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秒速30センチメートルの飛翔 マカピーな日々#0722

マカピーです。

早朝散歩の途中の公園で満開の桜(ソメイヨシノ)の木の下でマカピー妻がストレッチ体操していると、ちらちらと頭上から花弁が舞い落ちてきました。

それはそれは朝の静かな景色でした。

その舞い落ちる桜の花びらの速度を歌手のさだまさしさんは、そのトークの中で「秒速30センチメートル」と表現していたのをフッと思い出しました。

そしてさだまさしさんが同じくらいの速度として、もう一つ紹介していたのが、ホタルの飛翔速度だったのです。

マカピーがそれを覚えていたのは、マカピーが子供のころ見た群馬の家の近く川沿いのホタルの様子と、それとは全く違うホタルを見たからでした。

ご存知の通り、水田に農薬が散布されるようになると日本各地からホタルが消えて行きました。

国鳥であるトキが激減したのも同じ理由からでした。

ホタルの幼虫のエサとなるカワニナの保護などが進み、それでも山間部や清水が流れ出るような清流ではホタルが見られるのは楽しいものです。

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夏になると、父に教わりタカボウキ(竹箒)で暗闇を飛翔するホタルをからめ捕るとそれを家に持ち帰り、寝床に張った蚊帳(かや)の中に放ち不思議な光を見ていました。

当時幼かったマカピーに「蛍雪の功」と言うのを祖父が教えてくれました。

昔は夜になると電灯もランプもなくて、夏はホタルを捕って来てその明かりで、冬は雪明りで勉強したという苦労話なのですが、マカピーは「どうしてこのホタルの明かりで文字が読めるのだろう?」と蚊帳の中で教科書の文字を読もうと必死になったのですがどうしても読めずに、不思議でなりませんでした。

大人になって、ことわざである『蛍雪』とは『少年老い易く学成り難し』と並んで「君たち、若いうちに一生懸命勉強しなさいよ」という警句だと知ったのですが、今でもホタルを見ると当時の事が思い出されます。

ホタルは世界中で見ることが出来て、ネパールでもマレーシアのボルネオ島側のサバ州でも見た記憶があります。

南ア、、、さてターバンの街中では見た記憶がありません。

マカピーが学生の頃、一年学校を休んで参加した米国アイオワ州での酪農実習では、夏の間うだるような暑さの中で幻想的なホタルを見ました。

正しくはホタルの大集団を見たのです。

マカピーはホストマザーであるノーマジーンが作る料理がとても美味しくて不満はなかったのですが、高校を出たばかりの息子のロブにとっては街に出かける機会がなかったので、車を飛ばして田舎町にあるマクドナルドやピザハットに出かけるのを楽しみにしていたんです。

ロブ:「マカピー、お前さんがおふくろの料理が旨いって言うから町に行くチャンスがないじゃないか!オレにたまには町のレストランに行くチャンスをくれ!」

ということで、その晩はキャットフィッシュ(なまず)料理を食べに行った帰り道でした。

車のナンバープレートに「Tall Corn State(でっかいトウモロコシの州)」なんていうキャッチフレーズを付けるくらい田舎の州ですから、農道に街灯なんてありません。

行き交う車もほとんどない暗い道をクリーク(川)沿いに行くと前方のトウモロコシの畑の上に「明るい雲」が浮かんでいるのでした。

ロブ:「マカピー、Fire fly(ホタル)って日本にもいるのか?」

マカピー:「ああ、もちろんいるよ。子供のころ捕った思い出がある」

ロブ:「捕ってどうするんだ?」

マカピー:「ホタルが光るのを見て喜んだんだ」

ロブ:「それが面白いのか?」

ロブは畑のそばに車を停車してヘッドライトを落とした時、先ほどの光の雲の正体がものすごい数のホタルが集団で乱舞していることが分かってマカピーは言葉を失いました。

ロブ:「沢山いるだろう。捕って帰るか?」

マカピー:「いや、でも本当にスゲー景色だ!」

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マカピーはあの光景を思い出して、今こう思うのでした。

確かにあれだけの数が集まれば文字が読めたかもしれないって。

ただし、日本のホタルと種類が違い発光する間隔がとても短かったのを覚えています。

マカピーでした。

最後までお読みいただき感謝します。花びらとホタルの飛翔速度


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