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アランマーレ熱烈応援ブログ「編集長のひとりごと side アランチャ vol.18」

【Top runner’s pride-先行者の意地-】

タイトルがスッと思い浮かばない記事って、その時点で自分的にはダメなんだけど。でも、書きます。目撃したからね・・・彼女たちの激闘を。苦しい戦いを。そして・・・初黒星を。

【DAY1 1/14 vs 大野石油広島オイラーズ】

2023年1月。アランマーレはホームゲームに帰ってきた。酒田でも天童でも負けていない。それどころかアウェーすべてで勝ち星を重ねて、鶴岡市でのホームゲームに「凱旋」した。会場は、小真木原体育館。酒田の国体記念体育館と違って縦に長い設計で、試合するフロアは3階にあり、自由席はさらに上の4階という体育館である。フロアは圧倒的に国体の方が広いが、会場のどこに座ってもコートが近く見える気がする。加えて照明は暗め。個人的には撮るのが難しい体育館である。
自分は、天童を都合により欠席したため、アランマーレのアップに加わった「リズミカルなダンシング」wwwを見たことがない(笑)楽しみにしていたのだが、あれはあれで、結構楽しいものだった。とりあえず会場は盛り上がるよね。

選手の表情も明るい(個人差ありw)

で、試合である。相手は大野石油。このチームとは伝統的にフルセットに持ち込まれるというイメージが頭に残るが、今はそんなことは言っていられないはず。こちらは無敗。試合数の関係で2位なだけで実質首位を走るチームなんだから。
第1セット・・・もやっとした立ち上がり。これまでのチームの躍進を支えてきた前田美紅、メソマチというアウトサイドヒッターの攻撃がなかなかコートに落ちない。明らかに研究されているといった印象。苦しい展開で試合は進んでいく。
辛くもセットは奪うが、どうもピリっとしない。そんな展開に指揮官の動きは迅速だった。

有村涼美選手

木村友里に代わって投入されたのは、新人の有村涼美。冷静にブロックの位置を見極め、伸びやかな跳躍から次々にスパイクをねじ込み得点を重ね、劣勢を跳ね返した。
そして、もう一人。状況をひっくり返す活躍を見せた新人が一人。

角田南見選手

チームにたった2人のティーンエージャー、角田南見。投入されるやスパイクに、サービスに、そしてブロックにと監督の期待通りの活躍を見せ、一躍ヒロイン候補に躍り出た。
それでももつれるこの試合。3セット目、先行するも追いつかれる苦しい展開。そこでコールされたのは草島華穂の名前だった。

「鋼のメンタル」草島華穂選手

ミスしたら相手に押し切られる恐れのある場面。普通なら「安全に入れる」サーブを選択したいところである。
しかし彼女の頭にはそんな弱気は微塵も存在しなかったようだ。草島が渾身の力で、なおかつ魂を込めて丁寧に打ち出した黄色と青のボールは、複雑な気流を切り裂くかのように、下に落ちることなく伸びながら、相手陣のエンドラインギリギリに着弾。いきなりのサービスエースでまず一つ危機を救う。そして相手にサービス権が移ると、今度はフォロースルーが美しい絶妙なレセプションで、味方の得点をアシスト。この日の最後をしっかりとしめくくる活躍で、強靭なメンタルを見せつけた。

サーブにレセプションに。交代選手として最高の仕事をした草島

勝つには勝ったが・・・どうもスッキリしないといったこの日のゲーム。
とにもかくにもこれでアランマーレは開幕から傷なしの10連勝。もちろん、チーム創設以来初の大記録である。

「十」連勝!

【DAY2 1/15 vs ルートインホテルズブリリアントアリーズ】

明けて日曜日。昨日にも増して多くのファンがつめかける小真木原。対戦相手は、昨年、この会場でホームゲーム連勝記録をストップされた因縁の相手、ルートイン。いわずもがな、大型の選手が揃う、リーグ屈指の攻撃力を誇るチームである。
不安は、あった。
昨日の広島、もっと遡れば年明け一発目の熊本戦。スロースタートというか、どうも相手に先行を許すきらいが、今のアランマーレにはある。無敗だから研究されるのは仕方ないが、それを何とかしないとこれから厳しさは増すばかり。しかも相手はあのルートイン。相当しっかりしないと今日はヤバいぞ・・・と、古参のファンは皆思っていたに違いない。
果たして第1セット、ルートインに先行を許す。というか、そんなにもやっとしていたわけではない。序盤に関しては明らかに相手が上だったと感じた。追いつく場面もあるが、結局ミスから離される。その繰り返しで1セットを落とした。
続く第2セット。今度はアランマーレが先行する。この日好調のメソマチが高さを生かして角度のある攻撃で加点。

