2020.09.19

わたしは朝焼けが大好きなので、遠慮なく彼をたたき起こす。
文句は受け付けない。
でもそれは、わたしたちの中でお互いに許しているルールだからいいのだ。
彼は彼で、寝ているわたしをたたき起こし、遠慮なく抱く人だからだ。
ふたりともそうやって、二人の時間と眠りの時間を、曖昧に行き来するのが好きなのだ。

湖畔の朝焼けを楽しみ、静かで満ち足りた朝を過ごす。
朝風呂の後、彼の身体をマッサージしてあげているうちに、二人とも二度寝してしまって、朝ご飯の時間ギリギリで慌てて起床した。
とはいえ、こんなこともあろうかと、一番遅い時間で予約している。
絶対朝起きられないと思ったんだw

ご飯の後、ゆっくりコーヒーを飲みながら、「散歩いく?」なんて言いつつ、結局お昼の時間まで読書。
腕枕だったり、膝枕だったりしながら、めいめい持ってきた本を読む。
本当は、30分くらいの所にある水族館に行きたいなって思ってたけど、でもいままでの交際相手で、こんな風に心地よい距離感で本を読める人はいなかったので、あらためてうれしい。
彼は恋しい人だけれど、同時に親友でもあるのだ。
お昼の後も読書とうたた寝、時々お風呂。
結局わたしは持ってきた小説三冊を読み終わってしまったので、予備で持ってきた漫画を読み始める始末w
篠原千絵先生の『夢の雫、黄金の鳥籠』という、私には珍しく少女漫画だ。
でも大好きジャンル。
中学生時代に聖闘士星矢をきっかけwにハマったギリシャローマ文化、二十過ぎにヘタイラの文化に興味を持った。
そのまま様々な歴史で政治と王宮に寄り添う、後宮や宮廷の女性達が。
たとえば宮廷なきヴェネツィアで、芸術や文化に直結していたコルティジャーナ、ガスパラ・スタンパやヴェロニカ・フランコや、その手腕、その希有な存在が、のちにアントワネットを断頭台に送る結果になってしまったポンパドゥール夫人、そんな彼女たちの生き様が好きなのだ。
なので当然、トルコのハーレム文化、なかでもスレイマン一世の寵姫ロクセラーナは、大好物なのだ。
漫画は正直、かなり展開が遅く、内容が停滞しているけれど、まぁしゃあない。
歴史として今後の展開を知る身としては、イブラヒムの立ち回りだとか、現実も本当にそうだったんじゃない?と思わせるくらいに自然で、すごい面白い。
結局自分の本を読み終えた彼も、読みだし(少女漫画も読むんだねwwww)晩御飯の間中、彼とずっと16世紀~の世界史、主に大航海時代を中心に熱く語らう。
貸し切り風呂でも話は止まらなかったけれど、優しい彼はちゃんと最後まで付き合ってくれたwww
なんだかんだ、彼も歴史好きな人だったので良かったw

彼を癒やしておもてなしの為の旅行だったはずなのに、今日は結局わたしが一番楽しい日になっているし、久しぶりに彼と話しすぎて喉が痛い。
ごめんねって言ったら、僕もすごい楽しんでるよと返ってきてほっとする。
ならば!とお酒を献上して、そのまま夜中までずっと、フランスブルボン朝について(ポンパドゥ-ルからアントワネットの処刑まで)語りすぎたせいで、朝ご飯の時、「夢でピンク色のマカロン食べたわ」と言われてしまった。
キルスティン・ダンストじゃん。(ラデュレのマカロン、まぢでうまい)

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