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のりたかった自転車 マカピーな日々#0121

マカピーです。

マカピーが自転車に乗れるようになったのは小学校4年生でした。

幼稚園児だってチョコマカと自転車をこぎまわる世の中なのに4年生まで乗れなかったというのはどういう事でしょうか?

マカピーの母親に言わせると、マカピーはガンコな性格だったらしく、いったんイヤだといったら、てこでも動かぬ「意固地」なところがあったらしいです。

3歳年上の兄は小学校の一年生ころから補助輪を付けた自転車から早々に卒業してしまい一人でホイホイ自転車を乗り回していました。

それをマカピーは「お兄ちゃん」の後を走ってついてゆくのでした。

もちろん4年生になるまでに幾度か自転車にトライしたことがあったのです。父親に自転車の後ろの荷台を支えてもらって走ったこともあります。

でもそのささえがなくなったとたん、コントロールを失い転倒したり生け垣に突っ込むなどで「絶対に乗らない!」と心に決めたのです。

それ以来、マカピーはどこへ遊びに行くのも走っていました。

走らなければお兄ちゃんについてゆけないから走ったのですが、走るとそれが次第に好きになりそれほど苦にならなくなったのでした。

兄が小学校の低学年のころは近所の兄の友達が自転車でいろいろなところへ行くのにもついて行きましたから、当時の兄の友達にあったりすると「今でも思い出すんだけど、君は僕らの自転車の後を追いかけてよく走っていたよね」

ところが、兄が中学生になると、兄の遊びについて行くことは無くなりました。さらに自分の同級生が自転車を乗り回しているのにいつまでも走って追いかけるわけに行かなくなってきました。

意を決して「補助輪」をつけてもらった自転車にまたがるようになり庭を行ったり来たりするようになりました。

そしてある日、補助輪をとった自転車で乗れるようになったのでした。不思議なものですね。いったん乗れてしまうと今度は倒れません!!!

マカピーはうれしくて、うれしくてさっそくいつも走っていた近所の道路へ自転車で乗り出しました。

「おーい、みんなー!ぼくだよー。ほら、自転車に乗ってるんだよ!」

そんなハイな気分で村営住宅の脇道を下って行った時です。マカピーは自分の乗っている自転車の異常に気づきました。

ブ、ブレーキが効かないのです!!!

ブレーキレバーをにぎっても何の抵抗もありません。よりによって前後二本のブレーキの線が切れていたんです。

「うわあああああああ」

パニックになったマカピーは飛び降りる事も出来ず、カーブを曲がる事も出来ずそのまま正面のススキの茂みに突っ込んで行きました・・・・・。

しばらくして気が付くとマカピーは土手の下の小さな流れに頭から落下していました。どうやら少し記憶が飛んでいてどうなったのかよくわからないのです。

頭が痛いので手をやると大きなタンコブができてそこから少し出血がりましたが、体は動きます。ひしゃげるように折れ曲がった体を戻し四つん這いになって周囲の様子を確かめました。

2mほど落下したようで、頭上にある自転車はススキにつかまってまだタイヤをクルクルと回していたのでした。ほんの数分しかたっていなかったのかも知れません。

住宅の小さな子供が土手の上からのぞきこみ「だいじょうぶ?」と声をかけてくれました。ヤレヤレ見られちゃったんだなあ。

「うん、だいじょうぶだよ」

マカピーは泥だらけの身なりで土手を回って自転車のところに戻りました。

ほんの小さな坂道のT字路なのに、ブレーキの事でパニックになったマカピーはうまくかわすことができなかったのだと状況がわかりました。

自転車をひきもどし、手で押して家まで戻りました。おばあちゃんに頭の傷に赤チンをぬってもらい何があったのか説明した覚えがあるのですが、それ以外の家族の反応がどうだったのか全く記憶にありません。

自転車に乗れた最初の日に交通事故?のマカピーでした。ほとんど車のとおりがない時代だったし、気を失ったのかうまく着地?してタンコブで済んだから良かったのでしょうね。

時々こうして「初めての日」を思い出すのでした。

一方で走るのが好きになったマカピーは短距離ではあまり早くなりませんでしたが1500メートル走などでよい成績を収めるようになり、中学生のころは駅伝の選手に選ばれ県大会にも出場しました。

マカピーが走るのが苦にならなくなったのは、兄たちの自転車の後を追いかける毎日があったからなんだろうなあと不思議なつながりを感じます。

また、米国のアイオワ州に一年間酪農実習で暮らした後、もう一年学校へ行くのですがその時に日本をもう少し体感したくなって、弟が持っていたロードマンをツーリング用に改造して、ペダルにクリップもつけて、更にテントや鍋をくくりつけて四国一周に出かけました。

ブリヂストン・ロードマン - Wikipediaja.wikipedia.org

自転車やバイクのおかげで世界が広がり、メカニカルなこともわかるようになったのは本当に良かったです。

のりたかった自転車なのにやせ我慢していたマカピーがかわいいと思えるようになりました。

マカピーでした。



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