二コラ・テスラ その2

 テスラが発明した交流。少し電気的な知識が必要なので、簡単に説明していきます。
 日本国内において理科の事業を受けられた方なら、耳にした事があると思います。電気の送電方式は、直流伝送と交流伝送の2つの方式があります。
 交流伝送では、電気の流れや電圧が変化する特性があります。現在の家庭用コンセントのほとんどが、この伝送方式によって供給されています。
 一方の直流伝送方式。これは、同じ電圧を維持したまま一定方向に流れさせる方式の事です。乾電池やバッテリーなどをイメージされると、しっくりくると思います。
 テスラが考えた交流電流による送電方式は、直流電流よりもコストがかからず、利用者する方々が取り扱いやすい電圧に変圧できる、というメリットがあります。
 テスラは「交流の送電方法を世界に広めたい!」という強い願望を持ち、1884年にアメリカに渡る事にしました。
 渡米後、革新的な発明家のエジソンの下で働くチャンスが得られました。しかし、当時のアメリカの電力供給の仕組みは、エジソンが開発した直流伝送方式でした。
 エジソン自身はテスラの案にかなり否定的な立場を取りました。エジソンは、交流伝送方式の方が直流伝送方式より、遥かに優れている事は百も承知だったでしょう。けれども、プライドや自分の立ち位置を守る為、必死にガードする事に専念したはずです。
 このあたりの状況は現在社会でも、そう大きく変わりません。親分の技術より、子分の技術の方が優れている面がある・・・
 恐らく、当時のテスラは、非常に歯がゆい思いをしていたかもしれません。また、開発に向けた情熱は、決して揺らぐ事はなかったでしょう。
 そんな二人の立場が交わる事はなく確執は深まる一方で、翌年にはテスラはエジソンの会社を去る事になりました。

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