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だれかの思い出に立ち会う マカピーな日々#0697


マカピーです。

数年前マカピー義母の故郷である会津若松の郊外の町を二人で散歩していた時の事です。

彼女の実家から300メートルほど離れた場所の製材所の裏の小さな祠(ほこら)辺りで、マカピー義母がフッと立ち止まりました。

マカピー義母:「そうだわ・・・、ワタシが若い頃、ここで突然現れた青年から付文(つけぶみ:ラブレター)を貰ったんだったわ!そうよ、ここよ。青年はなかなかの『器量よし』だったの・・・」

マカピー義母はちょっと夢見るような感じで語りだしたのです。

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ダーバンで見かけた黄色いナメクジ

マカピー:「お義母さん、若い時分はモテたんですね!でもその男の人とは付き合わなかったんですか? そもそも返事は書いたんですか?」

マカピー義母:「どうだったかしらね。貰っただけで返事をしなかったと思うわ。じゃあなかったら今の人(夫)とは結婚してなかったもの。でもどうしてそんな事思い出したのかしら、もう60年以上も前の事なのよ。それに誰にも話したことなかったのに、なんだか不思議ね」

マカピー:「そんな思い出があったんですね。じゃあ、お義父さんも知らないんですか?お義母さんが結婚前にモテたことを」

マカピー義母:「さあ、どうかしら(笑)。それにその青年と付き合うつもりもなかったと思うの。だって、私はここ世界から逃げたくてあの人(マカピー義父)にくっついて川崎(神奈川県川崎市)に行ったのだから」

マカピーは義母から、思わぬ結婚前の話が聞けたのでした。

この事から、マカピーは人って何かの拍子に、ありありと当時の様子が目の前に広がる瞬間があって、それをたまたま近くにいた人にでも当時の様子を語りたくなる事があるんだなあって思うのでした。

そして、マカピーは今南アフリカにいながらその光景を思い出すのでした。

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ダーバンの朝焼け

昨晩はリョウコさんとマカピー妻の初顔合わせがあり、3人でダーバンで有名なインド料理レストランで会食をしました。

初めて会ったのに、女性二人は旧知のように打ち解けて話している様子に、もっと早く設定すればよかったかなと思ったくらいです。

次第に話題はそれぞれの失敗談になり「失敗があるから面白いんじゃない。今の若者が失敗を恐れすぎて海外に出て行かないってモッタイナイなあって思う」と最近の風潮を話しました。

すると、マカピー妻が「それでも、私の中で叶うなら、やり直したいことが一つだけあるの」というではないですか!

「それって、何?」と尋ねてみると、彼女が小学生の卒業式でのことだそうです。

講堂の壇上で、彼女が卒業生代表で在校生に向けての「お別れの挨拶」を読み上げたそうです。

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インド洋からもうすぐ朝日が上がります

無事、大役を果たして彼女はスタスタと卒業生の席に戻るのですが、担任教師が慌てて駆け寄ってきて「在校生側の挨拶が終わるまで、あそこ(壇上を指して)で待ってるはずでしょ、さあ戻りましょ!」

そういわれ手を引かれて壇上に戻るとき、彼女はパニックになり周囲のざわめきと、恥ずかしさ「死にたい」と思ったのだそうです。

それを聞いて、マカピーもありありと顔を真っ赤にして、泣きそうになりながら下を見つめるばかりの少女の姿が見えるようでした。

マカピー:「ふーん、初めて聞いたなあ。ちょっと辛かったね」

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散歩する公園へ行く道筋

リョウコ:「でも、とっても素敵な話じゃないですか。一生懸命やってちょっととちったくらい、ゼンゼン恥ずかしくなんかない!」

マカピー妻:「・・・そうかな。私は消したい思い出だったんだけど・・・」

マカピーはいつになく思い出に浸っているマカピー妻の様子にびっくりしました。

マカピー:「ボクもリョウコさんと同じで良かったと思うよ。だって誰でも経験出来る事じゃないよ。マカピーも高校の卒業生代表で卒業証書を受けた後、予行練習とは違って後ずさりしたら危うく壇上から転落しそうになったもの!後でクラスメイトから笑われたけどさ。とてもいい経験させてくれなあって今では思うもの」

マカピーでした。

最後までお読みいただき感謝します。突然思い出す時に誰かにいてほしい?


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