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【ZEEBRAを木村昴が語る】「ヒプマイ『俺が一郎』に最も影響を与えたZEEBRAの傑作アルバムについて語る!」【HIPHOP HOORAY VOL.28 ヤングジャンプ公式】

『ヒプノシスマイク』で山田一郎役も務める声優界一の“ガチなヘッズ”な木村昴の日本語RAP連載!

当連載で何度も語ってるZEEBRAですが、ここはひとつソロアーティストとしての魅力について腰を据えて語りたい前半戦!

木村 昴 きむら すばる:1990年6月29日生まれ。ドイツ出身。『ドラえもん』ジャイアン/剛田武役、『輪るピングドラム』高倉冠葉役等を担当。『ヒプノシスマイク』ではイケブクロ・ ディビジョン代表Buster Bros!!!を率いる山田一郎役。天才劇団バカバッカを主宰。ラッパーとしても『フリースタイルダンジョン』にも出演していたラッパー・掌幻と“掌幻と昴”として活動中。

※本記事は週刊ヤングジャンプ2021年21&22合併号に掲載された内容をnote用に一部改変して収録しました。

ヒプマイ『俺が一郎』に最も影響を与えたZEEBRAの傑作アルバムについて語る!

『ヒプノシスマイク』での新バトルシーズン『2nd D.R.B』が2月から始まりました。自分がラッパーとしての活動を公に始めたキッカケはヒプマイで、好良瓶太郎名義で書いたイケブクロ・ディビジョン:Buster Bros!!!『俺が一郎』が最初のリリース作品になります。そこで今回は好良瓶太郎が大きな影響を受けた作品として、ZEEBRAさんの『The New Beginning』のお話を出来ればと

『The New Beginning』:2006年リリースのZEEBRAの4thアルバム。


——2006年リリースのアルバムですね。確かに『俺が一郎』の歌詞には、ZEEBRAさんからのエッセンスを感じる部分が多々あって。

RHYMESTERさんや日本語ラップ・クラシックからフレーズをサンプリングしてるんですが、恐らく『The New Beginning』からの引用が一番多いと思います。例えば、3ヴァース目の“I Luv Hip Hop”っていうフレーズは、発音や発声からしてもZEEBRAさんに寄せていて

——数多いるラッパーの中で、なぜZEEBRAさんを、昴くんが声を当ててる一郎のロールモデルにしたんですか?

やっぱり、一郎にはBuster Bros!!!三兄弟だけではなく、ヒプマイにおけるZEEBRAさん的な役割になって欲しかったんですよね

——それはカリスマ性やリーダー感という部分で?

そこです! パイオニア感というかZEEBRAさんは日本語ラップを進化させてきた存在だし、同時にシーン全体のスポークスマン的な立場としても、日本語ラップを牽引してきたと思う。キャリアを振り返れば、キングギドラから始まって、ソロ、そしてクルーだったアーバリアン・ジムだったり、様々な形で牽引して、いまもその動きは続いてる。その存在感を一郎にも吸収させたかったんですよね。

だからこそ『俺が一郎』はZEEBRAさんの持ってるヴァイブスだったりを吸収しながら、同時に一郎としてのオリジナリティを探しながら書いた記憶があります。そしてZEEBRAさんには色んな作品があるんだけど、その中でも『The New Beginning』の時のエナジーが、いちばん一郎にはフィットするんじゃないかなって

——既にシーンを代表する存在だったZEEBRAさんが、シーンの内外に向けてその存在感を改めて高めた作品でしたね。

それから、仲間を大事にする感じが、兄弟を大事にする一郎とも重なったんですよ。このアルバムは、1曲目『The New Beginning (Intro)』でいろんなアーティストやクルーの名前を挙げて“Wake Up, Homie!”って呼びかけるところから始まるんですよね。“Homie”は“仲間”みたいな俗語なんですけど、その言葉を知ったのはInsane Clown Posseの『Homies』がキッカケだったんですよ

——猟奇的なリリックも特徴的な、USのホラーコアユニットですね。

家電量販店で母ちゃんと買い物してたとき、その曲のMVがテレビで流れてたんですよ

——バーベキューグリルを開けたら人間の頭が焼かれてるってMVですよ(笑)! 曲自体の歌詞は感動的ですが。

カラフルなMVだったから、“このテレビは画面映りがいいぜ!”っていう意味だったのかな (笑)。そこで“Homie”って言葉を知って、『The New Beginning(Intro)』で更に深くその意味を理解するっていう。この曲はイントロなんだけど、内容が超濃いんですよね。色んなヒップホップ・アーティストの名前を挙げる部分からもう激アツ。そして“今日も投げるこのタフな9イニング”っていう歌詞は、僕じゃ思いつかないなって

——ラップでバスケ例えは多いですが、野球例えは日本っぽい感じですよね。

しかもホームランバッターとかじゃなくて、守備側なんですよね。それもZEEBRAさんの視野の広さを感じて。そしてこのアルバムは全部が新しいぜ、ってイメージを言葉にしてから“また何かが起こりそう? Trust Me!”、つまり“俺を信じろ!”って言ってアルバムが始まるなんて……格好良すぎません!?
そしてなんと言っても次にくる『Street Dreams』なんですが既に文字数が!!
なので次回は『ストドリ』からお話しします!

最後までお読みいただきありがとうございました!
次回もお楽しみに!

撮影◎門嶋淳矢
取材・文◎高木“JET”晋一郎

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