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アランマーレ熱烈応援ブログ「編集長のひとりごと side アランチャ vol.22」

【Wonderful Day -雪に願いを-】

今のアランマーレにとって一番の願いは、そりゃあV1初勝利だと思う。それは我々ファンも同じこと。
当たり前だが、V1のレベルはやはり高い。挑んでは跳ね返され続け、気が付けば1LEGは終わりを告げようとしている。
そんな中、今シーズン2回目のホームゲームである、12月一関大会が始まった。

水墨画のような最上峡を縫うように走り、雪の奥羽山脈を越えてやってきました一関。いつぞやの国体だか皇后杯予選以来だが、まあなんとかたどり着くことができてほっとしたのもつかの間、家から4時間かかったことで、試合開始までは意外と時間が無くなってしまった。
いそいそと準備を済ませると、アランマーレが入場してくる。円陣からリズムパフォーマンス、そして公式練習を経て試合へと。

【DAY1 vs KUROBEアクアフェアリーズ】

この日のアランマーレは先日善戦した皇后杯でのJT戦の勢いをかってか、序盤から動きの良さを見せる。
エースのメソマチがこの日序盤は絶好調。次々に強烈なスパイクをアクアのコートに叩き込む。軟攻派が多いアランマーレにおいて、この人のスパイクは強さで相手をねじ伏せることができる数少ない武器だと思う。

そしてこの日、この人の活躍もまた目立った。
伊藤摩耶。色白スナイパーとはチーム公式のキャッチフレーズだが、私は”勝手に”「華麗なる狙撃手」というフレーズでポスターなどをつくるときに彼女を紹介している。
正確で重く、相手の急所を抉るサービスを持つことを示した言葉だが、この日の伊藤はサーブもすごいが、ライトからのスパイクで得点を量産。
万能且つ調子の浮き沈みの少なさで、監督から全幅の信頼を得るミドルブロッカーは華麗に舞い続けた。

V1に来て初めて第1セットを先取したアランマーレ。これまでの奪セットはいずれも、先にセットを奪われてから取り返すというもので「先に取ってしまえば相手は慌てて崩れるんじゃないか」と思っていた諸氏もいたのではないだろうか。
私も実はそう思っていた。「今日こそはいけるんじゃないか」そんな思いが頭を掠めたところで、アクアに第2、第3セットを連取され、逆に追い詰められてしまう。
この日のアランマーレは、集中しているときと、押し込まれてミスが出るときの落差が大きいと感じた。
4セット目、今度は集中力を見せたアランマーレが序盤のリードを保ってセットを奪取。勝負はフルセットに突入した。

第5セットは15点先取。あっという間に決まってしまう。最初に走った方が勝つことが多いのだが・・・アランマーレは3点を先に取られてしまう。またロングラリーを落とすなど、勝負所を全部アクアに持って行かれてしまった感が残る。
木村や前田の攻撃で追いすがるも、この3点の差がどうしても縮まらない。

そのままアクアに振り切られ、ゲームセット。序盤の勢いを生かすことができず、悔しすぎる敗戦。1勝がこんなに遠いとは・・・わかっていたが、ここまでとは。
「切り替えて明日へ」という思いはあるものの、運転の疲れもありずっしりと疲れを感じて、この日は早く眠った。


【DAY2 vs 日立ASTEMOリヴァーレ】

名門日立。サイズのある選手を揃え、日本代表級の選手も抱える強豪。苦戦は予想していた。
自分の予想に反して序盤は走るアランマーレ。有村のバックアタックと菅原の攻撃が冴えて得点を重ねる。

しかし、セット終盤に追いつかれると、あっさりと1セットを落とす。
この日のアランマーレにとっては、ここがターニングポイントになってしまった。
失った流れを取り戻すことはできず、3セットを立て続けに取られてホーム連敗。

試合後には涙を見せる選手もいて、負け続けることの辛さが表に出てきてしまっているのでは・・・と感じざるを得なかった。選手が辛いのはもちろんだが、勝負に並々ならぬ執念を燃やす指揮官・北原監督もきっと辛いに違いない。それを表に出さず淡々とやっているのを見ると、同じ男としては察して余りある。指揮官って本当に大変だろうなと、帰り際に見たある場面で実感したところである。

さて。こんなテンションの低い文章読んでもなんにも面白くないですよね(笑)
決して勝ってないからじゃないけど、最後にホームゲームについていいところを挙げて今回を締めたいと思う。

一関のお客さん、結構バレー好きなんじゃないかなと自分は思った。声はまだまだ出せるけど、なんか「熱」を感じたんですよね。
そして2日目には、ナナミさんの母校、花巻南高校バレー部の選手たちがナナミさんとチームを激励。
なんかよくわからんが、チーム独特のコールみたいなので激励したんだけど、最後ナナミさんも一緒にやってて本当にかわいかった(笑)
他の選手たちもそれを見て爆笑しながら拍手を送る。「地元っていいよな」と感じる一幕だった。

あと、リズムパフォーマンスは完全に一つのアトラクション的なものとしてファンに受け入れられていて、あの空間は本当に楽しいと感じる。
ホームゲームに来たお客さんに楽しんでもらおうという気持ちが感じられて、ほっこりする。
今回は決めポーズもあって、前田コーチが「選手たちが最後に決めポーズするから撮ってやってください!」と教えてくれて、慌ててベンチ前に滑り込んで撮ったり(笑)まあなんだ・・・結果は大変だったけど、やっぱりホームゲームは楽しかったよね。

今日流れてた曲、TWICEのWonderful Dayっていうらしい。クリスマスだから選曲してくれたのだと思うが、結構気に入って今も聞きながら書いてます。
歌詞に「雪に願いを」ってのがあって、この文章の最冒頭につながっていくんだが・・・願い、きっと2レグで叶うよね。
気持ち切れてる時間を少なくして、ミスを減らし、自分たちの持ち味であるサーブで攻めてメソマチの強打、有村のバックアタック、木村・前田の巧みな攻撃、菅原のブロック、伊藤のマルチナ攻撃などで点を重ねれば、セットは取れる。そのための武器は持ってるんだよ、アランマーレは。
あとは勝負所で勝ち切れるか。
そう考えると、アランマーレがV2中位でもがいてた時にやってたことと同じになってきてる気がする。
「ここ一本を取り切る」をやってから、チームは上位に定着したんだから。

みんな、忘れていないだろうか。
今シーズンのスローガン。

「CHARENGER」

アランマーレは挑戦者。
今は勝つために経験を積み、力をどう使えばいいかを知る時間。
オレらファンも勝ちは見たいけど、決して焦ってはいないよ。信じてやり続けよう。

今回撮った中で、とても印象的だった写真。
リナさんのサーブのアドレス。ボールを高く掲げ、それを見つめる。

極限の集中状態の中、本人は意識しないルーティーンなのかもしれないけど、これを見るたびに「祈り」や「願い」という言葉が浮かぶ。

今回の旅で行ったどこよりも雪が深かった酒田。明日からは雨の予報で、つかの間のホワイトクリスマス。
帰ってきた選手たちは楽しむ暇もないかもしれないね。今回の大雪はとても小さいかもしれないけど、大事な一つの願いをかなえてくれた。

V1初の勝ち点1

12月一関大会は、アランマーレの歴史の第2章における重要な第一歩が、一関の地に刻まれたWonderful Dayなんじゃないかなと・・・港町をすっぽり包んだ雪を見ながら思うのである。



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