『魂の系統』の詩歌
零の物語
あるところに男がおった。
男は、どこから来たかも知らず、どこへ行くかも知らなかった。
男が公園を歩いていると、自分を呼ぶ声に気づいた。
「もうし、おにいさん、お待ちなさい。」
男は、呼ばれたほうに顔を向けると、大きなひきがえるが一匹こちらを向いていた。
男が、
「なにごとですか。ひきがえるさん。」
と、ひきがえるに尋ねると、
「明日の昼は、ここにいてほしいのだがな。」
男は、
「お安い御用ですよ。」
と引き受け、翌朝ふたたび同じ公園にやってきた。
昼近くなり、日が高く昇ってきた。
男が空をみあげると、地面が不気味に揺れだした。
そして、ふと東の空をみると、空を切り裂く一筋の光があった。
そして、三次元地球が爆発する。
地球のあった空間には、何もなかった。
そして物語は続く。
零の物語 完
スタートの物語
あるところに女がおった。
女の名は、キョウコ。
キョウコは、地球のなくなった三次元空間をみつめておった。
「これから、始まりね。」
そして、新しい物語が始まる。
スタートの物語 完
数字の物語
あるところに男がおった。
男は、毎日舟にのって魚釣りをしておった。
あるとき男がいつものように舟にのろうとすると、自分を呼ぶ声に気づいた。
「もうし、おにいさん、お待ちなさい。」
男は、呼ばれたほうに顔を向けると、大きなひきがえるが一匹こちらを向いていた。
男が、
「なにごとですか。ひきがえるさん。」
と、ひきがえるに尋ねると、
「釣った魚の数をおぼえておくのはたいへんじゃろう。」
男は、
「はい、その通りです。なんとかならないですか。」
と、答えると、
「木の枝を一本折りなさい。」
男が、近くの木の枝を一本折ると、
「もう少し細い枝を何本か折りなさい。」
男が、近くの木の枝を何本か折ると、
「細い枝をよく見なさい。かたちが違うだろう。」
男がうなずくと、
「今日魚のとれた数のときは、太い枝に細い枝の一つに似たしるしをつけなさい。次の日魚のとれた数のときは、太い枝に別の細い枝の一つに似たしるしをつけなさい。こうして毎日のとれた数を残しなさい。」
男は、こうして釣りの記録を残すようになった。
そのうち、男は天気や季節ごとに魚の釣れる数がわかるようになった。
数字の物語 完
意識体の表記
意識体の表記とは、離反の計量の異名である。
意識体の表記とは、交流の機能の異名である。
意識体の表記とは、段階の計量の異名である。
意識体の表記とは、和声の機能の異名である。
意識体の表記とは、暦の計量の異名である。
意識体の表記とは、旋律の機能の異名である。
意識体の表記とは、統合の計量の異名である。
意識体の表記 完
数
数とは、計量の表現の異名である。
数とは、機能の表現の異名である。
数とは、認識の表現の異名である。
数とは、段階の表現の異名である。
数とは、奉納の表現の異名である。
数とは、拒否の表現の異名である。
数とは、観念の量子の異名である。
数 完
〆
この文章は、『魂の系統』で登場する数について考察したものである。
『魂の系統』の理解の一助のために記す。
三次元地球の余韻のときに記す。
〆 完