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アランマーレ熱烈応援ブログ「編集長のひとりごと side アランチャ vol.21」

【Voice for Aranmare-背中を押すものとはー】

「あらーんまーれ、ちゃっちゃっちゃちゃちゃ」
ひらがなで書くととっても可愛いけれど、4年前に国体記念体育館で聞いたそれは、そんな生易しいものではなかった。
そう、あれは地鳴り。
地の底から湧き上がってくるかのように姿を現しては中空に舞い上がり、空気を震わせ、国体のかまぼこ型の屋根に反射してコートに降り注ぐ。
アウェーチームにとってはまさに騒音、まさに邪魔もの、そして悪夢。
それを発する側にいなかった自分にとっては、頼もしいどころかちょっと怖いくらいに感じたのを記憶している。

待ち望んだV1のシーズンが幕を開けた。しかし折悪しく・・・というか最悪のタイミングで酒田市国体記念体育館は改装工事中で使用不可。栄えあるV1最初のホームゲーム会場を、お隣鶴岡市に譲ることとなった。
私は酒田市民である。そしてここは私のブログだ。面白くないことは面白くないと書かせていただく。酒田びいきの酒田市民が酒田とアランマーレのために書く文章。それを読むのが嫌なら、この時点でブラウザを閉じるか戻るボタンを押下することをお勧めする。

【DAY1 11/11 空回り】

鶴岡大会のチケットの売り上げは好調。土曜日は若干の残席があるものの、日曜日は完売とのこと。果たして土曜日、小真木原はほぼ満員と言えるくらい人で埋め尽くされていた。
V1最初のホームゲーム。演出もこれまでのそれとは段違い。照明をフルに使った印象的な幕開け。この演出は土日両日ともに行われた。いつもと違ったカクテル光線の中、選手たちは子どもたちと一緒に入場。V1を実感するとともに、コロナ禍は終わったんだなともしみじみ感じた。

そして試合がスタート。相手はデンソーエアリービーズ。強豪だが、もはや驚かない。相手は全部強豪で有名なのだから毎回驚いていては身体が持たない。でも実際プレーを見ると驚くというか感心するというか・・・。
アランマーレの動きとの違いを感じる部分があった。
バレー経験はないのに、何言ってんのと思う方は多いと思うのだが・・・なんと言うか、アランマーレよりも同じ時間の中で多く動けるというか・・・そしてその動き一つ一つのクオリティも高いと感じた。もちろん平均身長も完全にアチラが上。高さで不利を抱えているうえに、相手の動きの質も上となれば、苦戦するのは当たり前。

そんな中気を吐いたのは、不動のキャプテン木村友里。木村がいなければ、点は入らないし守備もままならないと言ったら怒られるだろうが、この日はそう感じてしまうほどに木村の攻撃は通用したし、守備でも大活躍を見せた。

”クレバー”なオフェンスと安定感抜群の守備でチームを支えた木村

そしてもう一人。V1クラスという言葉が今のアランマーレで一番似合うプレーヤー。オケケアル・メソマチである。
高さ、強さは申し分なく、そしてしなやか。以前は打ち下ろすばかりだったスパイクも進化を遂げていた。ブロックの間を抜く目の覚めるような一撃を下したかと思えば、次は狡猾にブロックアウトを絡めとる。この日チームトップの得点で、攻撃をけん引した。

チームに欠かせない大砲、メソマチ

1セット、2セット共に競る展開。特に2セット目はデュースデュースで30点までもつれるも、惜しくも落とした。続く3セット目は相手のミスも重なって取り返すも、4セット目に一気にまくられてゲームセット。
タラレバだが、2セット目を取っていたら・・・と思わざるを得ない。大事なところでミスが出る展開はとてももどかしく、個人的にはストレスのたまる試合だった。
V2だったら多分もっともつれていたし、勝ちを拾っていたかもしれない。でもここはV1。デンソーはそれを見逃してくれるほど甘くはなかった。

【DAY2 11/12 piece-欠けているもの-】

物足りなさを感じながら、酒田から鶴岡まで車を飛ばす。時間は昨日よりも1時間も早い。この日は朝からアランマーレジュニアが日本一の座をかけて試合を行うということで、西尾GMからの依頼を受け急遽チームプレスとして撮影することとなったのだ。
結果は惜しくもフルセットでの敗北。しかしながら選手たちのはつらつたるプレーは、前日のトップチームの敗戦の苦さを少し和らげてくれた。そして、保護者たちの応援の声に胸が熱くなった。
理由はわからない。でもあの声は本当に胸に響いたのだ。

この日の対戦相手はNECレッドロケッツ。日本代表を多く抱える強豪。身長もアランマーレのはるか上。そんな攻撃を受け止めることができるのか・・・そんな不安が浮かび上がる。
果たして、その不安は現実のものとなった。第1セット、常にロケッツに先行される展開。覆せない、追いつけない。高さで押さえつけられ、サーブで揺さぶられる。大差でセットを落とした。
エンドで見ていると感じるのがブロックの揃いが悪いということ。早いトス回しで振られてサイドとセンターの間がバックリ空いてしまい、そこから背の高いアタッカーにスパイクを痛打される。前日のデンソー戦でも相手のエース、ロザマリア選手にいいようにやられてしまっていた。

迎えた第2セット。セット間、アップを行う選手を監督が制して全員集合をかけた。何かが起こる気がして、ベンチに目をやる。注目する自分の前で、スタメンが大幅に変更された。
瞬間、サイドからエンドへと脱兎のごとく走る。途中にいたファン仲間が異変を察知して「何したや?」と私を見る。
私は走りながら彼に言った。

「リナ(が)出るみでぇだ」(酒田弁)

はっきり言おう。
2セット目、流れを変えたのは菅原里奈である。
彼女が出てから、明らかに相手のスパイクの貫通率が低下した。2年連続ブロッククイーン、強靭姫はコートに降り立つやいなやいきなりその実力を発揮したのである。

強靭姫、ついに降臨!

