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『魂の系統』の透明

火縄銃の物語


あるところに女がおった。

女の名は、若狭。


若狭は、小さな島のはずれの祠を守る巫女をしておった。


あるとき、若狭のいる島に見知らぬ船が流れついた。

船には三人の男が乗っていた。


男の応対は、若狭が行うことになった。

男の名は、アントニオとフランシスコと別のアントニオ。


アントニオは、若狭にこういった。

「あなたのまもる祠はなんという神がまつられているのですか。」

若狭は、

「ヤハウェとおっしゃられます。はるか昔からここに祀られているのです。」

と答えた。

「なんですって!私の神と同じだ!」

とアントニオは叫んだ。

アントニオが、

「この場所は何というのですか。」

と聞くと、若狭は、

「野間の宮と呼ばれます。」

と答えた。


アントニオは、若狭に恋をした。

若狭は、アントニオを受け入れた。


そして、アントニオは若狭にこういった。

「私の国に一緒にきてほしい。」

若狭は、

「私の父の許しがあれば。」

と答えた。


そこでアントニオは、若狭の父へこういった。

「若狭を私の国へいっしょに連れて行くのを許していただきたい。」


若狭の父は考えた。

「アントニオの持つ火縄銃をつくりたい。」

そこで若狭の父はアントニオに、

「火縄銃の作り方をすべて私に教えれば、許す。」

と答えた。


そこでアントニオは、若狭の父へ火縄銃の作り方を伝えた。

そして若狭とともに自分の国へ帰っていった。


こうして、火縄銃は種子島に伝わった。


火縄銃の物語 完

 

操り人形


操り人形とは、受容の人間の異名である。

操り人形とは、束縛の人間の異名である。

操り人形とは、放置の人間の異名である。

操り人形とは、期待の人間の異名である。

操り人形とは、奉仕の人間の異名である。

操り人形とは、無関心の人間の異名である。

操り人形とは、透明の人間の異名である。


操り人形 完


替玉


替玉とは、励起の人間の異名である。

替玉とは、勇気の人間の異名である。

替玉とは、管理の人間の異名である。

替玉とは、期待の人間の異名である。

替玉とは、奉仕の人間の異名である。

替玉とは、好奇心の人間の異名である。

替玉とは、静謐の人間の異名である。


替玉 完


背乗


背乗とは、励起の人間の異名である。

背乗とは、横暴の人間の異名である。

背乗とは、自立の人間の異名である。

背乗とは、冒涜の人間の異名である。

背乗とは、取引の人間の異名である。

背乗とは、好奇心の人間の異名である。

背乗とは、静謐の人間の異名である。


背乗 完


 

この文章は、『魂の系統』で登場する操り人形、替玉および背乗について考察したものである。

『魂の系統』の理解の一助のために記す。

 

三次元地球の余韻のときに記す。

 

〆 完

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