【macaso伝授シリーズ】為替のプロが選ぶ今が旬の注目マカソムリエ!(2020年6月3週号)-山中康司氏-
こんにちは、macaso FX研究所 編集部です。
ここ最近、macasoをご利用のお客様から、「どのマカソムリエを選んでいいのか分からない」というお声をいただいております。
そこで、【macaso伝授シリーズ】と題して、為替のプロである山中康司先生が、「どのような考えでマカソムリエを選ぶのか」、「今が旬のマカソムリエはどれか」などを伝授いたします。
毎月、山中先生には第1・3週、齊藤先生には第2・4週をご担当いただき、レポートの公開を予定しておりますので、ぜひお楽しみください。
[山中 康司 先生]
1982年バンク・オブ・アメリカ入行。為替トレーディングに従事。1989年バイスプレジデント、1993年プロプライエタリー・マネージャーを経て、1997年日興証券に移籍。1999年日興シティ信託銀行外為推進課長、為替資金部次長として為替トレーディングとマーケティングを統括。2002年金融関連のコンサルティング会社アセンダント設立・取締役。独自のサイクル分析やテクニカル分析に基づくシステムトレードなどに関連するレポートの配信、セミナー、国内外の専門誌への寄稿等で活躍中。著書に『テクニカル指標の読み方・使い方』などがある。
為替のプロ 山中康司先生による解説
こんにちは、山中です。
隔週でマカソムリエのピックアップを行っていきますので、よろしくお願い致します。
マカソムリエのピックアップ方法
ピックアップの方法は、4月セミナーでも紹介しましたが、以下の3つのポイントに注目して選びます。
(1) 損益曲線(3か月)が右肩上がりであること
(2) 損益曲線(3か月)の右半分と左半分に大きな形状の違いが無いこと
(3) 証拠金10%損失時の破産確率(6か月)が5%未満であること
簡単に説明を加えておくと、(1)と(2)は難しい説明は不要だと思います。
macasoの運用成績を示すグラフが順調なパフォーマンスであれば右肩上がりとなりますし、ひとつの取引で大きな損益を出すのではなく、コンスタントな損益の積み重ねであれば右半分(直近)と左半分(過去)でグラフの形状に目立った違いは出てきません。
ここでは比較的最近の傾向を見るため、3か月の損益曲線(ランキング一覧と同じ)を観察します。
破産確率とは、そのストラテジーが長期的な運用に耐えうるかどうかをチェックする指標のひとつです。
破産確率について (by macaso FX研究所 編集部)
1992年にNauzer J. Balsara(ナウザー・バルサラ)が出版した著書「Money Management Strategies for Futures Traders」で解説した理論。
①勝率②平均利益損失比③取引に使った資金の割合(リスク許容度)の3つの指標を用いて、将来トレードができなくなる確率を0〜1の範囲で推定できると唱えた。
確率が0に近づくほど破産の可能性が低いことを示し、確率が1に近づくほど破産の可能性が高いことを示す。
ストラテジーの勝率と平均利益損失比(=平均利益÷平均損失)と1取引における想定最大損失額の3つのパラメータから求めることができます。
通常、ひとつの取引における最大損失額は証拠金の2~3%で考えますが、ここでは余裕を見て最大損失額を証拠金の10%として計算しています。
求められた破産確率が5%未満であれば合格です。ここでは安定性を見るため、損益曲線よりも長めに6か月の各数値を使って計算します。
<参考>「山中先生の4月開催オンラインセミナー内容はこちら」
6月第1週ピックアップのレビュー
前回は、「chunyffs333」、「Evgendoga2」、「Calipsofx」の3つのマカソムリエをピックアップしましたので、マカソムリエ名の横に前回ピックアップ日から執筆時点までの損益(6月3日~6月17日)の変化を併せて記してあります。
数字は、マカソムリエ一覧の損益曲線から「実現損益+最大評価損」の数字の期間における差を示しています。
①chunyffs333:+318.9pips
②Evgendoga2:+257.1pips
③Calipsofx:+506.4pips
上記①+②+③の損益合計:+1,082.4pips
どのマカソムリエも該当期間で利益を出していますが、Calipsofxのパフォーマンスは上下の振れが激しく、いくら利益が大きくても山でスタートすると次の山まで果たしてどのような道中を辿るのか、かなり不安を感じさせる損益曲線となっています。
この2週間は最近にしては動きが大きかったことによるものですが、パフォーマンスがいくら良くても当レポートのコンセプトからは外れていますので、当分ピックアップに登場することは無さそうです。
6月第3週のピックアップ
ピックアップ方法の条件にあてはまるかどうかを、6月17日時点のマカソムリエランキング一覧から上位12マカソムリエについてチェックした結果が以下の表になります。
右2列は条件にあてはまるストラテジに〇をつけました。△は不安が残る形状であることを示します。
*PR(ペイオフレシオ)=平均利益損失比
今回も3マカソムリエをピックアップしましたが、総合ランキングが10位以下のマカソムリエに破産確率で特徴的なマカソムリエが2つ続いていましたので、12位まで計算を行いました。前回ピックアップした3つのマカソムリエのうち、CalipsofxからSignal Guideへ入れ替え、chunyffs333とEvgendoga2の2つのマカソムリエは引き続き運用を続けることとします。
[6月第3週 山中先生おススメのピックアップマカソムリエ]
市場の動きと損益曲線
6月第1週にピックアップしたマカソムリエで取り上げた「Calipsofx」ですが、前回の損益曲線では安定的な右肩上がり、左右対称のグラフとなっていましたが、この2週間で利益は大きく増やしたものの、一瞬目を疑う損益曲線となっていました。
前回と今回を比べると実現損益はプラスですが、少なくとも昨日(6月16日)まではどの時点でもマイナスですし、6月10日時点の含み損は耐え難いものがあります。ここでは実現損益だけではなく、最大評価損も含めているため保守的なグラフとなっていますが、逆にそのことがマカソムリエの見えないリスクをよく示しているとも言えるでしょう。
この2週間はドル円ひとつとっても大きく円安に動いた後に円高に戻るという2週間での行って来い相場となりましたが、もし円高に戻らず円安のままだったらこうしたマカソムリエは大きな損失を出すリスクがあります。チェックした日がプラスで良かったという話では無いと個人的には思います。
今後もマーケットの話やマカソムリエの癖など、皆さんの運用にちょっと役立つ話をしていこうと思います。
次回のピックアップは7月第1週となります。
ぜひご期待ください!
アセンダント
山中 康司
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