もともと長いブログなのに本当に申し訳ないのだが、今日は彼女のことをたくさん書かせてもらう。それくらい、私は菅原里奈の出場を待ち望んでいた。ここ数試合スタメンから外れていたのが不思議でならなかった。
大型、迅速な攻撃を繰り出すV1チームの相手をするのに、彼女のリードブロックなくしてどうするのか。この素人はずっとそう思っていたのだ。そう、欠けていたピースのひとつは菅原里奈その人だったのだ。

狭いファインダーの中、ブロッククイーンが構える。目が左に動く。カメラをそちらに振る準備をする。半テンポ遅れて菅原が動く。ライトのOHはもうブロックに飛んでいる。なのに菅原は瞬時にその隣に入って跳躍。OHと同じタイミングでブロックを形成する。
理論的におかしい。間に合うはずがないものが間に合っている。コミットならもっと早く舞い上がれるだろうが、そんなん一か八かに過ぎない。リードブロック。日ごろの練習でアランマーレが繰り返し繰り返し行っていること。それを高い次元で行い、献身的に動き、飛んではしぶとくワンチを取って味方の攻撃につなげる。
これがトータルディフェンスの開始点の一つ。菅原の投入でアランマーレの原点かつお家芸が復活した瞬間だった。

菅原のリードブロック

続いてあいさつ代わりとばかりに今度はクイックで攻撃。
菅原劇場の開幕に古参のファンは歓喜した。

完全に雰囲気が変わる。
スパイクの勢いがそがれ、コースも限定されて、ディガー陣が息を吹き返した。このセットスタートから投入されていた石盛がボールに食らいついてはトスをセット。岡村南奈やメソマチが飛び上がってボールを強打。
アランマーレは昨年のリーグ覇者であるNECと大激戦を開始した。

この日トップスコアラーの岡村
安定かつ攻撃的なゲームメイクが光った石盛

本当に面白い試合だった。
前日は1セット取り返した。結果から言えばこの日はストレート負け。1点が届かないのは変わりない。でもその過程が全く違ったといった印象。1日目と2日目、どっちのバレーがアランマーレらしいかといえば、個人的には断然NEC戦だった。
最後こそ相手の高さに屈したが、拾ってつないで決めて喜んで、また次へ。
ケガで長期間離脱した小野山博子も活躍。腐らずリハビリに取り組んだ日々を見ているだけに、本当にうれしかった。

この日大活躍の小野山

アランマーレらしさの定義は人によって違うと思う。でも私はやはりチームワークだと思う。他のチームに劣る部分を考え、分析し、練習し、試合では拾ってつなぎまくる。そしてそれが結実したときの最高の笑顔。
それこそがアランマーレのバレーであり、良さ、ファンを引き付ける最大の要素だと思う。

歓喜の輪・・・これを今度は勝利の瞬間に見たい

【voice】

話は冒頭に戻る。国体名物地鳴りのようなアランマーレコールが復活することはなかった。今回感じた物足りなさのもう一つはこの声だ。
小真木原で聞いたのは、地鳴りではない。あれはコロナによって委縮させられたものを補うために生み出された苦肉の策が残存したもの。コールの出だしの勢い付けは機械に頼ってもいい。でもそこから先はやっぱり人間の力が物を言うんだと思う。そういう意味では鶴岡での声は圧倒的に足りていなかったと自分は思う。
音圧ってよく言うけど、私が聞いたモノが持つ圧は本当にハンパなかった。目の前で新参チームをストレートでボッコボコにしたアランマーレがいて、その後ろにあって背中を押していたのがあのアランマーレコールだった。
むしろ朝に聞いた保護者の応援がそれに近かった。だからこそ、遅れて入ってきた古参のプラチナ・ゴールド会員の皆さんはそれに一気に呼応して、反対サイドで激熱な応援をインスタントで展開していたわけで。
一関や天童でそれを望むのはつらいだろう。次の鶴岡、VCUPまで、応援の形が少しでも良くなることを祈りたい。

2日間を終えて、選手たちはどんな夜を過ごしているだろうか。悔しさにさいなまれていなければいい・・・そんなことばかりを考えてしまう。
航海は始まったばかり。じきに慣れていくし、対応もできるようになる。
だから焦らないでほしい。自分たちのバレーを信じてほしい。今日はただそう思う。

あ・・・思い出した・・・。

今回気合入れてポスター作って、自分の中では結構燃え尽きた感じだったんだけど、小真木原を辞するときに偶然お会いした友里さんが、はにかみながらボソッと言った一言で、それは完全に覆された。

「一関でも(ホームゲームの盛り上げ)お願いします・・・」

アハハハハ!!!!!
木村友里からこんなこと言われて断れるshipmateなんてこの世の中にいねぇよなぁ!!!!!

と、いうことで皆さん!一関にいっぱいクリスマスプレゼント(ポスター的なもの)持って行くんで・・・ホームゲーム会場でまたお会いしましょう(涙目)


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