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水(パニ)は大切だから マカピーな日々#0293

マカピーです。

ネパールに住んでいた頃、

カトマンズは盆地なので排気ガスが滞留してしまい呼吸器系の病気が多いだけでなく、水源が少ないこの盆地に人口が集中してしまったので水問題が深刻化していました。

街中にはところどころに共同の水道の蛇口があるのですが,そもそもの水源が枯渇していたので断水状態が続いていました。

そしていつ来るか分からない水くみのために真鍮製の水桶がズラーっと並んでいる事が多かったのです。

ですから、カトマンズで住宅を選ぶ際も水がポイントとなります。

井戸を掘るなど新たに水源を求めるか、上水道パイプから上手く水を引き取るのかが重要な問題でした。

マカピーの家の地下には地下タンクがありそこから屋上のタンクにポンプアップして各部屋に配水していましたが、ほぼ断水状態ですから地下貯水槽に水が入ってこないのです。

そこで大家さんは店子となったマカピーに秘策を教えてくれました。

「この家は給水管の真下から水を確実にとる工夫をしてあります。夜間に水道管を少しだけ流れるチャンスがあるので、水の音がしたらポンプのスイッチを入れて水をゲットしなさい」

おかげで、5年間なんとか給水車のお世話にならずにすみました。

でもバスタブがあっても、そこに水を張って入ることはありませんでした。

そんな使い方をすれば地下貯水槽もすぐからになるし、他の人が苦労しているのにとてもそんな贅沢はできませんでした。

トイレも小水だけの場合は流さないし、トイレットペーパーは流さないのが決まりでした。

子どもたちと日本に来るとマカピーの奥さんの両親宅に宿泊するのですが子どもたちがトイレを流さないので注意すると子供たちは

「バーバ、水がもったいないからおしっこで流しちゃダメなんだよ」と言われたと義母が笑っていました。

ネパールで知り合ったオーストラリア人の友達が引退した後でシドニー郊外の海岸近くの土地に住んでいました。

マカピーは家族でそこを訪ねると「水道がないので雨水を貯めたタンクだけで生活している」との事で基本的にかつてのネパールでの生活と変わらない状況だったのです。

子どもたちは全く違和感なくむしろクーカブラ(ワライカワセミ)が飛び交う周囲の自然に夢中で「ぼくも将来こんな家に住みたい!」と喜んでいました。

そんな水事情ですからアメーバ赤痢、ジアルジア症、寄生虫症が多かったですね。

子どもたちがトイレの後で「下痢ピーだよ」というと、大概の場合は日本から持ってきた「新ビオフェルミン」を2錠ほど渡すだけで治りました。

さらに症状がひどい時は、ポカリスエット粉末で経口保液として一日もすれば元気になりました。

医療事情が十分でない国で育った子供たちですが、大病もせずに幸運だったと感謝しています。


マカピーでした。

最後までお読みいただき感謝します。水は限られた資源です。




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