モモさんミッシェル

主にショートショートを書いています。 読んでいただけたら嬉しいです!  男子校在学中 …

モモさんミッシェル

主にショートショートを書いています。 読んでいただけたら嬉しいです!  男子校在学中  ちなみに好物は抹茶

マガジン

  • お題2つでショートショート

    お題を2つランダムに設定して、ショートショートを書きました。

  • イベント・コンテスト

    イベントやコンテストに応募した作品です。

記事一覧

喫茶店の定期券 ~お題2つでショートショート その10~『定期券』『日曜日』

 カーテンの隙間からこぼれるやわらかい光に誘われ、僕は目を覚ます。布団に吸い付いていうことを聞こうとしない体をなんとか動かして起き上がった。窓を開けると、鳥のさ…

消滅の消しゴム ~お題2つでショートショート その9~ 『消しゴム』『船』

 ――あれ?  学校に到着し、鞄から教科書、ノート等を取り出そうとした時、俺はあるものがないことに気がついた。  筆箱である。  俺は慌てて鞄の中身をかき分けて…

五年前のあの日から ~お題2つでショートショート その8~ 『夢』『車』

 ――ピッ、ピッ、ピッ、ピッ……。  病室に入ると、心電図の音が小刻みに鳴っているのが聞こえてくる。  やはり息子は静かに眠っているようだ。    私は息子が眠っ…

ぼっち好きの自己紹介

はじめまして! モモさんミッシェルと申します。 2021年の8月11日にnoteを始めました。 少し遅くなりましたが、今回は自己紹介をしようと思います。 アカウント名につい…

暗闇の光 ~お題2つでショートショート その7~ 『サウナ』『レンジ』

 ――ここはどこだ?  暗くて何も見えないし、寒くて体が震える。  そもそも、僕はなんでここに居るんだ?  そうだ……。気づけば僕はここにいた。  目が覚めたらこ…

海中時計 ~お題2つでショートショート その6~ 『海』『時計』

 遠くに真っ白な入道雲が見える。  コンクリートの地面が太陽の光を受けて熱気を帯びているのが歩く度に伝わってくる。  夏休みも終盤に入り、そろそろ宿題を片付けなけ…

孤独のランチ ~お題2つでショートショート その5~ 『学校』『蛇』

   ――やることのない昼休みほど辛い時間はない。    僕は自席で昼食を食べ終えると、一人弁当箱を片付ける。  つい先日、田舎から都会にあるこの学校に転校してきた…

君を見ていた…… ~お題2つでショートショート その4~ 『廊下』『天井』

 ホームルームが終わったようだ。  この学校の生徒が皆、廊下に出てくる。  すぐに帰宅する者もいれば、部活へ向かう者もいる。  その中に、彼女はいた。   『彼女』…

しんなりボーイズ 【#2000字のドラマ】

 昼休みになった。  男だらけの教室がざわざわし始める。  僕は家から持ってきた弁当箱を開いて食べようとしたが、その時二人の友達が僕の席の前まで来て話しかけてきた…

永遠のサイコロ ~お題2つでショートショート その3~ 『図書館』『サイコロ』

 俺は家の近くにある図書館に向かっていた。  図書館といっても都市部にあるような大きいものではなく、昔からある小さな図書館である。  俺は学校のない毎週末そこで本…

チョコのお賽銭 ~お題2つでショートショート その2~ 『神社』『チョコレート』

 「はぁ……やっと学校が終わった」  家に帰るときはいつもある場所に寄ることにしている。  帰り道の途中にある駄菓子屋だ。  いつもそこでチョコレートを買うのであ…

猫と出会った昼下がり ~お題2つでショートショート その1~ 『猫』『コンビニ』

 初夏の日差しが眩しい六月最初の月曜日の朝、俺はコンビニにいた。 祝日だから中学校は休み。  今日は家でゆっくりくつろぐことに決めていたのに、母がお菓子を買ってこ…

