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アスナを思い出した体の痛み マカピーな日々#0745

マカピーです。
ゴールデンウィークの初日となる4月29日、マカピーのすむ地方でも午後になると本降りとなり更に気温が寒くなりました。

昨日義母の外来通院に同行して半年ぶりに担当医に会うと「おや、お久しぶりです。お元気でしたか?」と、自分の担当医でもないのに懐かしい場所に感じられました。

ところがこの日の診察まえの処置(咽頭部の除菌のための薬液ガス吸引)の後に義母が体調不良を訴えると、同じようにマカピー妻も下肢の痛みを訴えるようになりました。

母娘というのは面白いもので、病気や痛みの箇所そして発生時期も似ているように感じることがあります。

今回も先日から義母が背中の痛みや脚の痛みを訴えると、同じようにマカピー妻も脚が痛いというので、マカピーは朝の散歩前にマカピー妻の脚全体をマッサージをするのでした。

マカピー妻:「ほら、ティハールのころネパールへ行ったときに足がしびれるように痛くなり回がが長引いた事があったじゃない。あの感じによく似ているのよね」

http://www.fidr.or.jp/blog/staff/2020/11/20201127.html

それは、カンボジアに滞在していた頃に休暇を利用して久々にカトマンズを訪ねた際の事でした。

マカピー妻の場合、季節の変わり目で底冷えするような天気が続くと、下肢が痛くなる傾向があるのですが、運悪く旅先のカトマンズのゲストハウスで症状がひどくなり階段の上り下りも辛くなり、温めるマッサージをしても、あまり改善しませんでした。

マカピーと言えば、長年の友達のネパール人(シャキャ族)のラジさん宅へ遊びに行くとちょうど飼い犬のジャーマンシェパードを洗っているところでした。

ティハールのお祭りでは犬を祝福するククール・プジャの日があるのでその準備で身を清めていたのです。

マカピーは犬が大好きだったで、タオルで身体を拭かれていた犬の前に「おー、ヨシヨシ」と両手を出すと、ウーッと低く唸った犬があっという間にマカピーの両手を嚙んだのでした。

え、 マカピーって噛まれちゃったの?

マカピー自身、一瞬のことに何が起こったのか理解できない程でしたが、次第に両手の親指の付け根辺りから血が流れ始めたので、シマッタと思いました。

これでティハールのお祝いの雰囲気が吹っ飛んでしまうなあ。

ごめんなさーい。

ラジさんが「マカピーさん、大丈夫ですか?」ときくのですが右親指と人差し指の間の水かき?部分は穴が開いてます。
「でも、この犬狂犬病のワクチン接種していますよね?」と尋ねると「毎年しています」「じゃあ大丈夫でしょう」


すると、後ろからマカピー妻が「本当にアンタはバカなんだから。この犬は人に慣れていないって知ってるのに両手を出すってどうよ!犬だって驚いて噛むわさ!」

とりあえず止血ということになって、奥さんのルパに「消毒薬ある?」って尋ねると「・・・どれがいいかわからない」というのです。

するとマカピー妻はお祭りで帰省していたアスナ(次女)にこう言ったのです「アスナ、あなたは医者の卵よね。バングラの医科大で習っててるんでしょう?ハイ救急医療だよ。どうするの?」急に指名されたアスナはしどろもどろ。

マカピー妻:「・・・じゃあロキシを持ってきて。とりあえず傷口を洗ってから殺菌しましょう」
ロキシというのはネパールの蒸留酒(コメ焼酎)でアルコール分が40%ほどあります。多くの家ではドブロクを造ると、素焼きのコシキを使って自家製のロキシを作るのでした。

とくにラジさんの家のロキシはまろやかで美味しいのでした。

マカピーは洗面所で傷口を洗った後で戻ってくると、マカピー妻から乱暴にロキシを振りかけられたのでした。

アツツツ!

止血のために腕をあげたままにしていましたが、やっぱり傷口を診てもらった方が良いということになり、ラジさんの運転するオートバイの後ろにまたがり近くの病院へ行き狂犬病のワクチンを打ってもらいました。

傷口は、特に問題ないだろうというので縫合もしませんでした。

咬まれた後での狂犬病ワクチンは2-3回する必要があります。特にそれまで定期的な予防接種をしていない場合は集中的に行うのです。

マカピーの場あり3年ごとくらいにワクチン接種しているので、この病院まで戻ってくるのが面倒だったので、ゲストハウス近くで「ワクチン接種が出来る」という薬局を見つけ、薬局のおじさんに打ってもらいそのラベルをもらってきました。

少しワイルドだったせいか、後日事務所の看護師に叱られました。
「マカピーさん、ちゃんとした医療機関で注射してください!」「だって、ちゃんとしたワクチンだから誰が打っても同じでしょう?」「どこに道端でワクチン打つ人がいるんですか?」「だから、カトマンズってそんなところですよ!」

確かに、一般の方にはお勧めはしない処方ではありました。

カトマンズ最後の日、マカピーは手に怪我をし両手に包帯を巻き、マカピー妻はヨイショ、ヨイショと辛そうに歩きながら空港に向かったのですが乗合いの小型バスに乗り込むと他の外国人観光客がヒソヒソ話をするのが聞こえました。

「あの人たちは先日あったアンナプルナ・サーキット(アンナプルナ外周トレッキングコース)の事故の生き残りよ!」

(ちょうど1週間ほど前に、ネパール中部ヒマラヤ地方で気候の急変で多くの観光客が突然の降雪や低温で死傷者を出した事故と関連付けたようです)

いや、そうじゃないんだけど・・・

しかし、いちいち「犬に噛まれた」「冷えて脚が痛くなった」と説明するのが面倒なのでそのまま出国手続きもして周囲からいたわれるようにして無事にプノンペンへ戻ることが出来ました。

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。その後アスナはバングラの医科大を卒業して帰国した際、カトマンズ空港で飛行機が着陸失敗の事故に巻き込まれて同級生たちと一緒に亡くなってしまいました。





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