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アフガン・カーペットの模様 マカピーな日々#0189

マカピーです。

築40年の家を改装してフローリングにした居間のカーペットはアフガン・カーペットです。

マカピーはアフガニスタンに行ったことがありませんが、その隣のウズベキスタンに5年暮らしたことがあります。

更にそこの隣国にトルクメニスタンという秘境のような国の小ぶりのカーペットもあります。なんとこの国の国旗はカーペットの模様を使っているんです!

実はマカピーは特にカーペットが趣味というのではありません。精巧な模様のペルシャ絨毯が高価で売られているのを知っている程度でした。

ところがある日、ネパール滞在中にマカピーが心を奪われたのはアフガン・カーペットでした。それはカトマンズの王宮前にあるタイ料理店のとなりにあった小さなお土産物屋だったのです。

毎週のように訪れたそのタイ料理店への行き帰りにその土産物屋に立ち寄りましたが、既に見慣れたものばかりで触手が動くことはありませんでした。

ところがある日のこと、店の主人が見せてくれたのは大小二つのカーペットでした。

ネパールの冬が寒く、冷たい床の敷物が必要で、マカピーの家にはすでに地元のチベッタン難民のカーペットを買い入れて使用していました。

ところがその二つのカーペットは、多くの土産物屋で見かけるカーペットとは全く違うものでした。

まず驚いたのはその「薄さ」でチベッタン・カーペットは異なります。

それに毛足が短いのですが黒、赤と朱それに白のパターンがとてもきれいで、目を奪われたのでした。

店の主人が言いました。

「これはアフガン・カーペットです。縦糸に絹をつかっていて毛足が短いです。ご存じのとおりアフガンでは紛争が続いていて、こうしたカーペットを作っていた村が無くなってしまい生産が止まってしまいました。おそらく今後このようなカーペットは手に入らないでしょう」

「もちろん手織りですから、パターンに多少の間違いがあります。染色は化石で見つかったコーラル(サンゴ)を使っています(本当かな?)」

でも、値段は大きなものが1400ドル、小さいほうでも800ドルもするのでした。

マカピー妻にも「いいカーペットだよね」と紹介しましたが、値段を伝えたとたん「No!」と却下されました。

マカピーはその後もタイ料理屋さんへ行くたびに、その土産物屋に立ち寄って同じアフガンカーペットを広げさせては店の主人と時にお茶を貰いながら話をするのが習慣となったのでした。

ところが、ある日行くと小さいほうのカーペットがありません。マカピーは店の主人に尋ねました。

「ああ、あの小さな方は昨日英国人が買って行きました」

そうか、残っているのは大きいのしかないんだ。

そろそろアフガン・カーペットに出会って一年経ったクリスマスの日の事です。マカピーと奥さんはタイ料理屋さんを訪れました。

そして帰りがけに、いつもの土産物屋に立ち寄ると店の主人がマカピー妻にこう言ったのです。

「奥様もう十分でしょう。旦那さんは一年このカーペットを見てきました。クリスマスプレゼントとしてカーペットをお持ちください」

奥さんは「ええ!?だって今そんなお金は持っていませんよ」

「お代はお隣のレストランに来られたときにお支払いください。特別に1200ドルにさせていただきます」

「ありがとうございます。それではいただきます」

店の主人は自らカーペットを巻いて階下に駐車してあるマカピーの車に運んでくれたのでした。

その後、このカーペットはその後もカンボジア、ウズベキスタン、ザンビア、ベトナムなどを家族と共に旅して、今こうして日本の家にあるのでした。

今でもカーペットのパターンを確認して当時の事を思い出すのでした。

マカピーでした。

最後までお読みいただき感謝します。やはり一度訪ねてみたい憧れの国、アフガニスタン。



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