喫茶店の定期券 ~お題2つでショートショート その10~『定期券』『日曜日』

喫茶店の定期券 ~お題2つでショートショート その10~『定期券』『日曜日』

 カーテンの隙間からこぼれるやわらかい光に誘われ、僕は目を覚ます。布団に吸い付いていうことを聞こうとしない体をなんとか動かして起き上がった。窓を開けると、鳥のさえずりが聞こえてくる。

 今日は日曜日、高校は休みである。学校の時間割に縛られずに、気の赴くまま生きられる数少ない日。何も考えずに家でゴロゴロするのも悪くないが、僕は日曜日にはある場所に行くと決めている。そのため、僕は鞄を肩にかけていつも

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消滅の消しゴム ~お題2つでショートショート その9~ 『消しゴム』『船』

消滅の消しゴム ~お題2つでショートショート その9~ 『消しゴム』『船』

 ――あれ?

 学校に到着し、鞄から教科書、ノート等を取り出そうとした時、俺はあるものがないことに気がついた。
 筆箱である。

 俺は慌てて鞄の中身をかき分けて筆箱を探す。
 だが、いくら探しても筆箱は見つからない。
 
 そうだ。俺が最後に筆箱を使ったのは宿題をした時だ。
 もしかすると、昨日宿題をした後、机の上に置きっぱなしにしてしまったのかもしてない…………っていうか絶対にそうだ。

 

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五年前のあの日から ~お題2つでショートショート その8~ 『夢』『車』

五年前のあの日から ~お題2つでショートショート その8~ 『夢』『車』

 ――ピッ、ピッ、ピッ、ピッ……。

 病室に入ると、心電図の音が小刻みに鳴っているのが聞こえてくる。
 やはり息子は静かに眠っているようだ。
 
 私は息子が眠っているベッドの横にぽつんと置いてある冷たい椅子に腰かけ、じっと息子を見つめる。
 
 ――頼む、どうかその目をあけてくれ……。
 そう念じるが、息子が目を覚ます気配はない。

 ――五年前、私と息子は地方に旅行していた。珍しく妻は家で留

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ぼっち好きの自己紹介

ぼっち好きの自己紹介

はじめまして! モモさんミッシェルと申します。
2021年の8月11日にnoteを始めました。
少し遅くなりましたが、今回は自己紹介をしようと思います。

アカウント名について私のアカウント名は『モモさんミッシェル』です。
すでにお気づきの方も多いかもしれませんが、この名前はフランスの世界遺産『モンサンミッシェル』からとったものです。
私は過去に『モンサンミッシェル』へと行ったことがあり、それが強

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暗闇の光 ~お題2つでショートショート その7~ 『サウナ』『レンジ』

暗闇の光 ~お題2つでショートショート その7~ 『サウナ』『レンジ』

 ――ここはどこだ?

 暗くて何も見えないし、寒くて体が震える。

 そもそも、僕はなんでここに居るんだ?
 そうだ……。気づけば僕はここにいた。
 目が覚めたらこの暗闇の中だったんだ。
「それにしても寒いな……」

 僕がそう呟いた次の瞬間、暗闇の奥から誰かの声がした。
「おい、お前、新入りか?」

 ――声? 誰の声だ? 

 その声は少し震えている。
 寒くて上手く口が動かせていないのかも

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海中時計 ~お題2つでショートショート その6~ 『海』『時計』

海中時計 ~お題2つでショートショート その6~ 『海』『時計』

 遠くに真っ白な入道雲が見える。
 コンクリートの地面が太陽の光を受けて熱気を帯びているのが歩く度に伝わってくる。
 夏休みも終盤に入り、そろそろ宿題を片付けなければならない。
 今日はこれから同じ中学校の友達の家に行き、協力して宿題を終えることになっていた。

 ――ピンポーン

 ガチャッとドアが開き、友達が顔を出す。
「いらっしゃい。久しぶりだな! 入れよ」
「おう、おじゃまします」
 僕は

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孤独のランチ ~お題2つでショートショート その5~ 『学校』『蛇』

