ブルーバード小池くん -4-
小学校で同じクラス、同じ野球部、同じ団地。
友達にならない理由がない環境で僕たちは過ごした。
日曜日の朝
団地の前に停まってある小池くんちの車、日産ブルーバードがあるかどうかを確認することから始まる。
車があれば遊べる。
なければ家族でお出かけ中だ。
僕の両親は免許を持たず、車を持っていない家の僕は家族で車で出かけた経験がない。
なので、日曜の朝、小池くんちの車がないことは二重にも三重にも寂しい気持ちになった。
なぜ自分の家に車がないのか両親に聞いたことがあったが、困らせる問いかけだと気付いたのは随分大人になってからだ。
車で出かけられなくても、裏の空き地でキャッチボールして楽しかったし、日曜の夜に家族でトランプすることが何よりの楽しみだった。
キャンプはテント担いでJR乗り継いで行ったのは最高の思い出だ。
チルチルとミチルが、夢の中で過去や未来の国に幸福の象徴である青い鳥を探しに行くが、結局のところそれは自分達の最も近くにある鳥籠の中にあったという童話がある。
僕の家の青い鳥も家族の中にあった。
もちろん、小池くん家にも。
折り返しの人生を少しでも素敵に。 アップルコブラーというスイーツが好きです! それを手に入れるためのものも好きです。。。