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3話 商店街で音楽

結局ショッピングセンターと商店街の違いはディベロッパーの存在である。沢山の業種業態の店舗が並び、それこそが独立店舗にはない買い周りを発生させエリアとしての魅力をつくっている。
そしてそれぞれの店舗事情があり、それぞれの意見や考え方がある。ディベロッパーはそれを集約して方向性を決定する。決定には逆らわず従う事で統一感をうみまたそれがパワーとなって集客や売上という結果でかえってくると信じているから。
一方で商店街にはディベロッパーがいない。理事会という組織はあれど、従わせるほどのイニシアティブはもっていない。もちろん理事会で決定したものには一定の強制力はあれど、不参加を貫く店舗も少なくない。さらに理事や理事長はボランティアで、どこまでの責任を負えるのかも不明である。

ディベロッパー=仕事
理事会=ボランティア

コレも大きな違いである。
やはり、相互の信頼関係が築きにくい側面もある。

商店街で音楽が流れていたら、ヨーロッパやアメリカのようで素敵である。街に音楽が流れていることは、そのように認識されている。でもうるさくて、接客ができないという意見もある。当然ジャンルや音量、時間もあるため一概には言えないが、それを商店会の理事会で決定する責任はよく考えても重い気がしている。

音楽に限らず、こういった様々な意見に耳を傾けて、100%の合意がとれないと分かっていながら今日も私達はイベント内容を決めていかねばならない。
数年前からイベント開催の意味を自分のなかで落とし込んでいる。それは『賑わい』である。間違いなく既存店の売上に直結するだけの規模は難しい。
そもそも集客すれば売上が上がるのであれば、駅ビルやイオンモールから店舗が撤退する日はこない。勝ち負けがあるように、一概に成果というのは判断が難しい。

私はそんな中で『賑わい』というのは、盛り上がっている雰囲気をうみ、街に活気をもたらすことで、お客様や店主のモチベーションアップにつながる。コレは分かりやすい最低限の結果である。
イベントを実施する意味を馬鹿正直にいう事は、不要な炎上を発生させるだけなので、上手に報告する必要はあるが、気をつけて共有し、そして目的と手段を見失わないようにしていきたい。

写真は約10年前にサニーデイサービスの曽我部さんを我が街に呼んでおこなったフリーライブ。幸せの極みであった私には、商店街という場所で音楽を流す事が大切なことだと知った。ただ、それはあくまで私の気持ちなのだ。

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