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Citizenship教育とその先へ

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”世の中に積極的に関わっていく姿勢を育む”はたらきかけとは。ロンドンの大学院UCL Institute of Educationで学んだことやイギリスのCitizenishipの…
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英国シティズンシップ教育(5)-なぜControversial issuesを扱う必要があるのか

「強い感情を引き起こし、コミュニティや社会を分断するテーマ」(Counsil of Europe, 2015)という、できれば避けたくなるような性質をもつConrtoversial Issue(論争的な問題)。それに敢えて取り組もうとする理由は何なのでしょうか。 この記事では、2つの資料にあたってまとめていきます。 ひとつは、前回の記事でも参照したCouncil of Europe(2015)のTeaching Controversial Issues もうひとつは、イ

英国シティズンシップ教育(4)-Controversial Issues(論争的な問題)とは

今回の記事では、イギリスのシティズンシップ教育の重要な要素の一つであるControversial issues (論争的な問題) への向き合い方を紹介したいと思います。 私がシティズンシップ教育に興味を持ったのも、まさにこのControversial Issuesを積極的に扱っているからです。 私たちの生活や信条、未来に深く関わるにも関わらず、意見が対立する問題というのは身の回りにたくさんあります。そのような問題をどのように考えていけば良いのでしょうか。 今回は、Cou

英国シティズンシップ教育(3)-National Curriculumへの導入の背景

今回の記事では、イギリスにおいて教科CitizenshipがNational Curriculumに設定された経緯について簡単に説明します。 イギリスのNational CurriculumとはNational Curriculumとは、イギリスにおける全ての学校で教えるよう定められている教科のことです。1988年に教育改革法が設立し、National Curriculumと、その到達度を測るためのNational Testが導入されることになりました。 National

デジタル社会の権利とはーMagna Carta: My Digital Rights

マグナ・カルタ800周年を記念して、大英図書館が “Magna Carta: My Digital Rights”という企画でデジタルスペースにおけるいろいろなトピックについての教材を公開しています。 ”アクセス”、”自由”、”プライバシー”の3つのテーマを掲げ、Citizenship教育に適した教材になっています。対象はKey Stage3(11-14歳)〜Key Stage4(14-16歳)、それ以上の16-18歳です。 オンライン空間でのいじめ問題から、GPSデータ

英国シティズンシップ教育(2)ープログラム内容

今回はNational curriculumで設定されているCitizenshipの学習目標・学習内容について紹介します。 イギリスの政府ウェブサイト(GOV.UK)で公表されている資料はこちらです。学習の目的・ねらい・達成目標と教科の内容について記載されています。 Department for Education (2013): Citizenship programmes of study: key stages 3 and 4 学習の目的Citizenshipは、生

英国シティズンシップ教育(1)ーNational Curriculum内での位置付け

2015-2016にロンドンのUCL Institute of Educationという大学院に留学してCitizenship Education(以下シティズンシップ教育)について学んできました。当時のブログをnoteに転載して、今後はnoteで運用していこうと思います。 2015年1月から、イギリス・ロンドンのUCL Institute of Educationという大学院に留学をしています。 あっという間に1年が過ぎ去ろうとしていて、ここで勉強するうちに新たに見えて