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記録でなく記憶に残る マカピーな日々#0695


マカピーです。
記録でなく記憶にのこるとはどういうことでしょうか?

プロ野球のオープン戦で成果が出ていない巨人にふがいなさを感じつつも、「長嶋教」をかたくなに信じ続けているマカピー妻はこう言うのでした。

マカピー妻:「私が気にするから負けちゃうのよ!だから私が気にしない事にするの!」
となんだか、よくわからないことを口にしている今日この頃です。

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マカピー妻が「長嶋教」にかぶれたのは恐らく、父親が熱狂的な巨人ファンであったからでしょう。

マカピー妻の後に生まれた長男には、川上哲治(元巨人監督)の「哲」の文字を入れた名前にしていたくらいですから。

もっともその哲ちゃんは「将来は高校野球で甲子園を目指す」普通の野球少年から、バスケに目覚めて転向してしまうのでしたが。

母親(つまりマカピー義母)はプロ野球なんてどうでもいいと考えていたのですが、なんせ、娘、息子の3人が熱烈巨人ファンだったので影響が大きかったそうです。

彼らは巨人が勝てばスポーツ紙を幾つも買ってきては「おお、この新聞でも巨人が勝っているぞ」と喜び、深夜の「プロ野球ニュース」でその日の喜びを噛みしめながら床に就くという誠に見上げたファンでした。

義母は今でもこういうのでした。

義母:「それが巨人が負けたときは、全員不機嫌でブスーって誰も口も利かなくなるのよ!こっちは早くシーズンが終わって欲しかったわよ!」

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当時マカピー妻の家族は、父親の勤務先の神奈川県川崎市に暮らしていて、川崎球場に近い事から「社宅の窓からの球場で行われているナイター戦の歓声がテレビやラジオの実況放送とシンクロしていた」という、まさしく洗脳にもってこいの状況だったそうです。

幼いころからマカピー妻姉弟は父に連れられて川崎球場の外野席でピクニックをして父親は水筒に焼酎を入れてご機嫌だったそうです。

父の刷り込み教育のなせる業なのか、当時の風潮なのか、女の子でも社宅の広場では幼いころからキャッチボールは普通だったそうです。

少女時代のマカピー妻の愛読誌は、少女漫画誌の「マーガレット」もあるけれど絶対服従の哲ちゃんに彼の小遣いで買わせる「少年マガジン」「少年ジャンプ」「少年チャンピオン」は網羅し野球ストーリーに精通していただけでなく「ベースボールマガジン」で完璧な「長嶋教」に仕立て上げられたのでした。

長じてマカピーが初めて将来の「マカピー妻」とデートした時に彼女が連れて行ってくれたのが、巨人多摩川グラウンド。

マカピー:「ここって?」
マカピー妻:「高校時代はこのグラウンドによく通ったのよ」
マカピー:「学校帰りに?」
マカピー妻:「違うわよ。ここに寄って選手の調子を確認してから学校へ行くのよ。もちろん長嶋様もよ!」
マカピー:「それで間に合うの?」
マカピー妻:「学校の事?大丈夫よ、ちゃんと必要日数を勘定していたから」
マカピー:「え、それって・・・」
こうして群馬の田舎で皆勤賞を目指していたマカピーにはとても信じられない高校生活を送っている都会?育ちを知ったのでした。

更に、彼女が連れて行ってくれたのが田園調布にある「長嶋邸」でした。

マカピー:「なんで、長嶋さんのところ?」
マカピー妻:「だって多摩川グラウンドに行ったんだもの、締めは長嶋様のところよ!」

意味が分からない!

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マカピー妻:「そうよ、高校時代にこんな感じで友達とグラウンドの後でここの坂道で話したのよ『長嶋さんが現れたらうれしいな!』って。そしたら長嶋様が運転する車が向こうからやってくるじゃない!二人してキャーって叫んじゃったわよ!」

いきなりの女子高校生の歓声(嬌声?)にブレーキを踏んだ長嶋さんは、窓を開けて「どうしたの?」と笑顔で声をかけてくれたそうです。

長嶋:「ああ、定岡クン(ピッチャー)を見に行ったの?今日はナイター戦だからグラウンドにはいなかったでしょう」

マカピー妻:「違います、長嶋さんに会いたかったんです!」

長嶋:「うれしいなあ。じゃあ握手しようか」
マカピー妻と友達は天にも昇る気持ちで握手をして「あと一週間はこの手を洗わない」と誓い合ったそうです。

ところが、その日から「魔の九連敗」が続いたのでマカピー妻は「きっと私の握手が長嶋様に不運をもたらしたの」と信じて以来、自分が派手に応援すると巨人が負けるというジンクスに怯えながら過ごすようになったというのです。

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まったく、「ファン心理」というのはコンプレックスのカタマリです。

マカピーがため息をついて彼女の話を聞いていると

マカピー妻:「フン、アナタは長嶋様の事を知らないくせに、評論家みたいにあれこれ悪口言わないでね。長嶋様はね、記録じゃなくて記憶に残るスターなのよ!」

それって、どこかで聞いたフレーズ!

そうです、それこそ半ば強制的にマカピー息子たちが幼いころ「長嶋ビデオシリーズ」を幾度も見せられた際にナレーションの言葉でした。

マカピー妻:「いいこと?あなた達は他の球団の事は知らなくてもいいから、巨人そして長嶋様だけは覚えておきなさい。このビデオを見るときは正座してみるのよ、分かった?」

かくして、二本から遠い海外生活であってもマカピー息子たちへの長嶋教「刷り込み」教育を施したのでした。

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。教育って大切な理由がここにあります

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