メソマチのジャンプサーブ

また、エースと呼ばれるのが板についてきた前田美紅。この日も徹底的にマークされるものの、ブロックを時にかわし、時に利用してしぶとく得点を重ねた。

前田のクレバーな攻撃

しかし、セット終盤。相手に追い上げを許すと最後にまくられて2セットを先取されて絶体絶命。迎えた第3セットは、気を吐くアランマーレと追いすがるルートインの意地の張り合い。そこで信じられないアクシデント。セッターの石盛めるもが、突如コートに倒れこむ。自力歩行できずに運ばれていくショッキングな映像に、会場内のファンは凍り付いた。
しかし、絶対に落とすことができないこのセット。この状況が、主将・木村友里の闘争心に明らかに火をつけた。
この日、相手のエースにいいようにやられていたアランマーレだが、木村を中心に、強烈なスパイクにしぶとく食らいつき始める。そして、レフトに上がるオープントスをことごとくねじ込む木村。主将としての意地が、ここで爆発し、3セット目を奪い返す。

厳しい場面はこの人、木村の出番

そしてもう一人。この試合、いやこの週末を通じてチーム最高の活躍を見せたのが、ミドルブロッカー 菅原里奈。

宙に舞う菅原里奈選手

切れ味鋭いスパイクと、外れる気がまったくしない抉るようなサービス。そして勝負所で「バツン」と止めるキルブロック。この週末のアランマーレのVOMは間違いなくこの人だった。

ブロックに飛ぶ菅原(写真は広島戦)

迎えた第4セット。ここでもまた、ルートインに先行を許す。追いすがり、突き放され、また追いつく。会場のクラップも大きさを増していく。しかし、最後はルートインに振り切られて、痛恨の敗戦。アランマーレは今季初黒星を喫した。

結局、兆しは現実のものとなってしまった。同じチームに、同じ会場で2年連続負けるのは、本当に悔しいこと。ファンはもちろんだが、選手たちはもっともっと悔しいだろう。
でも、リーグ戦はまだ半分を消化したところ。アランマーレはまだ1回しか負けていないのだ。今季は特に、上位4チームの実力が抜け出ている感が強く、アランマーレ、群銀、浜松、ルートインの優劣は、ほぼ直接対決でしかつかないものと思われる。今後の戦いはますます激しさを増し、厳しくなってくる。
不幸中の幸いか、石盛は試合中に立ち上がり、動く気配を見せてくれた。彼女のトスワークは、アランマーレに必要不可欠。一日も早い復調を願わずにはいられない。次のホームゲームは、2/11、12の国体記念体育館。来年度、国体は改修工事で使用不可となることから、再来年までアランマーレのホームゲームは酒田で見ることはできない。改修前最後のホームゲーム、国体をオレンジに染めて、アランマーレの勝利を後押ししたいものである。

今回の鶴岡HGでは、多くのファン、いわゆる「shipmate」が訪れ、クラップでアランマーレを鼓舞した。でも、その思いは(日曜に関しては)残念ながら勝利に結びつかなかった。
shipmateのワードが最近よく使われているが、もう一つ大事なスローガンを我々そしてチームは忘れていないだろうか。

「Synergy」である。

プラスの相乗効果は、お互いがポジティブでなければ生まれないのだと思う。チーム関係者でも何でもない自分がこんなことを言うのは失礼だとは思うが、10連勝って素晴らしい記録だが、プレッシャーでもあったのかなと。勝ち続けることによって周りの期待が高まり、自分たちも負けるわけにはいかないと、どこか体の動きを固くする要素があったのじゃないかと思うのだ。そんな状況で相乗効果が生まれるかというと、個人的には疑問。
応援は期待の裏返し。それを投げかける方も、受け取る方も、ここで一旦リセットし、切り替えてまた新たな勝利に向かって進んでほしいと思う。なので、いつもなら、次のホームゲームに向けて「オレたちがついている」的なことで締めるのだが、今回はあえてやめておきます(笑)

アランマーレの皆さん、ホームゲームお疲れさまでした。記録は記録。いつかは途切れるもの。次また勝てばいい。私たちファンの気持ちはいつも皆さんと共にある。応援をプレッシャーに感じる必要はありません。

さ、切り替えましょう!次行こう、次!


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