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詠 大弐三位 いなむらを たかくさえずる 雲雀かな 詠 光孝天皇 とおくとどろく かみなりの音 詠 喜撰法師 あしもとに いちりんの花 見つけたり 詠 小野小町 こころはそぞろ歩きなるかな
詠 在原業平 いつかきた 春のおがわの 飛び石や 詠 佐藤義清 目をつぶりても こころに映る 詠 持統天皇 ひとおもい 夏のふちへの 飛び込みは 詠 猿丸大夫 目をつぶりても 耳をふるわす
詠 藤原敏行 はるかなる ときを告げよる たいこの音 詠 猿丸大夫 ありやなしやと 耳をすませる 詠 源宗于 はるかぜの 強くふきよる すきま風 詠 天智天皇 ありがたきかな ガラスのまど
詠 小野小町 寒空や 雪のふる日の かきものは 詠 祐子内親王家紀伊 暖をとりつつ ふでがすすまず 詠 大伴家持 秋風の おわる夜更けの かきものは 詠 在原業平 筆をとりつつ こころがゆれる
詠 阿倍仲麻呂 恋ごころ 窓のそとには 春のはな 詠 在原行平 ほほをいろめく おのこがひとり 詠 小野小町 おなごかと 見まごうばかりに 髪のばし 詠 崇徳天皇 香りただよう からたちの花
詠 細川ガラシャ やはんから 姿かたちは 見えずとも 詠 藤原顕輔 やれいさましき こおろぎの歌 詠 順徳天皇 ほととぎす 鳴きつるかたに きをやれば 詠 阿倍仲麻呂 みなもに映る はもんが一つ
詠 九条良経 はるかなる 雁のゆくえを 見送れば 詠 藤原顕輔 汽車のひびきが ちかく震える 詠 阿倍仲麻呂 仄かなる あぶらの匂い 感じれば 詠 行尊 とろの湯引きが 舌をふるわす
詠 藤原敏行 湯をわかし 飯にとろのせ 湯をかける 詠 藤原基俊 さらさらながれ こころあらわる 詠 小野小町 みよしのの 光かがやく 小川かな 詠 喜撰法師 冷たさゆえに こころ整う
詠 伊勢 蒸しぶろで 百をかぞえて 水ぶろへ 詠 藤原忠通 むかうこころの はやる気持ちよ 詠 喜撰法師 つまの元 便りよこさず あいにゆく 詠 大伴家持 あすは何処の とのがくるらん
詠 藤原兼輔 はらをかき まつの帳の 床におり 詠 小野小町 団子ひとつで 持ちやいなやと 詠 順徳天皇 夕闇が せまる街道 ひたはしる 詠 阿倍仲麻呂 あすの朝まで 百里にはこび
詠 清原深養父 友がよぶ くらしの助け かなえたり 詠 天智天皇 みなとを塞ぐ がれきに挑む 詠 猿丸大夫 あの日から 十年たちて かえりみる 詠 在原業平 いまを生きるが ぜんしんの道
詠 阿倍仲麻呂 はりさける 心のうちを わかちあい 詠 九条良経 みなと歩いて はるの風うけ 詠 俊恵法師 釣竿をかかえ つりばへむかう道 詠 大伴家持 夕のおかずに あじを企む
詠 細川ガラシャ スーパーの 触れちらかしを ながむれば 詠 大伴家持 明日はいずこへ のぞきみるかな 詠 猿丸大夫 春かぜに さそわれ そぞろ歩きたり 詠 喜撰法師 はとの声音が こころしずめる
詠 伊勢 なつの朝 のぼる日差しが 暑かはし 詠 在原業平 こおりをけずり さらにもるなり 詠 藤原基俊 かなげたを 滑らせはしり おいかける 詠 行尊 高くもちあげ 拍手喝采