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乳児健診のポイント

こんにちは!保健師のみかんです🍊

乳児健診でのチェックポイントをまとめていきます!

1.体重増加

出生時からの体重増加は3~4か月で出生時の約2倍になります。(約3000g→約6000g)カウプ指数や発達曲線により増加状況を確認します。

この時期は頭囲>胸囲が2㎝程大きいのが一般的。

3%タイル未満、97%タイル以上の場合は注意です。児の身体的な問題の他育児環境などさまざまな要因が考えられる為、授乳量、運動発達などと合わせて育児不安や母子関係、支援体制なども確認しフォローしていきます。

体重増加不良の場合に考えること
<授乳環境>
テレビをつけて
いたり上の子が授乳の時に近づいてきたりすると集中して授乳できないことがあります。一晩中眠るようであれば少なくとも夜1回は授乳するか、昼間の授乳を増やすように指導してください。
<おしゃぶり>
おしゃぶりを使うと「吸う」の欲求が満たされておっぱいの飲みが悪くなることもあります。体重増加不良でおしゃぶりを使用している場合は使用を控えることをすすめましょう。
<麦茶、湯さまし>
カロリーのないもので空腹が満たされてしまうと授乳回数や摂取量が減ってしまいます。母乳で十分であることを伝えます。

2.定頸

診察では、仰臥位からの引き起こし(45度に引き起こされたところで頸と体幹が平行になるか)腹臥位からの頭部の挙上により確認します。

腹ばい練習
赤ちゃんを腹ばいにし、両手を前に組ませます。バスタオルを脇の下にセットすると高さもでて安定します。腹ばいにしたら、前から話しかけたり、遊んだりしましょう。

3.追視

この月齢になると30㎝の距離なら左右だけでなく、上下も追えるのが一般的です。追視する際の左右の眼球の動きに異常がないかを確認しましょう。

もし、追視しないようであれば目の異常、頭の異常、アタッチメント不足を考えます。

視力
乳児内斜頸は生後2~3か月から発症します。経過観察しても治らないことが多いので小児眼科医にみてもらうようにしましょう。ペンライトで角膜上の反射の位置から斜視の有無とその種類を判断します。

4.喃語、人や物への反応

音への反応、社会性が芽生え周囲の人や物への相互的な関わりができるようになります。

人に話しかけるような声を出したり、あやすと声を出して笑ったり、音のする方に視線や頭を向けたりするなど反応があるかを確認しましょう。

聴力
聴力は言語獲得につながっていきます。確認できない場合は、日常生活の中で母親の声に反応したりテレビや楽器の音に興味を示したりするかを確認しましょう。

5.身体的症状の有無

心臓・肺
心雑音の有無、呼吸音を確認します。

臍部
臍部のヘルニアを心配される方は多いです。程度や医師の方針によりますが、スポンジとドレッシング剤を用いて保存療法をしている場合もあります。

股関節
股関節の開排・硬さを確認します。左右の膝の高さと大腿部のしわの左右差を比べます。これらにより、股関節脱臼の有無を確認します。

背中~臀部
背中の皮膚、仙尾部のくぼみがないかを確認します。毛巣洞、二分脊椎がないかを確認します。

外陰部
<男児>陰嚢が両側ともに触れるか(停留精巣)大きさに差がないか、硬さはどうかを確認します。陰嚢水腫がないかを確認します。
<女児>陰唇癒合がないかをみます。ほとんどの場合は外陰炎によるものが多いです。

6.母子関係や母の健康状態

抱き方、母親の表情、児への声かけ、あやし方等、健診時の様子を観察し、ぎこちなさや不安そうな様子がないかを確かめます。

母の身体的な回復状態や既往、現病歴による健康状態や生活リズム、育児不安の有無、協力者の有無等を確認します。

これらのことを総合的にみて、育児への適応状態や負担感をみていき、必要に応じて、他機関に繋いでいきます。



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