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アランマーレ熱烈応援ブログ「編集長のひとりごと side アランチャ vol.19」

【Last homegame-さよならじゃない-】

祭りの後というのだろうか。今私は寂寥感に包まれている。アランマーレの今シーズン最後のホームゲーム、2月酒田大会が幕を閉じた。
この大会は、酒田のアランマーレファンにとって、さまざまな意味で特別なものだったと思う。

少なくとも自分には2つの意味があった。

終わった今、すこしやかましいタクタイルのメカニカルキーボードをコトコトと叩きながら、それを噛みしめている。

【国体をオレンジで埋め尽くしちゃったハナシ】

私は酒田市民であって市の職員でもあるから、当然、酒田びいきである。それも極度の酒田びいき・・・もう完全に依怙贔屓の類(笑)
アウェイ中心の方や県内の他地域在住の方には本当に申し訳ないのであるが、アランマーレは酒田のものだと本気で、常々、当然のように思っているし、公言してはばからないタイプのアブない人間でもある。
そんな私が会場づくりに「お手伝い」をするとなれば、それは天童や鶴岡大会の比ではない。会場のいたるところにアランマーレのポスターを貼りまくった。

こんなかんじで・・・
この程度でいかかでしょう(笑)

完全自作の手作りであるからして、手作り感たっぷりの素人仕事。選手たちの写真のカッコ良さがなければ・・・ってところではあるが・・・「戦いは数」だよ兄貴(笑)
2試合、1階アリーナから見上げていたが、ホーム側の通路を通るお客さんたちが、ポスターを見たり写真に撮ったりするのを見て、ひそかにほくそえんでいた(笑)

今回、いつにもましてこんなに力を入れた理由については、前回の記事を見てほしい。まあ簡単に言えば、国体の改修前ラストホームゲームだからに他ならないのであるが。中でも木村友里さんを起用(勝手に)したオレンジのドデカポスターは、チーム内にも結構な反響があったようで「なぜユリ(だけ)なのか」「なぜ私の写真は使われないのか」「そもそもそんな写真、私は撮られてすらいない」などの意見が寄せられた(笑)
でも、チームや選手のSNSを見ると、今回のポスター責めはおおむね好評だったようで、そこはほっとしている。

【DAY1 2/11 VS 大野石油広島オイラーズ】

改修前ラスト。選手たちはどう思っているかはわからないが、特別なホームゲームが始まった。対戦相手は広島。現在の両チームの順位を見れば、負けは許されないのはもちろん、フルセットに持ち込まれることも避けなければならない一戦である。
第1セット、アランマーレの猛攻が広島に浴びせられ、目立った抵抗も許さないまま一気に押し切った形。木村友里、前田美紅を中心に怒涛のような攻撃が展開された爽快なセット展開だった。

決めるべきところで決めてくれた木村
硬軟自在に攻撃を展開した前田

続く第2セットが問題だった。もともとサーブのいい広島に、執拗に前田が狙われる展開。レセプションを崩されてAパスが返らなくなったアランマーレは、競る展開に持ち込むものの微妙な判定(どちらにとっても微妙で、あの抗議の時間は少し雰囲気が悪かったと感じたが)もあって、流れを最後まで引き戻すことができずに1-1のタイに戻されてしまう。
「フルセットはアカンで」という言葉が誰もの頭に浮かぶ中、迎えた第3セット、調子の上がらないメソマチに代わって出てきたのは有村涼美。新人ながら冷静な打ち分けと驚異の決定力を誇る新たなエース候補である。
驚いた。正直驚いた。その時自分は相手サイドのエンドにいたのであるが、正面から見ている自分の前、有村は完全にライトの空を「跳んでいた」。

普段と逆のライトでも驚異の活躍を見せた有村

あの跳び方を見た時、かつて在籍した榎本選手を思い出してしまった。バックライン付近からぶっ飛んでくるあの迫力。有村はそれと同レベルの凄みをすでに兼ね備えていた。
有村の大活躍に続いて輝きを放ったのはこの人。

ブロードやクイックがさえわたった強靭姫こと菅原里奈

菅原里奈。この選手が前衛にいるときの安心感とワクワク感といったら他にはない。横にいるメソマチより低いのに、とんでもない止め方をするし、この日はクイックの破壊力も抜群で、オープンの攻めが停滞する瞬間にセンターから切り裂く菅原の強打に何度も救われる場面があった。

アランマーレは、第3、第4セットを立て続けに奪って勝利。2セット目が余計と言えば余計だったが、メンバーチェンジでしっかり修正したところに、今シーズンの強さと進化を感じることができた。

