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子育てをしているママさんやシニアの方の癒しの場をつくりたい

那珂川に住んで約20年の井上由美さん。最初は那珂川のことは知らないことばかりだったが、お子さんが通っていた幼稚園でPTA会長を勤めたことがきっかけとなり、友人が増え、地域に繋がりが増えていったという。今では那珂川出身の旦那さんより詳しいそう。
そのつながりから那珂川の中のことも見えてきた。例えば、市が子育てについてどんな考え方を持ち、どんな動きになっていったのか。それを目にしてきたことが「癒やしの場をつくりたい」という思いを生むきっかけになった。

なぜ癒しの場づくりをしたいのかを尋ねると、自身が感じた子育て中の孤独や、親の介護で施設の利用を考え始めたこと、そこから「こんな場所があれば」と思ったという。その思いもあり井上さんはまち活UPなかがわに参加した。

参加当初、場づくりの手法として考えていたのは花。
井上さんはインストラクターの資格を取得し、講師として活動できるようになったが、インストラクターとして場をもつのか、それとも身近な人たちとの場を提供するのかを考えるようになった。このタイミングで、まち活UPなかがわの面談の中で「まち活サロン」や「スキルアップ講座」があることを知った。まち活サロンは、まち活UPなかがわや地域での活動に興味のある人、活動紹介や近況報告・困っている事など情報交換する交流の場だ。井上さんは参加することにした。

スキルアップ講座「イベント企画」

「まちで何かをしたい」という共通点から繋がった場所

毎月あるまち活サロンに参加したことでさまざまな出会いがあった。その中でも「まきさんとの出会いが大きかった」と語る。まきさんとは、イベント団体 といろ代表の保毛津 眞貴子さんである。まち活UPなかがわのスタッフの薦めもあり、会話の機会を設けた二人は、話の中で“まちで何かをしたい”という共通点があることを知った。
といろはミリカローデン那珂川での青空マーケットや四季彩館での夏休みの宿題おてつだい隊など、イベント活動を行なっている。出会ってから数ヶ月後にはといろのお試し期間メンバーとして活動を始めた。その間に保毛津さんのことをもっと良く知ることもできた。
彼女は年齢も経験も性別も関係なくあらゆる人を応援する姿勢を持っていた。その姿に共感した井上さんは、といろの正式なメンバーとして携わるようになった。

保毛津さんが登壇したまち活サロン「子育て」

井上さんの本業はコーダー。WEBサイトを構築し発信できるその技術をまちに活かせないかとも考えていた。また、企画を考えることも好きで、最近では中学校のPTAで企画が採用されイベントを行ったそう。
といろの正式なメンバーになってからは、そんな自身のスキルや経験を活かし、Googleフォームを使った出店受付を提案して現在も使われているなど、自分が得意とする分野で積極的に運営に携わっている。
「一人でするのではなく、不得意なことは支え合う、チャレンジがしやすい環境なんです」と、といろの中での様子を教えてくれた。同時に「一人の時はどう行動していくか迷っていました。その時は面談でも暗かったんじゃないかな」と笑っていた。といろに参加したことで、彼女は自分が挑戦していける場をみつけた。

変わっていった手法

そんな活動のさなかに布リースと出会った。井上さんはもともとハンドメイドや物作りが好きなのだそう。布リースはインスタがきっかけで、発信していたのは名古屋在住の講師をしている方だった。コロナ前からオンライン講座として開講されていて、遠方でも受講でき講座自体もスムーズなカリキュラムと丁寧な指導が受けられる機会を得た。
実は教える側に立つことも井上さんが今後考えていることのひとつ。このオンライン講座はその点でも参考になりそうだと興味が湧き、新しい手法にチャレンジすることにした。布リースをやってみると、井上さんにとってはアレンジを考えやすく、誰かと一緒に作るならこの方が自分にあっていると感じたという。

最近の出店の様子

今では中ノ島公園で月に一度、といろメンバーによる様々なイベントが催されていて、井上さんも布リースのワークショップを開催するなど、活動の場を広げているそう。また、ちょっとした驚きの出会いもあった。以前開催したワークショップに参加した人が足を運んでくれたのだが、井上さんのワークショップがきっかけで布リースを始めたのだという。さらにミリカローデン那珂川で行った時には、青空マーケットの出店者だったアクセサリー作家の方も、興味があったと立ち寄ってくれたそう。
自分が作った場が、誰かのきっかけになったことを知る嬉しい機会になった。そして、これまでの活動が少しずつ広まっている実感が湧いた。

2023年「パートナー21」の表紙協力

活動を振り返って気がついた、変わらないこと

活動を振り返ると、手法は変わりつつも「変わらないこと」があるのに気がついた。それは『癒しの場をつくりたい』という思いだ。
当初の「子育てをしているママさんやシニアのが方が癒される場をつくりたい」という思いは、これまでの行動を通して鮮明になってきた。例えば、子育てをしているママさんたちが自分で行動を起こしている姿を目にした。そこから、今ではシニア向けの場づくりをしたいと考えているそう。
こういった気づきや変化について、「人を紹介してもらったことが一番大きいです」と、まち活UPなかがわスタッフと知り合ったことも行動の変化につながったと話してくれた。
こうした活動をしていく中で、博多南駅前ビルのレンタルスペースや中ノ島公園の四季彩館など、那珂川市には個人や団体の活動に利用できる場所があることを知ったと教えてくれた。

場づくりの手法として布リースのワークショップを考え行動する井上さん。最近では段々と自分の作品のテイストが見えてきたそうで、布リースの先生からも「教える側に立ち始めてもいいんじゃない」と助言をもらうなど、次のステップが見えてきている。
今は、2024年5月に行われるイベントへの出店を決め、作ることへの実績を積み重ねることで自信をつけていきたいと話す。

やりたいことや仕事、家族との時間、日々の生活でなかなか手が空かず、思い通りに進まないこともありつつ、「癒しの場をつくる」という変わらない思いを実現するため、その一歩を進めている。 (まち活事務局:oioi)

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