半藤一利さんが残したバトン マカピーな日々#0288
マカピーです。
先週、半藤一利氏が亡くなった記事を知り、はてどんな人だったのかと思ったらうろ覚えの「日本のいちばん長い日」の著者であることが分かりました。
更にWikipediaで知ったのですがこの作品が最初は大宅壮一著だったのは彼の名を借りていたことを知ってびっくり。
「日本のいちばん長い日」は映画化もされた作品でおぼろげながら覚えていた程度です。半藤さんは晩年まで精力的に活動を続けていて、絵本もあるんですね。
半藤さんたちマカピーの両親の世代が消えつつあります。
昨年末には絵本で有名だった安野光雅さんも亡くなられていて半藤さんと同じ時期にその死を知りました。
彼らは戦中派といわれる戦争原体験者で、多くの戦争に関する事を語っています。
でも今振り返ってみると、マカピーたちの世代は戦後教育を受けて「耳タコ」状態になってしまっていたと思うのです。
「戦争は悪い事? ハイハイそんなことは分かってるよ!」
まるで試験に出る「常識問題」に回答するように反射的に答えるだけでした。
「ちびまる子ちゃん」のオープニング曲「おどるポンポコリン」(B-B-QUEENS)の歌詞にある
・・・エジソンは、偉い人、そんなの常識・・・
つまりマカピーたちは試験に出る問題として、物事の善悪さえも決めてしまったように思うんです。
例えば誰かの「偉人伝」を読めば、その人物像に自然に影響され、子ども心には傾倒して心酔したりします。
ところが偉人とはいえ人間だから、奇行も癖もあるけど、伝記にはそこはあまり書かない事が多い。
本当はかなりひどい人だったけど偉業を成し遂げたから「偉人」の仲間入りしている人だっているかも知れない。
半藤さんが世の中に語り続けた「太平洋戦争」も、そうした誰かの判断でむりやり評価されてしまった世界観への挑戦であったかと思います。
だって負けたら「戦争の意味」がそれまでの通念と180度評価が変わってしまったのです。
「聖戦」と信じていたものが「侵略戦争」となり、戦争に従軍した人たちも犯罪者的扱いを受けたりしました。
マカピーの祖父もその一人で生きて帰って来ても一生肩身の狭い思いをしたのです。
半藤さんは絵本の中でも
世の中に絶対なんてない!と叫んでいます。
誰も神国日本が絶対勝つと思ったし、神風が吹くと信じていたのです。
ウズベキスタンのインターナショナルスクールで歴史の先生に影響を受けた三男がマカピーに教えてくれました。
「この世の中すべての情報は誰かによって操作されている事を忘れないように!」
彼は先生が最初の授業で言ったことを決して忘れませんでした。そして次に転校したザンビアの学校では高校最後のエッセイには歴史で「太平洋戦争」の再評価を試みました。
それを担当したのは米国籍の校長でした。彼は卒業式でマカピーの肩を叩き息子の卒業を祝いながら
「君の息子には参ったよ。だってアフリカに来て、日本人生徒の太平洋戦争の検証をするエッセイの評価するとは思わなかったからね。全く僕にとってもいい経験となったよ」
この息子は更に大学以降も歴史専攻で本当に好きなんです。
話が飛躍するようですが、古事記や日本書紀も誰かが都合の良いように記録したものかもしれません。
半藤さんが言うように世の中に絶対というのはないのです。
いろいろな角度からのアプローチによって物事の見方は大きく変わるものだから、マカピーも自分の都合の良い事実ばかりに目を向けて、知らぬうちに狂信的にならないように気をつけたいです。
マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。明日もマカピー的史観をお届けします。
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