1982年の夏休み

1982年の夏。僕は高校1年生だった。
映画「波の数だけ抱きしめて」の時代設定も同じ年。
小麦色のマーメードを彷彿とさせる中山美穂のような子はまわりにいるわけもなく、自宅でゴロゴロしていた夏だった。たまに一人で公営プールに泳ぎに行く程度……。
あッ、そうそう。親父の伝手で発泡スチロールの成型工場でアルバイトした。成型された発砲スチロールを一定量ずつつみ上げていく仕事だったが、つみあげが遅れてくるとサイレンが鳴り出して「急げ、遅てるぞ」と機械に管理される職場だった。
家業の手伝いは接客や洗い物が中心で、機械化されたラインで働くのは初めて。発泡スチロール工場はまさに人間が機械の歯車になっている姿を描いたチャップリンの「モダンタイムズ」の世界を体験しているような気がした。
夜間3日ほど働いたが、「機械にコントロールされるようなワーカーにはなりたくない」という思いが強く、その後の職業選択に少なからず影響を与えた時期だった。

サーフィンや海とは無縁だったが、中山美穂の化粧や髪型が懐かしい‼︎

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