東大生態調和農学機構 農場博物館

10月15日午前中は、田無の東大生態調和農学機構へ。
ホームカミングデーという事で原凞(はら ひろし)初代農場長胸像除幕式・農場博物館特別公開(ガイドツアー)があり、一般の応募者や関係者などが参加。
現在、過去の機構長などが参列して行われた除幕式は、胸像が設置された旧水禽池のほとりで行われた。

その後、希望者が参加して農場博物館のガイドツアーがあり、農業技術史に関する研究者で農場博物館担当の米川智司准教授が、建物、農法、農機具、農耕機械の歴史的地域的変遷など丁寧な展示物の解説をしてくれた。
https://www.isas.a.u-tokyo.ac.jp/museum/index.html


トロッコとターンテーブル
農場博物館案内



コロナ禍で農場博物館が3年間閉鎖されたままだったので、最近機構に着任した関係者でも農場博物館についてちゃんと説明を受けるのは初めてだという事で、米川先生の解説、知見に関心をしていたようだ。

また、雑誌BRUTUS8月1日号のミュージアム特集で農場博物館を知ったという一般の方も一生懸命話に耳を傾け、スマホで撮影しながら見学をしていた。

農場博物館は、この畜産エリアにあり、かつては乳牛の搾乳が行われていた建物を2007年に改装したもので、瓦屋根だが洋風の木造建築で、約10メートルの長い木材を使った梁が1934年の建築当時のまま、割れも反りも曲がりもなく使われている。(2007年の改修時に1本だけ梁を入れ替えたが、同じような長さの木材がなく、2本を繋いであり、現在は割れが生じている。建築当時の木材の質の高さが感じられる。)

農場博物館では、明治時代の農業の教科書など様々な資料も所蔵していて、デジタルアーカイブ化されているので、下記から閲覧する事が出来ます。
https://iiif.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/repo/s/agrifarm/page/home


一番手前の梁が修復時に入れ替えたもの
2007年に修復した梁。2本を繋いであり、割れが見られる。

現在、東大生態調和農学機構はキャンパス工事中で南側(田無駅側)のごく一部だけ平日に一般開放されていて、今回訪れた場所は通常は入る事が出来ない場所になっている。

胸像がほとりに置かれている旧水禽池は、今回新たに水深を浅くするなど整備し直されたもので、かつてはアヒルを飼育するための池で、周辺はニワトリの飼育や牛、馬などの飼育研究が行われていた畜産関連のエリアだった。


原凞は日本の園芸学を始めた方で、明治神宮など公園の設計だけでなく、教育、研究、さらに農家の経営など実学を重視して活躍。
1940年に作られた原氏の胸像を、別に保管されていた台座の石と一緒にして今回農場の池のほとりに建立された。

https://www.isas.a.u-tokyo.ac.jp/museum/events/home_coming_day_2022.html

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