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意外にツナガッテいる世界. マカピーな日々#0149
マカピーです。
前号0148でアメリカでの酪農の話をしました。
アイオワでの夏は農繁期で忙しいのですがちゃんと日曜日には着飾って教会にも出かけ、マカピーも分からないなりに聖書を勉強しました。
大概この時期、教会が終わった後でRe-unionを開くというホストファミリー、教会近くの町の公演で一族が集まったのです。
驚いたのがロバートの弟のリチャードは双子で、更にロバートの奥さんのノーマジーンとリチャードの奥さんのキャサリンは姉妹だったのです。
という事は遺伝子がかなり近い兄弟姉妹同士の結婚ですからその子供たちが非常によく似ているのです。
マカピーは会場で紹介されても誰が誰だか区別がつかないので、息子のロブにそっと伝えました。「君の従弟はホントによく似てるね」「ああ、仕方ないさ。田舎で人の数も少なかったこともあり、戦争で出兵するので取り合えずそんな結婚が多かったんだってさ」
それから小さな野球場があって、ここでソフトボール大会をやって参加したこともありました。フランスから来ていた実習生のマルクと一緒に参加したんだけど、彼の目当てはそこでフリーで飲めるビールだったんですね。
二人してご機嫌でホストファミリーのところに帰ってくるとノーマジーンがかなり怒っていたのです。そうですこの家ではアルコールは「悪魔の水」と呼んでいたのです。
マルクはフランスからの手土産に一本のコニャックを持ってきたのですが「俺は馬鹿だった。この家族が飲まないのを知っていたら酒を差し出さないで一人で飲んでいればよかったぜ」と後悔していました。
当時マカピーは煙草を吸っていました。当時は普通でしたが燃えやすい牛の餌の乾草に火が付くと大火事になる恐れがあるのでマカピーは次第に吸わなくなりました。
もっとも跡継ぎのロブが煙草も酒もやらない訳でなく、母親のノーマジーンに見つからないようにやっていました。もっぱら酒を買いに行かされるのはマカピーで成人しているというIDを提示してリカーショップからシナプスを買ってきました。
ロブの年代はチューとよばれる噛みたばこをやっていました。平たい缶に入ったスコールとかコペンハーゲンという銘柄の刻んで味をつけた煙草の葉をつまみとって唇の内側に入れてだ液と混ぜて楽しむのですが、一方で口腔ガン発生の原因ともいわれ恐れていました。ヤレヤレ。
フランスからの実習生は122歳だったマルクの後に、18歳でロブと同じ年の若いクリストファー、その後髭もじゃでルンペンのような容姿をしたジャックがそれぞれ順番に数か月滞在して実習してゆきました。
マカピーは1年間で日本の団体が送り込んできた実習生としてはタク、ヨシに次ぐ3番目でした。
ホストファミリーとしてはその協会への支払いと実習生への小遣いも支払うので出費も多かったと思います。いつも人間関係が円満と言う訳にもゆかず、文化習慣の異なる実習生との間にいさかいもあり、大変だったと想像できます。
今でもマカピーは、たちを面倒見てくれたホストファミリーには感謝しきれないものがあります。
ところで2番目の日本人実習生だったヨシは北海道のある町の酪農家の息子でした。マカピーとはホストの家で2日ほど引き継ぎで滞在が重なったこともあり、住所も聞いて幾度かはがきをやり取りしたことがありましたが、さすがに時間が流れすっかり忘れていました。
ところが2年ほど前、東京の新宿西口のロータリー近くで北海道物産展示即売会の催し物があり立ち寄ったのでした。各地区ごとに物産コーナーがあり、学生時代にお世話になった北海道の酪農家のあった中標津町や弟子屈など近辺の町の畜産物が売られていました。
そこの乳製品を買いながら、展示即売をしている若者に「実は私は学生のころ中標津の農家でお世話になったんです」「それから米国での酪農実習での前任者がそちらの町の出身者だったはず」と言うと、売り子の青年が反応して「へー、どなたですか?」とすぐに聞き返されたのです。
「ヨシさん、○○○○さんていいます」不思議なもので、その時にスラスラと長年忘れていた名前が出てきたのです。
「そのヨシさんて僕の知っていると人だと思います」「ええ、なんで?」「実はその人の娘と僕が同級生なんです」
「あらま! そうでしたか。ヨシさんは酪農を続けているんですね。素晴らしい。帰って彼にあったらアメリカの実習先の後任だった人に会って元気だったって伝えてください」とお願いして立ち去りました。
世の中狭いものです。
だからマカピーは人生が面白いと思うんですよ。
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