巨漢ムエネさんにハグされた マカピーな日々#0454
マカピーです。
8月中旬に二度目のアフリカ行きでは、そこの職域接種に加えてもらえることが決まり、ワクチン接種をしてから渡航できそうですが、任国側での新型コロナウイルスのデルタ株の蔓延で状況が悪化しています。
果たしてどうなるのかインシアラー(神の御心のまま)です。
さてかつて4年間ほど滞在したザンビアですが、地図で見ると大して大きくない印象ながら、日本の2倍以上の国土を持っていました。
アフリカ大陸の地図の縮尺が1ページにおさまるように調整されているので全体の印象が小さいと感じますが50以上も国が分かれている巨大な大陸なんです!
マカピーも行って見て初めて分かりました!(トホホ)
ザンビアに行く前にマカピーは東京の派遣組織本部でそこの職員のFさんと待ち合わせしました。
彼はマカピーがマレイシアの青年海外協力隊員時代のシニア隊員でチームをまとめるてくれました。それを終えてそこの職員になってもなにかと面倒見の良い方でした。
今回も、ザンビア行きが決まったと連絡すると、支社にいたのに「じゃあボクも東京に行くので新社屋の社食(カフェテリア)で一緒に食べよう」と誘ってくれたのでした。
社食内でトレーを持って並んでいると「あ、どうもおひさしぶりです」とFさんが挨拶した年配の職員らしき方は「久しぶりだね、元気?」と答えて我々の後ろについたのです。Fさんと話を続けたところを見ると知り合いのようでした。
ところがマカピーたち二人がテーブルに着くと、先ほどの方が当然のようにFさんの横に「よっこらしょ」と座ったのでした。
Fさんは「こちら今度ザンビアに赴任するマカピーさんです」と紹介したのでこちらも頭を下げ「よろしくお願いします」と言って見たものの、初めてお会いする方なので「この人ダレ?」状態でした。
「アフリカは初めて?」と親しそうに話しかけるので、マカピーはFさんに尋ねました「Fさん、こちらは、どなたでしょうか?」
Fさんは笑いながら「そうだったね。マカピーさんは関連事業に関わっていても、職員じゃないので組織内の事は知らなかっんだね。こちらはH理事です。ボクがこの組織に入った課で最初にいろいろ教わった方です。実はH理事がマカピーさんが行くザンビア大学の初代プロジェクト調整員を経験されたと知っていたので、今日ここで会ってもらう事にしたんです」
「ああ、そういう事だったんですか!」マカピーはFさんの優しい配慮に感謝しました。
H理事:「ボクの事は最近配布されているプロジェクト紹介の冊子No.8に出ているから読んでね!それから当時のUNZA(University of Zambia)の事を知りたかったら獣医事業の経験者が○○課にいるから、行って尋ねるといいよ。僕の名前を出せば大丈夫」
マ:「UNZAで活動されたのはどのくらい前のお話ですか?」
H理事:「もう25年以上も前の話なんだよ!早いもんだね。ボクも初めての海外赴任だったので一番印象深いところなんだ。まさかその後UNZAとの関係が四半世紀も続くとは当時思っていなかったけどね!」
マ:「え、そんなに長いんですか?」
H理事:「うん、北大の獣医学部がずっと協力してくれてね。当時大学の教授連中ってイギリスからの白人しかいなかったんだ。それをザンビア化しようってんで、みんな頑張ったんだよ。いまじゃあ日本や他の国で学位や博士号をとったザンビア人が切り盛りできるようになったんだからすごいよね」
Fさん:「今でも、ザンビアとのつながりがあるんですか?」
H理事:「あるよ、昨年も出張で行って来たよ。当時のザンビア人のカウンターパート(同僚)の一人はンドラにあるコッパーベルト大学の学長しているよ。それからUNZA獣医学部長のムエネさんにもボクの名前を出せば協力してくれるよ。行ったらよろしく言っておいて、、また訪ねて行くからって」
マカピーがムエネさんを紹介されたのはルサカの日本大使館での新年会のレセプションでした。出張で来られていた北大の教授に紹介してもらいました「ムエネさん、こちらマカピーさんです。新しいプロジェクトの調整員です」
黒い巨体のムエネ部長は「おお、マカピーさんですね。ザンビアにようこそ!」とその温かい大きな手で握手してくれました。
マカピーも「初めまして、よろしくお願いします。理事のHさんからもよろしくとの言伝を頂いています」と伝えると、破顔一笑してマカピーの手を引き寄せるとその巨体でしっかりとハグしてくれました。
「オオ、ソウデスカ。じゃあ僕らはもうトモダチですね!」
ムエネさんは北大で博士号を取得していたこともあり、日本人との仕事の仕方を心得ていた方です。4年間のプロジェクト期間中も大学の要職にありながらプロジェクト推進の立役者として活動を助けてもらいました。
一昨年北大の教授から、あのムエネ先生の訃報を聞き、マカピーはあの日のハグを思い出し涙がこぼれました。
「ムエネ先生、その節は大変お世話になりました。そして長らくザンビアと日本の懸け橋としてが活躍されお疲れさまでした。どうぞごゆっくりお休みください」
UNZA獣医学部棟の中にはザンビア領土の形をした池があり、その傍らには大理石のテーブルセットがあります。それは、こちらで活動中に病死した日本人専門家のメモリアルだったのです。
ムエネさんはきっとあのベンチで仲間や元専門家を冗談で笑わせながら、今も続く日本とザンビアのプロジェクトを温かく見守っている事でしょう。
マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。ザンビア大学獣医学部には一朝一夕では生まれない友情があります
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