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チャイ一問一灯 10.インドでは基本的にチャイはホットで飲むものなの?

はい。
わたしがインドに行った時にはホットを飲んでいるところしか見たことがないですね。基本はないんだと思います。

でも、もしやと思い調べてみたら、インドの中でもスターバックスのメニューにはアイスチャイがありました。
アイスチャイのはじまりは、アメリカのスターバックスからだと言われていますね。

アイスティーのはじまりは、ロシア。
天然氷を入れて楽しんでいたそうです。
ただ、人工的に冷たくして楽しみはじめたのはやっぱりアメリカだそう。製氷機、冷蔵庫を生んだ国・アメリカなので、その影響なんでしょうね。

アイスコーヒーの発祥は、意外にも日本らしいですね。
明治時代、瓶にコーヒーを入れて井戸水で冷やして販売したそうです。
想像したらなんだか目にも涼やかでおいしそう。
ハイカラな飲み物だったんでしょうね。
「もうあれ飲んだ?」なんていう会話が街場で繰り広げられていたかもしれません。

では、なんでインドにはいまだにアイスチャイがないんでしょう?

「冷たいものはからだに良くない」とインドでは古くから言われてきたから、という説明をよく見かけます。
それもあるんでしょうね。

アーユルヴェーダでは、熱々のものを急に冷ますのもおすすめされていません。激しい変化は食べ物のもつエネルギーバランスを崩しちゃうんですね。これは食べ物だけでなく、ひともですけれどね。
引越しや進学などで環境が変わると体調を崩すのと同じことが、食べ物にも起こってるってことです。
この辺も関係あるかもしれませんね。

あとは、コストがかかったりオペレーションに手間がかかるというのもあるかもしれないですね。
アイスチャイをどう作るのかにもよりますけど、冷蔵庫や氷も必要になるなら、チャイ屋さんができる環境も限られます。

チャイ屋さんというのは、比較的誰でもはじめやすい仕事なんだと思うんです。
ホットなら火と鍋と材料、コップ、茶漉しさえあればできます。チャイ屋さんがインドでここまで多く広がったのは、仕事のはじめやすさもあったのではなかろうかと思っています。

現在のインドの首相ナレンドラ・モディ氏は、駅のチャイ屋さんからはじまって夢を掴んだというのは有名な話ですね。

ドキュメンタリー映画『マサラチャイ』では、5人のチャイ屋さんの背景が物語られています。


じゃあインドには冷たいものがないの?
というと、そういうわけでもないんです。

クルフィという牛乳やピスタチオを使ったアイスクリームの原型は、約500年前からあったそうです。
ファルーダというバジルシード、ローズシロップと牛乳を合わせて飲むドリンクもチャイより前に生まれていたと言われています。
こちらの2つはペルシャに起源を持ち、宮廷料理が発祥のようです。
現代の日本で生活していると忘れてしまいますけれども、冷たいものを冷え冷えの状態で食べるっていうのは高級なことですよね。

アイスチャイがインドにない理由
結局のところ、チャイはホットがおいしいからだと思います。
元も子もないので言いにくいんですけどね。
チャイのおいしさって甘みと香りが大きいと思っています。
甘みも香りも冷たいと感じにくくなるんですよね。
なので、アイスチャイを作るのは本当に難しいなと思います。
だからこそ挑戦のしがいもあるのですね。

「今年こそおいしいアイスチャイを作るぞ」
という思いが湧いたりしぼんだりすると、そんな季節がまたやってたんだなと思います。

ご質問ありがとうございました。




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