また、内定選手・岡村南奈もデビューを飾り、見事初得点も記録している。

貴重なサウスポー、岡村

試合後には初の試みとして、選手によるお見送り「ハリセンハイタッチ」も行われ、国体記念体育館の2階入り口には笑顔があふれた。

ホームゲームっていいものですね

【DAY2 2/12 VS ヴィアティン三重】

明けて日曜日。多くの観客の前。紹介される両チームの選手。いつもは気にも留めない相手チームのコールだが、この日は違った。MCを担当する松浦彩さんの声がひときわ大きくなる。

「21番、浅川希!!」

鳥肌が立った。あの選手が国体に、酒田に帰ってきた。生まれ故郷三重のチームの一員として。ヴィアティンは、今シーズンV2新規加入ながら、すでに勝利を挙げている勢いのあるチーム。しかもアランマーレを知り尽くした浅川選手もいる。普通の試合にはならないだろうと、私は思っていた。

果たして、不安は現実となる。離せない。とにかく離れない。浅川選手をはじめ、締まった守備をする三重に手を焼くアランマーレ。要所では、浅川選手がレフトから切れ味抜群のスパイクを打ち込んでくる。この日のアランマーレの攻撃は少し単調に思えた。ミドルにトスが合わない印象。また相手の軟打にも手を焼き、それを拾いきれないもどかしさが焦りにつながり、ミスも出る苦しい展開が続いた。

伊藤、菅原共に得点は1ケタと苦しんだ

この日、気を吐いたのはメソマチ。いや、気を吐いたとかいうレベルではない。アランマーレの攻撃の中でもメソマチの高さとスパイクの威力は図抜けていた。

いや、高さも威力も完全に別次元だと言った方が正しいだろう。

相手のブロックのはるか上をいくメソマチのスパイク

この高さと威力に、三重の守備陣は対応できていなかった。言い方はキツいが、なすすべなくメソマチにやられ続けた。終わってみれば両チームダントツトップの24得点、決定率57%と、驚異のスコアが改修前ラストの国体に刻まれた。

もちろん、メソマチだけではなく、前田や木村も要所で厳しいコースを突く攻撃で得点を重ね、チームは苦しみながらもセットカウント3-0のストレートで勝利を収めた。

VOMインタビューで笑顔のメソマチと木村

試合後のセレモニー。勝利したアランマーレに先立ち、ヴィアティンの選手たちがコートを一周する。いつもと違う雰囲気。明らかに多い健闘を称える拍手は、この人へと送られていた。

酒田に「凱旋」した浅川選手

こんなに、この選手のことを覚えている人が国体に、酒田にいたのかと、少し驚いた。酒田を離れて3年。忘れられてもおかしくはない。でも、わずか18歳で酒田に来た少女が過ごした4年は・・・頑張り続けたあの日々は、アランマーレファンの心に刻み込まれていたんだなと、この時強く感じた。飛び跳ねながらかつてのチームメイトに手を振る彼女の姿。ファインダーをのぞく目に熱いものが浮かんだ。

【しばしのお別れ】

苦しみながらもホームゲームを2連勝で終えたアランマーレ。考えてみた。国体でいつから負けていないのだろうと。
最後に負けた相手は群馬銀行なのは強烈に記憶している。圧倒的な実力差を見せつけられての敗北だったから。でもそれから2年?3年?国体で負けるアランマーレは見ていない。ポスターにも書いたけれど、選手たちに言わせれば、国体が会場だと負ける気がしないとのこと。
そんな大きな力を選手に送っているのは、国体記念体育館に応援に駆け付けたファンの応援であり声援に他ならない。コロナで遠ざかってはいるが、またあの地鳴りのようなアランマーレコールを、私は聞きたい。

ほかならぬ国体記念体育館で。

市の計画は変わらない。そして時を都合のいいように進めることもできない。おれたちのホームコート、酒田市国体記念体育館は、令和5年度、大規模改修のため1年間閉館する。
2023-24シーズンの酒田ホームゲームは開催されないのだ。

この2日間。本当に楽しかった。
地元酒田で行われるホームゲームは本当に楽しい。
それは、地元の期待と後押しを選手が意気に感じて、最高のパフォーマンスを見せてくれるからに他ならない。
そのためには、会社の皆さんも、バレー協会の皆さんも、私のような得体のしれない人間ですら、休みも時間もいとわずに協力する。
そうやってみんなで作ってきたのが、アランマーレの酒田ホームゲームだと、私は思う。

寂しさは、ある。
でも、アランマーレの戦いは続く。
選手たちは短い休みの後、また国体で練習を続ける。
現実は、時間は進み続けるのだ。2年後の10月、酒田で行われる次のホームゲームに向かって。

今日、国体を去る前、最後の最後に選手のご家族とお話をさせてもらった。
雨の中、交わした言葉。それは目の前の希望を、私に思い出させてくれた。

「次は、入れ替え戦で会いましょう」

本拠地・酒田市国体記念体育館にて

ありがとう。国体。
また会う日まで、しばしのお別れ。
きれいになった体育館で活躍する、アランマーレをまた見守ってくれよな。


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