出荷量
お家でアサイーボウルの出荷量

これは2013年〜2014年頃にピークを迎えたブームに匹敵する状況だと判断できることからブームの再来と呼んでもよいと思います。

10年前との違いとこれからのアサイー

あくまでも私個人の感覚ですが、急激に市場が拡大する点では10年前と同じですが、以下の通り異なる点が3つあると思っています。

  1. すでに知名度があるところからの再ブームであること

  2. 新型コロナウィルス感染拡大による健康意識や中食の需要の変化

  3. Z世代での需要増

ひと昔前は知られていなかった食べ物が今では一般的に知られるようになるのと同じで、アサイーは名も知られていないフルーツの一つでした。
説明する際に「アサイーとは」からのスタートではない点は大きく環境が異なります。

次に、2020年初頭頃から3年間も続いたパンデミックによって形成されたニューノーマルの中で健康に対する意識や自然食への志向が変化したり、テイクアウトやデリバリーで自宅で食事を摂る傾向が強くなりおうち需要が拡大しました。

そして、2023年10月頃より特にYouTubeやXなどのSNS上でインフルエンサーによるアサイー関連の情報が増えて素早く反応したのがZ世代であることです。
2023年12月に発表されたSHIBUYA109 lab.による2024年トレンド予測(20歳前後の女性443人を対象に行ったアンケート調査)でもアサイーボウルがノミネートされています。

10年前はアスリートやタレントやモデルの方々を中心に30歳前後の世代で広がったブームでした。
彼らが親となり、その子供たちがZ世代になります。
日常的にアサイーを摂取する家庭環境で育った子供たちも多く、日本人の食生活にアサイーがより身近になっていることを感じます。
Z世代はひと際本質を見極める感覚が強い世代なのではないかと思います。
より目的意識が強い世代での利用が増えることでさらに食生活に浸透し、今後はブラジル、アメリカのように日本でも無くてはならない果実として定着に向かうのではないかと思います。

アサイーの本質を見極める

渋谷データカウントによる調査によると、世界のアサイー市場は2023年で約1,500億円に達したといわれています。
日本は100億円に満たない規模なので数字上からもポテンシャルは高いと思います。

一般食品として定着するためにはアサイーの正しい認識が欠かせません。

アサイーの濃度規格

例えば品質。
実は果肉にわずかな水分しか含まないアサイーは加水して搾汁します。固形分の比率で計測されるため、製法によってはアサイーピューレの濃度がまちまちになります。
ブラジルの農務省では、アサイーピューレの固形分は8%以上であることを定めていますが、フルッタフルッタは「グロッソ」と呼ばれる固形分14%以上のアサイーを輸入しています。
ですが日本を含む海外市場では規定がないため8%〜10%前後のものが同価格で販売されており、消費者はその差を認識できずにいます。
14%と8%のアサイーピューレでは175%も濃度が違うのです。
乳脂肪のような規格が制定されていないため、市場での品質に対する誤解が生まれても無理はありません。

アサイーピューレの濃度を示す図
アサイーピューレの濃度

オーガニックの疑問

本来オーガニックは付加価値の証であり、熱帯林に自生しているアサイーはオーガニック認証の対象にすることができます。
しかし需要拡大によりアサイー以外の植物をアサイーに植え替えるなどして生物多様性が損なわれる事例も起きており、必ずしもオーガニックだから良いとは言い切れないのです。

私達のアサイーは生物多様性から成り立つアグロフォレストリーで栽培されており、さらに樹木の栽培からもたらされるCO2削減効果を商品に掲示して実際の環境貢献を可視化しています。

CO2削減量算出イメージと削減マークの図
CO2削減量算出イメージと削減マーク

日本ではこうした課題を乗り越えてこそ消費者の信頼を得て市場を確立していけるものと考えています。
パイオニアを自認するからにはポストブームを見据えて啓発する責任があると考えています。

パイオニアとしての責任

ブームだからといって利益目的の低品質な商材が出回り、消費者の信用を失い定着しなかった素材は数知れません。
パイオニアとして健全なアサイー市場を形成することが私達のミッションでもあると認識しています。
日本を含むアジアのアサイー市場は2040年までに1,000億円の規模があると予測されており、アジア各国においても日本市場での展開をモデルに普及していくことが見込まれます。
アサイーの普及によって人々の健康増進に貢献し環境が再生される(リジェネレラティブ)素晴らしいサイクルが各国でも実現できるよう尽力していきたいと思います。

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