孤独のランチ ~お題2つでショートショート その5~ 『学校』『蛇』

 
 ――やることのない昼休みほど辛い時間はない。
 
 僕は自席で昼食を食べ終えると、一人弁当箱を片付ける。
 つい先日、田舎から都会にあるこの学校に転校してきたばかりの僕は、まだクラスに馴染めていない。
 言うまでもなく、まだ友達もいない。
 
 話をしようにも話し相手がいないし、本を読もうにも図書室の場所が分からない。
 はぁ……こんなことになるなら、家から本を持ってくればよかった。
 
 

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君を見ていた…… ~お題2つでショートショート その4~ 『廊下』『天井』

君を見ていた…… ~お題2つでショートショート その4~ 『廊下』『天井』

 ホームルームが終わったようだ。
 この学校の生徒が皆、廊下に出てくる。
 すぐに帰宅する者もいれば、部活へ向かう者もいる。
 その中に、彼女はいた。
 
『彼女』とは、俺が最近気になっている女子のことである。
 彼女は女子テニス部のエースらしく、いつも授業が終わるとすぐに部活に向かっているのだ。
 
 今日も彼女はテニス部の友達と会話をしながら部活に向かっている。
 「とうとう明日は大会だね」

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しんなりボーイズ 【#2000字のドラマ】

しんなりボーイズ 【#2000字のドラマ】

 昼休みになった。
 男だらけの教室がざわざわし始める。
 僕は家から持ってきた弁当箱を開いて食べようとしたが、その時二人の友達が僕の席の前まで来て話しかけてきた。ハルトとレンである。
 ハルトはバスケ部の陽キャ、レンは物理部にいる典型的なメガネ男子である。
 

 「はぁ、彼女ほしいなぁ……」
 「同感だ」
 「お前らはそれを言いにわざわざ僕のところに来たのか? 僕は昼ご飯を食べようとしていたん

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永遠のサイコロ ~お題2つでショートショート その3~ 『図書館』『サイコロ』

永遠のサイコロ ~お題2つでショートショート その3~ 『図書館』『サイコロ』

 俺は家の近くにある図書館に向かっていた。
 図書館といっても都市部にあるような大きいものではなく、昔からある小さな図書館である。
 俺は学校のない毎週末そこで本を読むことにしているのだ。

 図書館に着くと、俺はあたりを見渡したが、人は一人もいない。
 以前はここも、俺みたいに本好きな人がよく集まっていた。
 しかし最近、大きくてきれいな図書館が新しくできたのでみんなそっちに行ってしまったようだ

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チョコのお賽銭 ~お題2つでショートショート その2~ 『神社』『チョコレート』

チョコのお賽銭 ~お題2つでショートショート その2~ 『神社』『チョコレート』

 「はぁ……やっと学校が終わった」
 家に帰るときはいつもある場所に寄ることにしている。
 帰り道の途中にある駄菓子屋だ。
 いつもそこでチョコレートを買うのである。
 チョコレートといっても板チョコのようなものではなく、小さくて一口で食べられるものだ。
 
 駄菓子屋につくと、俺はチョコを二個手に取って店員のおばちゃんに差し出した。
 「今日はそれにするのかい?楽しめるとおもうよ」
 「ありがと

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猫と出会った昼下がり ~お題2つでショートショート その1~ 『猫』『コンビニ』

猫と出会った昼下がり ~お題2つでショートショート その1~ 『猫』『コンビニ』

 初夏の日差しが眩しい六月最初の月曜日の朝、俺はコンビニにいた。
祝日だから中学校は休み。
 今日は家でゆっくりくつろぐことに決めていたのに、母がお菓子を買ってこいというから仕方なく家の前の道路をはさんで向かい側にあるコンビニへとやってきたわけだ。
 さっさとテキトーにお菓子を買って帰ろう。
 そう思った俺はちょうど目の前にあったチョコレートを取り、レジに並んだ。

 ――その時、なんとコンビニに

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