見出し画像

世の中嘘みたいな出逢いがあるものだ マカピーな日々#0236

マカピーです。

ヨルダンで近所の住宅街を散歩しているとあいにくの雨模様。

どこか雨宿りできるようなところはないかな?とあたりを見回すと民家ながら、英語で焼き物を売っている看板が出ているのが目につきました。

開店しているのか分からなかったのですが、とりあえず階段を上ってドアを叩くと、髭をたくわえた年配者が出て来てニッコリ。

マカピーを見て英語で「どうぞ見て行ってください」と話しかけてきました。

この年齢できちんとした英語を話すヨルダン人はかなり教養の高い人と思っていると「さあ、コーヒーが入りましたからこちらで飲んでください」と一杯ごちそうになりお話をしました。

アラブの国では商売の前にこういうおもてなしが嬉しいですね。(笑)

彼がマカピーに尋ねました。

「あなたは日本人ですね。ハジメマシテ」

「どうしてわかりましたか?」

「私は日本テレビ会社の特派員でもあるからです」

「ええ?どちらですか?」

「TBSです」と名刺を見せてくれました。あらま、ちゃんとロゴマークもあるし本物らしい!

更に別の部屋から額を持ってきて見せてくれました。そのテレビ会社からの感謝状です。そしてその署名に秋山豊寛とあるのです。

「この秋山ってあの宇宙飛行士の?」

「おお、あなたは彼の事を知っているのですか?」

「そりゃまあ、有名な方ですからね。ところで何で感謝状を受けたのですか?」

「実はイエメンで紛争があった際の日本人の脱出がありそれを報道したからです。私は大学で日本語を習って少し日本語がしゃべれるのです。それで紛争から最初に脱出した日本人に私がインタビューしたのです」

「それって1994年のイエメンの内戦の事ですか?」

「おやま、あなたはその事もよくご存じなんですね」

「実はその時に私もイエメンで働いていたのです。幸運なことに私たち家族はたまたまオランダ旅行中に戦争が勃発してそのまま日本に帰ったので脱出しなくて済みました。ところでその親子とは最初の国連機で脱出した小さな女の子の赤ちゃんとその母親ですか?」

「どうして、そこまで知っているのですか?」

「その二人は私の同僚の家族だったからです」

「なんと!驚きました。奥様が英語が喋れないので少し日本語ができる私が通訳したんです」

「そうでしたか、お世話になりありがとうございます。なんという不思議なめぐりあわせでしょう」

彼はジャーナリズムからほとんど引退して、自宅で小さな電気の焼き窯を持ち、好きな焼き物の教室をやったり自分の焼き物を売ったりする生活を始めていたのでした。

ちょっと出来すぎた話に聞こえるかも知れませんが、本当にあった事です。

マカピーでした。

最後まで森羅万象をマカピー的史観をお読みいただき感謝します。引き続きお読みいただければ嬉しいです。



もしもサポートいただければとても嬉しいです。そのサポートは感謝のバトンタッチとして使わせていただきます!