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インド末裔リアンさんの場合 マカピーな日々#0614

マカピーです。

マカピーが活動している研究所の部屋の相向かいには「給湯室」があります。

その給湯室は細長く4人掛けのテーブル、カウンターには電子レンジとコーヒーメーカーそして突き当りに流しが二つあり、壁には24時間お湯の出る湯沸かし装置があります。お昼時ともなると、カップラーメンを食べたり、タッパに入ったお弁当を温める人がいます。

昨日マカピーがルイボス茶のカップにお湯を入れに行くと、小柄なインド系の学生が電子レンジを使っていました。

これまでも廊下で会えば挨拶はしていて、この研究所には研究者と大学院生が活動しているので彼女も院生の一人でした。

マカピー:「ちょっといいですか?貴女は地元の出身ですか?それともインドからの留学生なんですか?」

リアン:「私はリアン、地元クワズルーナタール州内の出身です。ダーバンの近郊にはインド人居住地域があり、私もそこの出身です」

マカピー:「気に障るようでしたら答えなくても構いませんが、リアンさんの宗教を聞いてもいいですか?」

リアン:「いいですよ、私はクリスチャンです」

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これは意外でした、マカピーが期待していた回答はマカピーの秘書のトリシャさんと同じヒンズー教か研究所所長や部長のムスリムだったからです。

驚いたマカピーに彼女がさらに説明してくれました。

リアン:「ここのインド系住民で一番多いのはクリスチャンだと思います」

マカピー:「え、そうなんですか。私はこれまで一人だけ仏教徒にあったことがあります!」

リアン:「私も聞いたことがありますが知りません。おそらく仏教徒の数はごく少数のはずです。私の祖先はインド南部のケララ州出身でカソリックだったから私も自然とクリスチャンになりました。実は出身地域によって異なりますし、移住当時、祖先が南アへ移住してきた船の登録番号で出身等が分かるんです」

マカピー:「ところで、街の中でパキスタン人のお店を見ますが、昔はインド人として移住してきている間に、本国が英国から分離独立したんですよね」

リアン:「そうなんですけど、パキスタン人とインド人は最初から全く違います」

マカピー:「だって、もともとは同じ国民だったんでしょう?」

リアン:「(笑) インド人の多くはサトウキビ農園での働き手として入植しました。旧インドの西域に住んでいたパキスタン人はこちらに移住してきた時には既に商人でした。今でも食品店を開いたりIT関連の雑貨商を開いたりしていてインド人のように農業や鉄道建設にはかかわりませんでした」

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ナルホド、彼女の名前もヒンズー教に倣っていなかったのはそういうわけだったんですね。

リアンさんによれば、通常ヒンズー教徒は子供が生まれると7日目にヒンズー寺院に行き、そこの導師から名前の筆頭にどの文字を付けるべきか伝えられるのだそうです。

家族はそれに従って、ヒンズー系の名前を決める事になるのだそうで面白いなあって思いました。

マカピー:「マカピーは5年間ヒンズー教の国、ネパールにいたのですが新生児には1年も名前を付けませんでした。おそらく以前は衛生状態も悪く乳児死亡率(Infant mortality rate)がひどく高い国だったので赤ちゃんが生き延びられる確率が低かったからって聞いてます」

リアン:「そうなんですか、私の知っているヒンズー教の習慣とは違うようですね」

マカピー:「だから、地元では赤ちゃんをみんなが『バブー』としか呼ばないんです。そして一年を無事生き延びると初めて名前を付けてお祝いするのでした。そうか、こちらのヒンズー教では違うんですね!こんど秘書のトリシャさんにも聞いてみよう!」

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マカピーが少し気になったのはリアンさんの褐色の左腕に刺青(タトゥー)がある事です。こちらも親しくなったらおいおい聞いてみようかしら?

マカピーでした。

最後までお読みいただき感謝します。固定観念が崩れるって面白いなあ




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