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マカピーな日々  #0030

マカピーです。

突然ですが、しばらく口にしていない羊肉が食べたくなりました。日本のスーパーの精肉コーナーでは鶏肉、豚肉、牛肉がほとんどで、ラム(羊肉)やカモ肉はあまりありませんね。そして欧州に多いウサギ肉もありませんね。やはり欧州は肉食文化なのでしょうね。

マカピーがドイツの友人のところを訪ねた時の事です。レストランで夕食を注文するのですが、遅い昼食の後だったので魚料理を頼みましたが、友人はしきりと名物の大きな豚のモモ肉料理を勧めていたのです。タイ人の彼の奥さんはビールだけマカピーの妻も軽いものを注文したのでドイツ人の友人はちょっとがっかりしつつ、自らは看板メニューの塊肉の料理をワシワシとあっという間に平らげてしまいました。

マカピーはバター味の強い魚料理に飽きてしまい、隣のテーブルを見ると老夫婦がいて、彼らも同じ豚もも肉料理を注文したのでした。やがて現れたブツと彼らを見比べて「ちょっと無理だろうな」とおもったら、二人ともぺろりと食べてデザートとコーヒーを注文するではないですか!やっぱり肉食文化民族の胃は東南アジアと違うと感じたのを思い出しました。

さて、ヨルダン料理に羊肉をあつかった「マンサフ」があります。もともとはベドウィン(放牧民)料理だったともいわれていますが、乾燥ヨーグルトを水で戻し半日ほどした「ジャミード」で柔らかくした羊肉とサフラン飯を更にジャミードをかけて食べます。美味しいですが地元の人でも「臭いからあのジャミードはかけない」という人もいます。マンサフは人数に合わせてですが大きな皿にのせられて出てきますが薄く焼いたピタパンの一種でおおわれて出てくるので、最初は???。もちろんこのパンも食べられるのですが保温と保湿を兼ねたとてもお洒落な演出ですね。

マンサフの鶏肉版はいったん料理した鶏肉をピラフ飯と大きなツボに入れてよく蒸した後に大皿に掻き出す「ギドラ」というのがあります。どこか大怪獣をイメージする名前ですがもともとはパレスチナのナブルーズ地方が起源とする人もいます。マンサフと同じで料理に時間がかかるので注文しておく必要があります。いよいよシェフが抱えたツボをひっくり返してドバっとギドラが現れる瞬間はなかなか見ものです。マンサフにかけるジャミードはありませんが美味しいです。

臭いの元であるジャミードはヨーグルトを三角錐状に固めて乾燥したもので強烈なにおいを放ちます。地元スーパーでも売ってますがさすがにしっかりと臭いの出ないプラスチック包装されています。その名産地がカラク城で有名な古都カラクで地元民(カラキー)たちは世界で一番うまいマンサフはカラクにあると言っています。毎週金曜日お祈りが終わった後にマンサフを食べる家族もあるくらい常食なんですね。

日本人でこのジャミードにはまってしまった人がいて、アラブ料理レストランを経営しているわけでもないのに大量に買い占めて帰国したそうです。それでジャミード専用の冷蔵庫を買い求め、そこで大事に保存しながらマンサフを作って食べているそうです。

その話を聞いた時に「いやー、そこまでして食べたいですかね?」などとそれを披露した友達と笑っていたものです。ところが後日、マカピーはあの話を考え直すことが有りました。もしかするとジャミードの彼は夢中になれる料理に出会えた、世界でも幸せな人なんだなあと思うのでした。

さて、マカピーの大好きな料理は何だったかなあ?

まかぴーでした。次回をお楽しみに。



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